・売上台帳とは
・売上台帳の書き方
・売上台帳の保存期間は
個人事業主やフリーランスの方々にとって、売上台帳は重要な管理ツールです。最近の状況を考慮すると、補助金や助成金の申請においても、売上台帳が急に必要になることがあります。売上台帳の作成は、いくつかのポイントを押さえるだけで簡単に行うことができます。
この記事では、売上台帳の作成方法を中心に、注意点や必要なシーンについて解説します。ぜひ参考にして、効率的な売上台帳の作成を行ってください。
売上台帳とは?売上台帳の概要
売上台帳とは、その名前からわかる通り、売上に関する取引を記録する台帳のことを指します。売上とは、収益や収入のことで、例えばシステム開発の仕事を50万円で引き受けた場合、売上は「50万円」となります。ここで注意すべきなのは、「利益(売上-経費)」とは異なる点です。売上台帳には売上だけが記録され、利益については別途計算する必要があります。
売上台帳は様々なツールで作れる
売上台帳を作成するツールは数多く存在します。
ここでは、売上台帳作成に役立ついくつかのツールを紹介します。
会計ソフトから抽出
会計ソフトを利用して帳簿を管理している方は、そのソフトのデータを活用して売上台帳を作成することができます。
そのメリットは、自動的に売上台帳が作成される点です。
通常であれば、仕訳の内容を参照しながら売上台帳に記録する必要がありますが、抽出機能を利用することで、会計ソフトに入力された仕訳の内容が自動的に売上台帳に反映されるため、手間が省けます。
この方法は、売上台帳の作成時間を短縮したい方に特におすすめです。
エクセルで作成
エクセルを使用して売上台帳を作成する方法もあります。
文字やフォント、罫線などを自分好みに設定できるため、アレンジしながら売上台帳を作成したい方に最適です。
また、クラウド上でエクセルを保存できる場合は、データの紛失リスクを低減することができます。
手書きで作成
手書きのノートで作成する方法も存在します。
その利点は、パソコンやスマホを持っていなくても作成できることにあります。
ノートを紛失しなければ、データが消える心配はありません。
パソコン操作が苦手な方には、手書きで作成することを検討する価値があります。
ただし、売上台帳をデータとして保持する方が利便性が高いです。
この機会に、パソコンやスマホを使って作成する方法を考えてみましょう。
売上台帳を書く時に記載する内容
売上台帳の記載内容は決まっています。
タイトル
申請者名
売上日
取引先
売上日の発生要因
金額
助成金の申請月
一例としてこのようなイメージです。
引用:弥生 経理あんしんガイド
それでは記載する主な内容を詳しく見てみましょう。
タイトル・期間
売上台帳であることがすぐに分かるように、タイトルを明記しましょう。
さらに、期間も「〇〇〇〇年〇月~〇〇〇〇年〇月」のようにわかりやすく表示しておくことが望ましいです。
申請者名
売上台帳の上部に、屋号を記載してください(屋号がない場合は氏名を記入)。
屋号を載せないと、何の事業に関する売上台帳か分かりません。
関連記事:フリーランスは屋号を付けるべき?メリット&デメリットも解説
売上日
売上発生日を日付欄に記録しましょう。
例えば、7月25日に売上があった場合、「7/25」や「7 25」といった表記で記述します。
ただし、売上発生の基準は事業ごとに違いがあるため、計上する前に確認しておくことが重要です。
取引先
どのクライアントから発生した売上なのかも書きます。
たとえば「●●株式会社」から受け取った報酬であれば、取引先の欄に「●●株式会社」と記入します。
売上が発生した理由
売上が発生した理由を内容欄に記述しましょう。
SEの場合、「A会社のシステム開発に関する報酬(●月分)」や「B商事におけるセキュリティ作業に関する顧問料(●月分)」のように記入します。
金額
金額欄には、各売上の金額を記載します。
消費税を支払っている場合、「税抜」または「税込」のどちらで記入するかを確認してください。
各項目の金額に加えて、月の売上金額合計も必ず記入しましょう。0円の場合でも、「0円」と記述します。
補助金・助成金等の申請月
持続化給付金や助成金の申請の際には、前年と比較して売上が減少している月を対象として申請します。
どの月が申請対象月であるかを明確にし、わかりやすく記載しましょう。
売上台帳を書く時の注意点
売上台帳を作成する際、最も重要なことは書き漏れを防ぐことです。
先述した項目をすべて記載し、売上が発生したものを書き忘れないように注意しましょう。
売上台帳の内容は税務調査の際に検査されます。
抜け漏れが見つかると、税務調査が厳しくなり、不備が指摘される箇所が増えることもあります。そのような状況を避けるためにも、記録を抜き漏れなく行うことが重要です。
当然ですが、売上の不正計上も避けるべきです。
例えば、「売上を次期に繰り越す」、「実際の売上よりも少ない金額を記録する」、「売上があったのに故意に書かない」といったケースが挙げられます。
売上額を調整して税額を減らそうとするフリーランスもいますが、これは「脱税」となります。
脱税が発覚した場合、加算税が課せられて、本来の税金よりも多く支払うことになるケースもあります。中には、加算税を支払えずに廃業に追い込まれた事業者もいます。
自分で対応するのが難しい場合は、税理士に依頼することも一つの方法です。
関連記事:フリーランスが税務を税理士に依頼するメリット・デメリット!費用の相場も紹介
売上台帳を使う場面
最後に、売上台帳が必要となる場面を紹介します。
税務調査
融資・助成金・補助金・給付金の申請
過去の売上を確認するとき
それぞれ詳しく説明します。
税務調査
売上台帳は、税務調査の際にも確認されます。
売上台帳をチェックする目的は、売上が正確に計上されているかを検証するためです。
売上台帳は、確定申告書の提出期限を過ぎた後も、7年間保管する必要があります。
もし保管していなかった場合、青色申告の取り消しなどにより、追徴課税額(追加で支払わなければならない税金)が増加する可能性があります。
関連記事:【危険】税務調査に狙われるフリーランス(個人事業主)とは?5つの特徴と対策
融資・助成金・補助金・給付金の申請
給付金の申請書類として利用されるケースもあります。持続化給付金や家賃支援給付金の際には、申請時の添付資料として「売上台帳」が必要とされています。
また、融資の際に参考資料として提示が求められることもあります。
売上額の変動状況や取引先など、様々な情報が記載されているため、審査時の資料として活用しやすいでしょう。
持続化給付金の申請書類や手続き方法については、関連するリンクや情報を参照してください。
関連記事:【申請受付終了】フリーランスの持続化給付金の申請方法や必要書類を解説!
関連記事:【まとめ】コロナの影響を受けたフリーランスが使える補助金、給付金など
過去の売上を確認する時
過去の売上を把握することは、事業計画や営業戦略を策定する上で非常に重要です。売上台帳を確認することで、過去の売上の変動だけでなく、取引ごとの売上の割合や継続的に発生している売上の種類など、様々な情報を知ることができます。これらの情報をもとに、今後の事業計画や営業戦略を立てることができます。
まとめ
売上台帳を中心に解説しました。
まとめると、このようになります。
✓売上台帳を書く時に記載する内容
・タイトル
・期間
・申請者名
・売上日
・取引先
・売上が発生した理由
・金額
・助成金等の申請月
✓売上台帳を使う場面
①税務調査
②融資・助成金・補助金・給付金の申請
③過去の売上を確認する時
売上台帳は、様々な場面で使用します。
確定申告時に提出することはないものの、その他の場面で提示を求められるケースもあります。
自分の首をしめないためにも、売上台帳の作成を怠らないようにしましょう。
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