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AI業務効率化ツールの落とし穴。導入企業が知るべき「AIガバナンス」のリスクと対策とは

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記事概要

今月の「BizTREND+」では、企業やフリーランスを取り巻く環境変化の中で、注目すべきテーマを取り上げていきます。今回取り上げるのは「AIガバナンス」です。 多くの企業がAI業務効率化ツールを活用し始めた一方で、「社内ルールが追いつかない」「外部人材の管理が曖昧」といった課題も浮き彫りになっています。特にフリーランスなど外部人材が関わる業務では、AIツール活用のルールが明確でないまま進んでしまうケースも少なくありません。 

本記事では「AI業務効率化ツールとAIガバナンス」を軸に、2026年に本格化する企業の課題と、外部人材活用において求められる新しい管理のあり方について整理します。

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2025年末、NECがAIガバナンスサービスの提供を開始しました。米国ではトランプ政権がAI規制をめぐる大統領令に署名するなど、AIをめぐる環境が大きく動いています。日本でも総務省・経産省が「AI事業者ガイドライン」を公表し、企業のAI導入とガバナンス構築が本格化しつつあります。 

多くの企業がAIツールを業務効率化に活用し始めた一方で、「社内ルールが追いつかない」「外部人材の管理が曖昧」といった課題も浮き彫りになっています。特にフリーランスなど外部人材が関わる業務では、AIツール活用のルールが明確でないまま進んでしまうケースも少なくありません。

本記事では「AI業務効率化ツールとAIガバナンス」をテーマに、企業が直面する課題と、外部人材活用時代に求められる管理のあり方を整理します。

AI業務効率化ツール導入が進む2026年、「野良AI」が企業にもたらすリスクとは

AI業務効率化ツール導入が進む2026年、「野良AI」が企業にもたらすリスクとは

2025年12月、NECがシスコと組んだAIガバナンスサービスの提供を始めました。NECは2019年から「AIと人権に関するポリシー」を作り、社内でAIのリスク管理をしてきた経験を、顧客企業向けに展開していくとしています。こうした動きが出てきた背景には、ChatGPTやClaude、CopilotといったAI業務効率化ツールの活用が進む一方で、嘘の情報を出したり、著作権を侵害したり、個人情報を漏らしたりするリスクが見えてきたことがあります。

総務省の「令和7年版情報通信白書」を見ると、日本企業の55.2%が生成AIを業務で使っています。資料作成やデータ分析、議事録作成など、さまざまな場面でAIツールが導入され、業務効率化に役立っています。ただ、一番の不安は「どう活用すれば効果が出るのかわからない」というものでした。また、ガートナージャパンの調査では、2025年3月時点で日本企業の約63%が何らかの生成AIツールを使っているのに、管理ルールを整えている企業は2割ほどしかいません。

AI業務効率化ツールは便利な一方で、大きなリスクもはらんでいます。無料版のAIツールでは、入力したデータが学習に使われる可能性があり、機密情報を入れてしまうと取り返しがつきません。企業向けの有料ツールは、データを学習に使わない設定ができるものが多く、セキュリティ面で安全ですが、社員が勝手にAIツールを使う「シャドーAI」などが問題視されています。さらには、フリーランスとの仕事でのルールの曖昧さが、新しいリスクとして認識され始めてきました。外部人材との業務では、どのAIツールを使っていいかが共有されていないケースが多く、企業の盲点になっているのが実情です。

そのような現実を踏まえ、総務省・経産省が2025年3月に公表した「AI事業者ガイドライン(第1.1版)」では、企業ごとに自社リスクに見合ったガバナンス体制を自らデザインすることを求めています。AIツール導入と管理ルール整備の両立が、これからの企業に問われているのです。

AI業務効率化ツール導入だけでは解決しない。「使う人の意識」が問われる時代へ

AIガバナンスを作ることが急がれる中、企業が直面している課題は、仕組みやツールを入れるだけでは解決しません。

以前、ある開発会社の方にインタビューした際、セキュリティに対する意識の話が印象的でした。「日本は島国ということもあって、世界と比べてセキュリティ意識が低い人が多い。そのため、海外から日本の企業が狙われるケースが増えている。どんなツールを入れても、使う人の意識が追いつかなければ意味がない」。この指摘は、AIガバナンスにも当てはまります。

どれだけセキュアな有料版AIツールを導入しても、使う人が「このくらい大丈夫だろう」と思って会社の機密情報を無料版のAIに入れてしまえば、防ぎようがありません。ChatGPTの無料版に顧客リストを入力して分析させたり、Claudeで契約書の内容をチェックしたり。便利だからこそ、つい使ってしまう。このギャップが、企業のリスクを生んでいます。

特に外部人材を活用する企業にとって、この課題は複雑です。社員なら研修や教育で意識を高められますが、フリーランスや業務委託先に対しては、どこまでルールを徹底できるのか。契約書に秘密保持の条項があっても、「AIに入力する」ことが情報漏洩になるという認識が、双方にないことも少なくありません。

企業側は「外部人材向けのAI利用ルール」を示す必要があります。「どのAIツールを使っていいか」「機密情報は絶対に入力しない」といった具体的な指針を示さなければなりません。一方、フリーランス側は「クライアントのAIルールを確認する」習慣が求められる時代になっています。

フリーランスも無関係ではない。AI活用時代に求められる「自己防衛」

フリーランスも無関係ではない。AI活用時代に求められる「自己防衛」

企業のAIガバナンス強化は、フリーランスにも直結する問題です。もしフリーランスが無料版のAI業務効率化ツールでクライアントの機密情報を漏らした場合、フリーランス自身も法的な責任を問われる可能性があります。契約違反として損害賠償を求められたり、場合によっては不正競争防止法違反や個人情報保護法違反で刑事責任を問われることも考えられます。「知らなかった」では済まされない状況が、すでに始まっています。

フリーランスが取るべき対応は、大きく2つです。1つ目は、クライアントのAI利用ルールを必ず確認すること。契約の時に「AIを使っていいか」「どの情報なら入力できるか」を明確にしておく。曖昧なまま進めることが、一番リスクが高い行為です。

2つ目は、安全なAIツールの選択肢を持つこと。例えばChatGPTなら無料版ではなく有料版(ChatGPT Plus/Team)を使う、Claudeなら個人向けProプランを契約する。これらの有料版は入力データを学習に使わない設定ができ、情報漏洩リスクを抑えられます。

さらに一歩進んだ選択肢として、ローカル実行型のツールなら、自分のPC内で処理が完結し、クラウド経由での情報漏洩リスクを抑えられます。こうした対応ができることは、これから「安全にAI活用できる人材」として評価される要素にもなるでしょう。

AIは業務を効率化する強力な武器ですが、使い方を間違えると自分自身を危険にさらすことにもなります。企業のガバナンス整備を待つのではなく、フリーランス自身が自己防衛の意識を持つことが、これからの時代には欠かせません。

AI時代のセキュリティと業務効率を両立させる、外部人材活用とは

AI業務効率化ツールの普及によって、フリーランスを取り巻く環境は大きく変わりつつあります。業務を効率化できるようになった一方で、「どのAIツールなら安全に使えるのか」「クライアントのセキュリティルールにどう対応すればいいのか」「AIを使いこなせることが、どう差別化につながるのか」と感じる場面も増えているのではないでしょうか。

テックビズでは、フリーランス向けにキャリア相談の機会を用意しています。AI活用スキルの磨き方、セキュアなツール選択のポイント、クライアントへの提案方法など、これまでの経験や得意領域を踏まえながら、これからの働き方を一緒に整理できます。

また、AIガバナンスと業務効率化の両立を目指す企業の方も、テックビズにご相談ください。セキュリティ意識を持ち、適切なAIツール活用ができるフリーランスの存在が、これまで以上に求められています。継続稼働率97%という実績は、スキルだけでなく、企業のガバナンス方針を理解して適切に業務を進められる人材のマッチングを積み重ねてきた結果です。

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執筆者

鈴木光平

鈴木光平

10年にわたって、フリーライターとして活動。テックビズのライターとしても活動中。主にスタートアップ界隈を中心に起業家や投資家などを取材、記事の執筆などを行ってきました。貴重な話を聞いてきた経験から、少しでも役に立つ情報をお届けします。

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