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教養を身につけるとは何か?フリーランスが「正解のない時代」を生き抜くための思考法

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記事概要

日々の仕事をこなしていると、「これでいいのかな」と立ち止まる瞬間があります。目の前の案件は回っているし、生活もすぐに困るわけではない。それでも、判断の基準が分からなくなったり、他人の選択と比べて不安になったりすることはないでしょうか。最近、そうした行き詰まりの中で注目されているのが、「教養を身につける」ことです。ここで言う教養は、難しい言葉を覚えることや、知識を増やすことだけを指しているわけではありません。正解が見えにくい状況で、何を大事に考えるか、その軸をつくるために必要なのが教養ではないでしょうか。

本記事では、教養を単なる勉強としてではなく、生き方や選択を支える土台として捉え直し、フリーランスにとっての意味と向き合い方を考えていきます。

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いま「教養を身につける」ことが注目されている理由

近年、「教養」という言葉を目にする機会が増えています。書店には「教養としての〇〇」と題した本が並び、動画やSNSでも、歴史や哲学をわかりやすい言葉で解説するコンテンツが人気です。教養を身に着けることは、もはやブームになっていると言えるでしょう。一方で、「それは本当に必要なのか」「ただの知識集めではないか」と感じる人がいるのも事実です。

こうした流れの中で話題になったのが、「ファスト教養」という言葉です。短時間で答えや要点を知りたい、すぐ役立つ知識がほしい。そうしたニーズに応える形で、教養が効率よく消費される傾向を指します。この考え方に対しては、「教養をビジネスの道具にしているだけではないか」といった批判的な意見も出ています。

ただ、この動きの背景には、もっと切実な事情があります。仕事や生き方に、はっきりした正解が見えにくくなったことです。何を基準に判断すればいいのか分からず、不安を感じる中で、人は「考えるための材料」として知識を求めます。その受け皿として、「教養」という言葉が選ばれているとも言えそうです。



実際、多くの人が最初から深い学びを求めているわけではありません。「知らないと不安」「話についていけないかもしれない」といった気持ちから、教養に触れている人も多いでしょう。そのため、「教養を身につける方法」が、手軽さや分かりやすさで語られやすくなっています。

しかし、教養は本当に、答えを早く出すためのものなのでしょうか。知識を集めること自体が目的になってしまっていないでしょうか。次章では、とくにフリーランスという立場から、「なぜ教養が必要なのか」を、別の角度から考えていきます。

それでもフリーランスに教養が必要なのはなぜか

最近の教養ブームでは、「仕事に役立つかどうか」で考えられがちです。フリーランスをしている方なら、「役に立たないことに時間を使っていられない」と感じる人も多いでしょう。収入や評価がすぐ結果に出る分、なおさらです。

ただ、フリーランスという働き方を少し俯瞰してみると、別の見え方もあります。フリーランスには、正解を示してくれる人がいません。どの仕事を受けるか、どこで断るか、この先どう進むか。判断の多くを、自分ひとりで決めていく必要があります。

このとき必要になるのは、「これが正しい答えだ」と言い切れる知識よりも、「正解がわからない状況にどう向き合うか」という姿勢なのかもしれません。教養は、そうした場面で、考え方の支えになることがあります。悩みが消えるわけではありませんが、「全部自分が悪い」と抱え込まずに、一度立ち止まって考える余白をつくってくれます。

また、フリーランスは他人と比べやすい立場でもあります。収入や実績が見えやすく、「あの人はうまくいっているのに」と感じることもあるでしょう。教養は、そうした比較をすぐに結論にしないための視点を与えてくれます。短い成果だけで、自分の価値を決めなくなるからです。

こう考えると、フリーランスにとっての教養は、「仕事ができるようになるための道具」というよりも、正解のない選択を続けるための支えに近い存在だと言えそうです。では、忙しいフリーランスが、そうした教養をどう身につけていけばいいのでしょうか。次章で考えていきます。

忙しいフリーランスが、教養を身につけるための現実的なヒント

では、忙しいフリーランスが教養を身につけるには、どうすればよいのでしょうか。時間を取って本を読み、動画を見て、体系的に学ぶ。それができれば理想ですが、日々の仕事に追われる中で、なかなか難しいのが現実です。

ここで大切なのは、「何かをたくさん学ぼう」とすることではなく、自分の中に生まれた小さな引っかかりを、そのままにしないことかもしれません。仕事中の違和感、ニュースを見たときのモヤっとした感覚、誰かの言葉に対する引っかかり。そうしたものは、立派な「問いの芽」です。

この問いを持ったまま日常を過ごすだけで、インプットの質は自然と変わってきます。たとえば、たまたま読んだ記事や、何気なく聞いた会話が、「あ、これ前に気になっていたことだ」と結びつく。意識的に勉強しなくても、身の回りの出来事が学びに変わっていきます。

もちろん、「引っかかりを拾う」と聞くと、悩みが増えそうに感じる人もいるでしょう。ただ、教養の目的は、悩みをなくすことではありません。むしろ、悩みをすぐ答えに変えようとせず、少し距離を取って眺められるようになることにあります。答えを急がなくてもいい、という感覚を持てるだけで、気持ちは少し楽になります。

教養は、知識をたくさん持つことでも、賢く見せることでもありません。自分の人生や仕事について、「考えてもいい」と思える余白をつくることです。忙しいフリーランスだからこそ、まずはその余白を、日々の引っかかりから育てていく。それが、無理のない教養の身につけ方なのかもしれません。

引っかかりを外に出したいと感じたら、テックビズに相談を

日々の中で生まれる「引っかかり」は、自分の中で考えるだけでも意味がありますが、言葉にして外に出すことで、見え方が変わることもあります。頭の中では曖昧だった問いが、話すことで整理され、「自分はここで迷っていたのか」と気づくこともあるでしょう。

そうした場として、テックビズのキャリア相談を活用するのも一つの方法です。フリーランスのキャリア相談にも力を入れており、自分では気づきにくい強みや、これからの働き方の方向性を一緒に整理できます。

教養が人の「ビジョン」を広く、強くする

以前、取材した方の中に、「大きく成長しない企業のトップは、数字の話しかしない」と話していた人がいました。正しい戦略を立て、きちんと実行すれば、企業はある程度までは成長する。ただ、それ以上の大きな成長にはつながらない、というのです。

これまで多くの起業家を取材してきた中で、その感覚はなんとなく分かる気がします。未来の話を聞いたとき、ロジカルで説得力のある戦略だけを語る人もいれば、実現できるかどうか分からないほど、途方もないビジョンを語る人もいます。話を聞いていて、自然とワクワクし、「応援したい」と感じるのは、後者であることが多いように思います。

それは、その会社で働く人や、関わるステークホルダーにとっても同じではないでしょうか。気持ちが動くかどうか。その差が、結果として成長の天井になると考えるのは、言い過ぎではない気がしています。

そして、そのビジョンの根底にあるものの一つが、教養なのではないかと感じることがあります。ビジョンは、何もゼロから生まれるものではありません。歴史やスポーツ、映画など、他分野の話を交えながら未来を語る起業家は少なくありません。そうしたインスピレーションの積み重ねが、ビジョンを形づくっているのではないでしょうか。

これはフリーランスにも同じことが言えると思います。起業家のような大きなビジョンでなくても、自分がどう生きたいのか、社会とどう関わりたいのか。教養があることで、そうした問いを、少し広く、大きく考えられるのかもしれません。


執筆者

鈴木光平

鈴木光平

10年にわたって、フリーライターとして活動。テックビズのライターとしても活動中。主にスタートアップ界隈を中心に起業家や投資家などを取材、記事の執筆などを行ってきました。貴重な話を聞いてきた経験から、少しでも役に立つ情報をお届けします。

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