・エンジニアはどんな仕事なのか
・エンジニアにはどんな種類があるのか
・エンジニアに求められている能力とは
「エンジニア」と一言で表現すると、その仕事の種類は様々で、それぞれが特有の業務内容を有しています。システムエンジニアは主にシステム関連の仕事を、プログラマーはプログラミングを主に行います。
エンジニアを目指す際は、自分がどのようなエンジニアになりたいのかを明確にし、自分の望む業務を遂行できる職種を選ぶべきです。本記事では、エンジニアとは何か、エンジニアの仕事の種類は何があるのかを詳しく紹介します。また、エンジニアとして求められる共通のスキルや特性についても触れますので、これからエンジニアを目指す方の参考にしていただければ幸いです。
そもそもエンジニアとはどんな仕事なのか
「エンジニア」とは、基本的に「工学に関する専門的な知識や技能を持つ人々」を指す言葉で、「技術者」とも表現されます。近年では、コンピューターやインターネットなどのIT関連の専門家を「ITエンジニア」と称し、しばしば単に「エンジニア」と呼んでいます。IT技術の進化に伴い、特にITエンジニアの需要が増大しており、その不足が課題となっています。
今後もITエンジニアは、社会がデジタル化を進める中で、ますます重要な職種となるでしょう。そこで、ITエンジニアが担う具体的な仕事の種類については、次の章で詳しく解説します。
ITエンジニアの代表的な10職種を紹介
Tエンジニアの種類は多種多様で、その数は20以上にも上ると言われています。ここでは、その中から特に代表的な10種類のITエンジニアとその業務内容を紹介します。
エンジニアの種類
①システムエンジニア
②プロジェクトマネージャー(リーダー)
③プログラマー
④フロントエンドエンジニア
⑤インフラエンジニア
⑥セールスエンジニア
⑦フィールドエンジニア
⑧制御・組込みエンジニア
⑨マークアップエンジニア
⑩社内システムエンジニア
それぞれ見ていきましょう。
①システムエンジニア
システムエンジニアは、システムの開発に関する一連のプロセスを統括する役割を担います。具体的には、顧客からの要望をヒアリングし、それに基づいたシステムの提案、要件定義書の作成、設計書の作成などを行います。開発作業は主にプログラマーに、テストはテスターに依頼することが多いです。
しかし、プロジェクトによってはシステムエンジニア自身が開発やテストを行うこともあります。そのため、開発に関する広範な知識が求められます。また、顧客やプログラマー、テスターとのコミュニケーションが頻繁に発生するため、高いコミュニケーション能力も必要とされます。さらに、プロジェクトを円滑に進めるためには、プログラマーやテスターと協力しながら全体を管理するマネジメント能力も重要となります。
②プロジェクトマネージャー(リーダー)
プロジェクトマネージャーは、通常、システムエンジニアよりも広範囲の業務を担当し、通常はシステムエンジニアの経験を積んだ人がこの職種に就きます。主な役割は、システム開発の期間や予算、チームメンバーの体制などを決定し、プロジェクト全体を管理することです。プロジェクトの成功は、プロジェクトマネージャーの能力に大きく依存します。
一方、プロジェクトリーダーという職種も存在します。プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーの役割の違いは企業により異なりますが、一般的にプロジェクトリーダーはプロジェクトマネージャーよりも開発現場に近い役割を担うことが多いと言えます。
これらの職種にはマネジメント能力、リーダーシップ、コミュニケーション能力が求められます。その上で、プロジェクトを円滑に進め、目標達成に導くことが重要な任務となります。
③プログラマー
システムエンジニアから提供された設計書に基づいて、プログラミング言語を用いて実際のシステムを構築するエンジニアを指します。使用する言語は多種多様で、Java、JavaScript、PHPなどがあります。
設計書に従ってシステムを構築しても、常に正常に動作するわけではありません。エラーやバグを見つけることも、プログラマーの重要な役割の一つです。
仕事のジャンルによって必要な言語は異なるため、多くの言語を習得していると、仕事の選択肢も増えるでしょう。プログラミングに関する専門的な知識やスキルが求められる職種です。
④フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアは、Webサイトのユーザーが直接触れる部分、つまりユーザーインターフェイスの構築に特化したエンジニアのことを指します。Webサイトの見た目や使いやすさを最大限に引き出すための設計から、それを具現化する実装までを主に担当します。
フロントエンドエンジニアに求められる主なプログラミング言語は、HTML、CSS、JavaScript、PHPなどがあります。また、現在ではWordPressをはじめとするCMS(コンテンツ管理システム)の利用が一般的となっているため、CMSに関する知識も必要とされます。
さらに、ユーザーにとって最適なWebサイトを設計するためには、UI(ユーザーインターフェイス)やUX(ユーザーエクスペリエンス)に関する知識も重要となります。これらの知識を持つことで、フロントエンドエンジニアとしての業務がよりスムーズに進行するでしょう。
⑤インフラエンジニア
インフラエンジニアとは、システムが稼働するために必要な基盤、すなわちインフラストラクチャを作成、管理するエンジニアのことを指します。この役割は、ネットワーク、サーバー、データベースなど、各専門分野によって細分化されます。
以下に、インフラエンジニアの代表的な種類をいくつか紹介します。
(1)ネットワークエンジニア
(2)サーバーエンジニア
(3)データベースエンジニア
(4)セキュリティエンジニア
(5)クラウドエンジニア
(6)バックエンドエンジニア
それぞれ見ていきましょう。
(1)ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアとは、データの通信を可能にするネットワークを管理するエンジニアのことを指します。彼らの仕事は、ネットワークの設計、要件定義、構築、保守、運用など、ネットワークに関連する多岐にわたるタスクを含みます。
スイッチやルーターなどの専門的なネットワーク機器の操作も含まれ、近年ではクラウド上でのネットワーク運用に関する知識やスキルも求められます。ネットワークに関する深い専門知識と、それに伴う広範な知識が必要とされます。
(2)サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、主にサーバーの設計、構築、保守、運用を担当します。サーバーは、Webサーバー、メールサーバー、ファイルサーバーなど、さまざまな種類があります。
したがって、利用ケースに応じたサーバー環境を構築するための知識やスキルが求められます。また、サーバーを構築するだけでなく、安全で問題のない運用ができるよう管理するため、セキュリティに関する知識も必要とされます。
(3)データベースエンジニア
データベースエンジニアは、「データベース」に関する業務を担当します。データベースは情報の保管や管理を行います。データベースエンジニアの主な業務は、クライアントが必要とするデータを即座に見つけられるように、データベースを構築し、運用することです。
近年では、「ビッグデータ」と呼ばれる大量の情報を活用する企業が増えており、そのためにはデータベースの知識が不可欠です。したがって、データベースエンジニアの需要は今後も増えると予想されます。
データベースエンジニアには、SQLと呼ばれる特殊な言語や、Oracleなどの製品に関する知識が必要とされます。
(4)セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、情報セキュリティを主に扱うエンジニアのことです。彼らの主な仕事は、多種多様な新しいサイバー攻撃からサーバーやネットワークを守り、そのための対策や実装を行うことです。
サーバーやネットワークに関する知識はもちろん、インターネットの最新の動向などの情報を常に把握し、サイバー攻撃を未然に防ぐことが求められます。
また、もしサイバー攻撃を受けた場合には、迅速な対処が求められるため、高い技術力が必要とされます。
(5)クラウドエンジニア
クラウドエンジニアは、クラウドサービスを利用したシステムの設計、構築、運用などを担当するエンジニアのことを指します。クラウド上にデータを保存することにより、別の端末からでもデータにアクセスすることが可能になります。
データセンターやオフィスにサーバーやネットワークの機器を設置する必要がなくなるため、効率的な環境構築が可能になります。このような背景から、クラウドサービスを活用する企業が増えており、クラウドエンジニアの需要も高まっています。
(6)バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアは、フロントエンドエンジニアと対をなすエンジニアで、ユーザーから見えない部分のWebシステムを構築する役割を担っています。
サーバーエンジニアやデータベースエンジニアの業務と一部重複しますが、バックエンドエンジニアは特にWebに特化しています。
運営者の管理システムを作成したり、問い合わせ内容を蓄積するシステムを構築したりなど、ユーザー視点ではなく、管理者視点でのシステム構築が求められます。サーバーやデータベースに関する知識だけでなく、Java、PHP、Ruby、Pythonなどのプログラミングスキルも必要とされます。
⑥セールスエンジニア
セールスエンジニアは、その名の通り、営業とエンジニアリングの両方の役割を果たす職種です。クライアントに対して自社製品の導入を提案するだけでなく、製品が導入された後も運用サポートを行います。
この役割は、技術者としての専門知識と営業スキルの両方が求められるため、多岐にわたる知識やスキルが必要となります。その一方で、クライアントと直接関わることで、製品の運用をクライアントの視点から理解することが可能となります。そのため、お客様と近い距離で仕事をしたいと考えているエンジニアにとって、セールスエンジニアは魅力的な職種であると言えるでしょう。
⑦フィールドエンジニア
フィールドエンジニアは、クライアント先でパソコンやプリンター、システムなどのハードウェアの設置、導入、保守などを専門とするエンジニアのことを指します。セールスエンジニアとは異なり、直接現場でハードウェアに関する作業を行います。
フィールドエンジニアは、クライアントの元に直接行って、ヒアリングを通じてサポートを提供します。そのため、優れたコミュニケーション能力が求められます。また、どのようなトラブルにも対応できるよう、製品に関する深い知識が必要となります。この職種は、広範で具体的な技術知識と、人間関係スキルを併せ持つことを求められる仕事です。
⑧制御・組み込みエンジニア
制御・組み込みエンジニアは、家電製品などの機器に組み込まれる制御システムの開発を担当するエンジニアのことを指します。これらの機器には、「何分で動作を終了する」などのプログラムが組み込まれています。
主な仕事内容は、これらのプログラムを開発し、製品が適切に動作するようにすることです。製品に組み込むためのプログラムであり、後から変更や修正を加えることが難しいため、あらゆる状況を想定した正確なプログラミングが求められます。
IoT(インターネット・オブ・シングス)の分野が注目されており、需要が増えつつあるエンジニアの一つです。これは、さまざまなデバイスがインターネットに接続され、情報をやり取りすることで、生活や業務の効率化を図る技術です。これらのデバイスを制御するためのプログラムの開発も、制御・組み込みエンジニアの重要な仕事の一つとなっています。
⑨マークアップエンジニア
マークアップエンジニアは、HTMLやCSSを使ってWebサイトを制作するエンジニアのことを指し、文章や画像を適切に配置し、ユーザーが使いやすいサイトを設計します。さらに、SEO(検索エンジン最適化)を考慮に入れ、検索順位を上げるための設計も行います。
フロントエンドエンジニアと密接に協力することも多いので、JavaScriptやUX(ユーザーエクスペリエンス)、UI(ユーザーインターフェース)の知識も必要とされます。つまり、Webサイトに関する幅広い知識が求められる職種と言えるでしょう。
⑩社内システムエンジニア
社内SEは、社内向けの業務を担当するシステムエンジニアのことを指します。その業務内容は、所属する会社により異なりますが、主に社内メンバーがより効率的に業務を行えるように、システムの開発、保守、運用を担当します。
社内で利用されるシステムであるため、社内メンバーの業務効率化をどれだけ実現できるか、予算をどれだけ節約できるかなど、経営的な視点での判断が求められます。また、適切なシステム設計や改善策を見つけるためには、社内メンバーからのフィードバックを取り入れるためのコミュニケーション能力も必要となります。
全ての種類のエンジニアに共通して求められている能力とは
10種類のエンジニアの仕事内容を紹介しましたが、エンジニアに求められているものには、ある程度の共通点があります。以下の3つをお伝えしていきます。
エンジニアに求められているもの
①新しい技術や知識への興味関心
②地道な作業を続けられる忍耐力
③あらゆる課題に対する問題解決能力
それぞれ見ていきましょう
①新しい技術や知識への興味関心
IT技術は常に進化し続けているため、エンジニアには新しい技術や知識への興味と関心が不可欠です。IT業界はトレンドのサイクルが早く、常に最新の情報を把握し続けることが要求されます。
既存の手法に固執せず、得られた新しい情報を基に積極的に挑戦していくことが重要です。先進的な技術や知識を持つことで、対応できる仕事の範囲が増え、需要の高いエンジニアになる可能性が高まります。新しい情報を学ぶこと、そしてそれを適用することが、エンジニアとしてのスキルと市場価値を高める鍵となるでしょう。
②地道な作業を続けられる忍耐力
エンジニアには、一貫した精密な作業を続けるための忍耐力が求められます。エンジニアの仕事は、高い精度と細部への注意が必要な作業ばかりです。
さらに、設計、テスト、修正など、一つ一つの工程を着実に進めていく能力も重要です。こうした作業を丁寧に、一歩一歩進めることができる人がエンジニアに向いています。
ただし、納期が設けられていることも多いため、効率的に作業を進める能力も必要です。そのため、時間管理と効率性もエンジニアの重要なスキルと言えるでしょう。
③あらゆる課題に対する問題解決能力
エンジニアには、あらゆる問題に対する解決能力が求められます。システム、サービス、製品の開発の目的は、クライアントの課題を解決することです。
常にクライアントの問題を解決するための最適な手段を考え、それに応じたシステムやサービスを作り出す能力が必要です。また、開発の過程で予期しない問題が発生することもあります。
そういった予期せぬ課題に対しても、最後まで粘り強く取り組み、業務を完遂することが求められます。エンジニアとしては、問題解決のスキルと並行して、困難な状況に対する持続力と忍耐力も必要です。
まとめ
エンジニアの種類
①システムエンジニア
②プロジェクトマネージャー(リーダー)
③プログラマー
④フロントエンドエンジニア
⑤インフラエンジニア
(1)ネットワークエンジニア
(2)サーバーエンジニア
(3)データベースエンジニア
(4)セキュリティエンジニア
(5)クラウドエンジニア
(6)バックエンドエンジニア
⑥セールスエンジニア
⑦フィールドエンジニア
⑧制御・組み込みエンジニア
⑨マークアップエンジニア
⑩社内システムエンジニア
エンジニアの職種は多岐にわたり、それぞれが求められる知識やスキルは異なります。自分がどのような業務に関与したいかを考え、それに応じた知識やスキルを身につけることが大切です。
しかし、どの種類のエンジニアにも共通して必要なものは、新しい技術や知識に対する興味と好奇心、緻密な作業を続けるための忍耐力、そしてあらゆる課題に対する問題解決能力です。
どのエンジニアにも求められるこれらの能力から習得するように、自己啓発に努めてください。これらのスキルは、どんなエンジニアにも役立つはずです。
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