近年、労働環境の変化に伴い会社に所属することなくフリーランスで自由に働きたいと考えている方も増えてきています。
IT関連の仕事においては人材不足の影響もあり、フリーランスに対する需要は高まってきているため、フリーランスを目指すのであればチャンスは大きいでしょう。
しかし、フリーランスにはデメリットも存在します。特に、保険に関して不安に感じる方は多いのではないのでしょうか。会社員の場合は会社側にお任せできますが、フリーランスの場合は自分で手続きを行う必要があります。
ただ保険の種類は複数ある上に手続きも複雑で、知識がない状態で保険加入の手続きを進めていくことを困難に感じる方も多いでしょう。
そこで、今回は「フリーランスが入らなければならない保険」から「フリーランスにおすすめの保険」「保険料は控除の対象になるのか」などフリーランスの方が知っておくべき保険の基礎知識について解説していきます。
フリーランスになって働きたいけれど保険に関して不安がある、と感じている方はこの記事を最後まで読んで、ぜひ参考にしてください。
・フリーランスが入らなければならない保険
・フリーランスにおすすめの保険
・保険料は控除の対象になるのか
フリーランスが入らなければならない保険
日本には国民皆保険制度、国民皆年金制度というものがあり、全ての国民が入らなければならない保険があります。もちろんフリーランスの方も例外ではなく、今から紹介する3つの保険は必ず加入手続きを忘れないようにしましょう。
また、手続きには時間を要する場合もあるため、フリーランスになることを検討し始めたら並行して準備を進めることをおすすめします。
健康保険
健康保険は、病気やけが、それに伴う休業、出産や死亡といった事態に保険給付が行われる制度です。国民皆保険制度が存在するため、全ての国民がいずれかの公的医療保険に加入する必要があり、会社員、公務員など職種の違いや年齢によって保険の種類が異なります。
また、任意加入の民間の医療保険に加入しているから必要ないという方も、合わせて公的医療保険にも加入する必要があるのです。
フリーランスの方の公的医療保険は、具体的に下記のような選択肢が挙げられます。
国民健康保険へ加入
会社員時代の社会保険(健康保険)を継続
国民健康保険組合へ加入
家族の扶養に入り、社会保険(健康保険)に加入
いずれかの方法を選択し、手続きを進めるようにしましょう。
フリーランスの健康保険について詳しくは「フリーランスが選べる健康保険の種類とは|国保以外の保険や保険料を安くする方法についても解説」をぜひ読んでみてください。
介護保険
介護保険は、介護が必要になった際に一部の費用が給付される制度です。40歳以上の国民に加入義務があり、対象者は健康保険料と一緒に介護保険料を納めることになります。
また、介護保険料は健康保険料と合わせて自動で徴収されるため、追加の手続きは必要ありません。40歳を迎えると自動で徴収されるので、40歳以上の方は健康保険料に介護保険料が上乗せされることを覚えておきましょう。
参考:厚生労働省
国民年金保険
国民年金は、原則として65歳以上の国民に金銭が給付される制度です。将来年金を受け取るため、20歳以上60歳未満の国民に国民年金保険への加入義務があり、年齢を満たしているフリーランスの方であれば、公的医療保険と合わせて加入が必要です。
また、会社員や公務員であれば国民年金に加えて厚生年金や共済年金に加入しますが、フリーランスの場合は国民年金のみの加入となるため、会社員や公務員と比較して将来の年金受給額が少なくなります。
フリーランスになるのであれば、個人型確定拠出年金(iDeCo)やNISAなど、若いうちから将来の貯蓄にも目を向けると安心です。
参考:日本年金機構
フリーランスの国民年金保険について詳しくは「フリーランスが知っておくべき年金の基礎知識|老後の対策についても紹介」をぜひ読んでみてください。
未加入だとどうなるのか?
では、上記3つの保険料が未払いだった場合、どのようなことが起こるのでしょうか。
医療サービスや介護サービスが全額負担となるのはもちろんですが、未払いの期間に応じて延滞金が発生し余計に保険料を支払うケースが多いでしょう。また、訪問員が自宅に訪問してきたり、財産の差し押さえが実施されたり、過料が科されたりする可能性もあります。
もしフリーランスになる際に加入手続きを忘れて未払いだった場合は、発覚次第速やかに支払いを行いましょう。また、諸事情によりどうしても支払いが滞ってしまう時は、事前に相談をすることが大切です。
フリーランスにおすすめの保険
ここからは、フリーランスとして働く上で加入をおすすめする保険をいくつか紹介します。加入義務はありませんが、フリーランスは会社が守ってくれない分、もしものことがあった際に自分で保証できることがとても大切です。状況に応じて加入を検討してみてください。
労災保険
所得補償保険
賠償責任保険
労災保険
労災保険とは、仕事中もしくは通勤中に負傷、病気、死亡した場合に、本人もしくは家族に対して国から保険給付が行われる制度です。
会社員の場合は、会社に加入義務がありすでに加入している状態ですが、フリーランスの場合は自分で加入する必要があります。もともと雇用されている方向けの保険のためフリーランスは対象外でしたが、業種によっては加入が可能な状態になっており加入可能な業種はどんどんと拡大しています。
ITフリーランスの方も、2021年9月1日からITフリーランスの特別加入団体を通しての加入が可能になりました。怪我や病気等で働けなくなった際の休業補償等もありますので、前向きに加入を検討してみることをおすすめします。
所得補償保険
所得補償保険とは、怪我や病気で働けなくなった際の収入減に備える民間の保険制度です。
会社の健康保険に加入する会社員には、傷病手当金の給付がありますが、国民健康保険に加入するフリーランスは、一部例外を除き傷病手当金の給付がないケースがほとんどです。
所得補償保険に加入していると、怪我や病気で減ってしまった収入の一部を保険金として受け取ることができるため、万が一の時にも安心できるでしょう。労災保険とは違い、仕事中の発生ではない怪我や病気の際も補償範囲内なので、どちらも加入しておくとより安心です。
特に扶養家族がいるフリーランスの方は、家族の生活を守っていくためにも加入しておくことをおすすめします。
賠償責任保険
賠償責任保険とは、取引先から損害賠償を請求された際に一部を保険金として負担してくれる民間の保険制度です。具体的には、著作権等の権利侵害、情報漏洩、納品物遅延などが起こった際に損害賠償を請求される可能性があるでしょう。
会社員の場合、取引先から損害賠償を請求された場合は会社の責任となりますが、フリーランスの場合は自分で責任を取る必要があります。いつどこでトラブルに遭うか分からないため、不安な方は賠償責任保険への加入を検討するとよいでしょう。
また、損害賠償トラブルを避けるためにも、契約時に業務委託基本契約書の内容をきちんと確認することが大切です。自分にとって不利な条件となっていないか、読み込むようにしましょう。もし、自分だけでは不安な場合は、周囲の知見がある方と一緒に確認するとより安心できますね。
保険料は控除の対象になるのか
ここまで、フリーランスが保険について説明してきましたが、毎月の保険料も気になるところです。もし、確定申告の際に控除の対象となるのであれば、加入を検討したいという方もいるでしょう。
結論、ここまで紹介してきた中で、国が運営する公的保険である健康保険、介護保険、国民年金保険、労災保険は控除の対象となります。所得補償保険と賠償責任保険は残念ながら控除の対象となりません。
毎月の保険料の負担は大きいですが、最終的に確定申告の際の税金額が減ることになるため、きちんと保険料を支払って控除として計上するのがよいでしょう。
また、確定申告の際はくれぐれも保険料控除の手続きを忘れないようにしましょう。
保険料を安くする方法
フリーランスの方にとって重荷となることが多い保険料の支払いですが、国民健康保険料と介護保険料など保険の種類によっては保険料を安くする方法がいくつかあり、具体的には下記のような方法が挙げられます。
保険料が安い地域に住む
経費を増やす
控除を増やす
軽減制度を検討する
経費や控除額を増やすことは所得税や住民税などの節税対策にもなるため、未対策のフリーランスの方は一度見直してみるとよいでしょう。また国民健康保険料や介護保険料は同じ都道府県内でも数倍の差があるケースもあるため、一度自分の住んでいる市区町村が平均よりも高いのか低いのか確認してみることをおすすめします。
フリーランスの健康保険について詳しくは「フリーランスが選べる健康保険の種類とは|国保以外の保険や保険料を安くする方法についても解説」をぜひ読んでみてください。
まとめ
このページでは、フリーランスが知っておくべき保険の基礎知識について、フリーランスが検討すべき保険や、保険料を安くする方法などについて解説しました。
近年のフリーランスに対する需要の高まりから、フリーランス向けの保険も拡大し始め、保険という観点において、フリーランスのデメリットは以前よりも小さくなっています。
このページの情報を参考に、自分にあった保険に加入して生活の体制を整え、安心してフリーランスとしてのキャリアをスタートさせましょう!
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