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プロジェクトマネージャーに向いてる人の条件とは?|現場・顧客・技術…すべて見たコンサルの結論

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「プロジェクトマネージャーに向いている人はどんな人なんだろう?」
キャリアの岐路で、この問いに直面するエンジニアは少なくありません。

しかし、転職サイトに並ぶ“理想のPM像”は抽象的で、実際の現場で求められる能力とはズレが生じることもあります。
特にフリーランスの現場では、役割が曖昧になり、“気づけばPMのような動きを求められていた”というケースも珍しくありません。

そこで今回は、「現場エンジニア → フリーランス → TECHBIZのコンサルタント」という3つの立場からプロジェクトに関わってきた菊地航輔さんに、PMに向いている人の特徴について伺いました。

現場・顧客・技術をすべて見てきたからこそ語れる、“教科書ではわからない判断軸”を紹介します。

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TECHBIZ エグゼクティブコンサルタントの菊地さんは、NECでエンジニアとしてキャリアをスタートし、インフラ領域を中心に大規模システムの運用やプロジェクトを経験。その後、テックビズを活用してフリーランスエンジニアとして独立し、AI・ブロックチェーンなど先端領域の開発案件に参画してきました。

多様な現場で技術・顧客・チームそれぞれの視点を磨いたのち、現在はTECHBIZのコンサルタントとして、エンジニアのキャリア支援や企業のプロジェクト支援に従事。現場・顧客・技術を横断的に見てきた経験から、「どんな人がプロジェクトマネージャーに向いているのか」について、リアルな視点で話を聞きました。

プロジェクトマネージャーに向いている人とは?現場経験者が語る“共通点”

ーー そもそも「PMに向いている人」「向いていない人」という区分は存在するのでしょうか?

菊地さん:そうですね……まず前提として、“完全に向いている・向いていない”みたいな線引きはないと思っています。
ただ、いろいろなプロジェクトを見てきた中で、PMとして活躍しやすい人の傾向はあるのかなと。

それはやっぱり、自分の担当だけじゃなくて、プロジェクト全体に意識が向く人ですね。フリーランスで現場に入っていた頃もそうでしたが、「この人は全体を見ながら動いてるな」と思える人は、自然とPM的な役割を担っていきます。

逆に、「ここまでが自分の仕事です」というスタンスが強いと、判断が難しくなることが多い印象です。

ーー その“活躍しやすい人の傾向”とは、どんな姿勢なのでしょうか?

菊地さん:一言で言うなら、“関係者の視点をちゃんと想像できる人”ですね。PMの役割って、技術判断だけじゃなくて、
クライアントの意図とか、チームの状況とか、スケジュールの制約とか、いろんな視点を踏まえて動かないといけないんですよ。

僕自身、フリーランスで現場に入っていた頃も、クライアントと開発の間で“翻訳”みたいなことをする場面が多くて。その“翻訳”ができる人って、結局はPM的な役割が向いているんだと思います。

ーー その視点の広さが、なぜPMにとってそんなに重要なのでしょうか?

菊地さん:PMって、技術だけで判断できない場面が本当に多いんですよね。プロジェクトには必ず、予算・スケジュール・組織の事情・クライアントの本音みたいなものが絡んでいて、技術の“正しさ”がそのまま採用できないことも多い。



技術が強い人ほど“最適解”にこだわるケースもあるんですけど、PMは“プロジェクト全体として最も良くなる判断”をしないといけない。その意味では、視点を切り替えられる人、つまり「全体最適」で考えられる人は、すごくPM向きだと思います。

ーー ということは、技術力が高い=PMに向いている、ではないのですね。

菊地さん:そうですね。技術はすごく大事なんですけど、それだけでPMの仕事ができるわけではないと思っています。

むしろ、技術が強い人ほど“自分の正しさ”を中心に考えがちなんですよね。そうすると、全体を見る視点が少し弱くなることもある。



PMって、場合によっては“あえて最適じゃない選択をする”ことも必要なんです。
その判断ができる人は、やはりPMとして強いです。

ーー では、PMを目指したい若手エンジニアは、まず何から始めればいいのでしょう?



菊地さん:まずは、「顧客の話を深く聞くこと」からですね。クライアントの要望って、そのまま受け取ると誤解することもあって、本当に困っているのは別のところ……なんてこともよくあります。



背景が理解できるようになると、技術の知識も、プロジェクト管理のスキルも、全部“PMとしての判断力”に繋がっていくんですよ。僕が見てきた中で、PMに向いている人は例外なく「背景を理解しようとする姿勢」を持っていました。

ポイント
・PMに向いている人は、技術よりも“背景を聞く姿勢”を持っている
・自分の考えを一度疑い、全体最適で判断できる
・周囲からの“信用”を積み重ねる行動ができる



“聞く力”はPMの最強スキル──行動科学が示す「信頼のメカニズム」

PMというと、管理スキルや技術的な知識が重要だと考えられがちです。しかし、近年の心理学や行動科学では、“相手の話を丁寧に聞く姿勢”が信頼関係の土台になることが繰り返し示されています。

たとえば、心理学者カール・ロジャーズらは「積極的傾聴」の考え方を提唱し、相手が受け止められていると感じることで、より本質的な情報が引き出されると述べています(Rogers & Farson, Active Listening)。また、2024年の研究でも、話し手が安心して話せる環境では認知負荷が下がり、考えが整理されやすくなると報告されています(Moin et al., 2024)。

組織の観点でも同じ傾向があります。Googleが実施した大規模調査“Project Aristotle”では、成果を上げるチームの共通点として「心理的安全性」を挙げています。その中心にあるのが、メンバー同士が話を遮らず、まず相手を理解しようとするコミュニケーションでした。

これらの知見は、菊地さんの言葉とも重なります。背景を丁寧に聞き、相手の状況を理解する姿勢が、プロジェクトの前進に不可欠だという点です。技術や経験だけでは判断できない場面でも、“信頼をつくるコミュニケーション”が結果としてプロジェクトの成功を支えています。

PMに向いている人を考えるとき、特別な能力よりも、日々の小さな対話の積み重ねが大きな価値を生むのかもしれません。

PMとしてキャリアを伸ばしたいなら、まずは相談からはじめてみませんか?

この記事では、菊地さんの経験をもとに、「PMに向いている人の条件」や「現場で求められる姿勢」についてお伝えしました。

一方で、

  • PMを目指したいけれど、何から始めればいいかわからない
  • 今の案件が本当に自分の価値に合っているのか不安
  • フリーランスとしてやっていけるか悩んでいる

そんな声が多いのも事実です。

TECHBIZでは、現役エンジニア・フリーランスのキャリア支援を専門にしたコンサルタントが、あなたの希望や強みを丁寧にヒアリングし、最適な案件をご紹介しています。



菊地さんをはじめ、多くのエンジニアのキャリア形成を支えてきた経験をもとに、「PMに挑戦したい」「市場価値を上げたい」「フリーランスとして安定したい」といった相談にも、無料で対応しています。

キャリアの方向性を決める前に、一度プロに意見を聞いてみるだけでも、選択肢が広がります。

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執筆者

キム ジンヨン

キム ジンヨン

韓国出身韓国生まれ。日本の大学を卒業し、ITエージェントに入社。 営業としてITエンジニアの転職支援を3年ほど経験し、ITフリーランスエージェントであるTEHCBIZにフリーランスとして参画。今はマーケティング部に所属し、TECHBIZメディアの管理及びライティングを担当。

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