未経験エンジニアからフリーランスに挑戦するのは容易ではありません。特にフリーランスは「即戦力」としての傭兵という印象があるため、実務経験や使えるスキルが評価される市場です。しかしながら、未経験はフリーランスになれないのかというと、そうでもありません。
今回は、接客業からエンジニアに転身し、苦しい下積みを経てフリーランスとして活動を軌道に乗せた林修斗さんにお話を伺いました。「どうやって最初の案件を獲得したのか?」という問いを中心に、リアルな経験と突破口を探ります。
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林修斗さん(32歳)は、新卒で接客・販売業のベンチャー企業に入社し、店長として年商1億円規模の店舗を任されるなどマネジメント経験を積んだ後、「もっと学びたい」という思いからエンジニアを志しました。
しかし、最初に入社したSES企業ではエンジニアの仕事を任されず、コールセンター業務に回される挫折も経験。そこから独立を決意し、試行錯誤の末にフリーランスとして案件を獲得。現在はエンジニアとして3年の経験を持ち、大手企業のPMOポジションにまでキャリアを伸ばしています。
実務経験のないエンジニアが、フリーランスとして初案件を獲得した誠道

ーー今はフリーランスとしてPMO案件に参画されていますが、最初の案件はどういったお仕事でしたか?
林さん:そうですね、今はPMOの仕事をしていますが、最初に「ちゃんとエンジニアとして参画できた案件」はバックエンド開発でした。ただ、そこに至るまでは本当にいろいろありましたね。
最初はSES企業に入って、研修を数ヶ月受けた後に配属されると聞いていたんです。でも実際にやらされたのは、なぜかコールセンターで化粧品を売るテレアポ業務で……。「あれ、自分はエンジニアになりたかったんじゃなかったっけ?」と、すごく違和感を覚えました。その時に「このままじゃ本当にキャリア的にまずい。だったら自分でフリーランスとして動いた方が早い」と思って、思い切って会社を辞めたんです。 でも当然、辞めたからといってすぐ案件が取れるわけもなくて。最初の一歩は本当に長く険しい道のりでした。
ーー未経験エンジニアとしてフリーランスにチャレンジしたということですね。フリーランスとして動き出した当初、具体的にどんな壁に直面されましたか?
林さん:はい。ちょうどコロナ禍の真っ只中だったので案件の獲得がより難しくなり、僕も生活のために出前の配達をしながら、空いた時間で勉強と案件探しを並行していました。正直、その時期が一番つらかったです。実績がないから案件の面談にすら呼んでもらえなくて、「自分はこのままエンジニアになれないんじゃないか」と何度も不安になりました。
ただ、じっとしていても何も変わらないので、「せめて自分が何をしているかを外に出そう」と思い、Instagramで日々の勉強のことを発信し始めたんです。すると、たまたまその投稿を見てくれた知り合いがいて、「Web制作会社を紹介するよ」と声をかけてもらえました。それが本当に最初のチャンスでしたね。
ーー最初に紹介を受けた案件では、どういった業務をされましたか?
林さん:最初にいただいた仕事はWordPressのページ制作と運用業務でした。報酬は1,500円ほどで、今思えばかなり厳しい条件でしたが、当時の自分にとっては喉から手が出るほど欲しかった実務経験でした。
実際にやってみると効率も悪くて、今だったら5分で終わるような作業に2時間かかったりもしました。でも「とにかく期待を裏切らないようにやり切る」ことだけは徹底しました。その積み重ねで少しずつ信頼を得られて、「じゃあ次はこれもお願い」と仕事を広げてもらえるようになっていったんです。
最終的には20ページ規模のサイトをゼロから構築する仕事まで任せてもらえるようになったときは、「あ、ちゃんとエンジニアとして認めてもらえたんだ」と実感できて、本当に嬉しかったです。
ーー確かに、嬉しいチャンスではあったものの、かなり厳しい条件でもありましたね。どうやった諦めず乗り切れたのかお伺いしたいです。
林さん:そうですね。最初は本当に収入も不安定で、月に8万円しか稼げないような時期もありました。正社員の求人には何度も応募しましたが、なかなか受からなくて、それなら「もうフリーランスとしてやるしかない」と腹をくくったんです。
僕はもう30歳手前で、これ以上迷っていたら後悔すると思いましたし、どうせ後で「やっぱり挑戦しておけばよかった」と思うなら、今やり切るしかないと考えました。だからこそ、最初の案件がどんなに小さくても、時給が安くても、「これをきっかけに次に繋げるんだ」という気持ちで一つひとつやり切りました。その積み重ねが今のPMOまで繋がっていると思います。
ポイント
まずは実績(信頼)を作るために、今の立場でできるアクションをすること
最初は“条件の良さ”に目を向けるのではなく、いかに次に繋げられるかを考え、“実績づくり”に集中すること
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ーー現在はTECHBIZを通じて案件に参画されておりますが、実際に利用してみていかがでしたか?
林さん:そうですね、まず感じたのは案件数の多さですね。経験が浅い自分でもマッチングできるようなフォロー体制が整っていて、「案件がちゃんと見つかる」という安心感がありました。
あと、福利厚生面がすごく充実しているのも意外でした。メンターサービスもそうですし、健康診断のサポートまであります。フリーランスってどうしても孤独な部分や不安が大きいんですが、TECHBIZを使っていると「会社員みたいだな」と思えるぐらい環境が整っていて、安心できました。
ーー担当コンサルタントとのやり取りも印象的だったとか。
林さん:はい。僕を担当してくれたコンサルタントなんですが、本当に熱意を持ってサポートしてくれました。「絶対に案件ありますから、諦めないでください」と言っていただいて、すごく心強かったですね。もちろんエージェントなので、案件が決まれば自分の実績にもなるというのは分かっています。でもそれ以上に、「この人を必ず成功させたい」という思いを持って接してくれているのが伝わってきて、僕自身とても励まされました。
未経験フリーランスが最初の案件を得るには
未経験からフリーランスとして案件を獲得するのは簡単ではありません。特にエンジニアの場合、企業側は「即戦力」を求める傾向が強いため、ポートフォリオや実績が不十分だと、面談すら実現しないことが多いのが現状です。
まず目を向けたいのは、「知人や友人からの紹介」という案件獲得経路です。「フリーランス白書2022」によれば、フリーランスの仕事獲得経路で最も多かったのは「人脈(65.9%)」で、次いで「過去・現在の取引先(58.3%)」だったと示されています。
【参照:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 フリーランス白書2022】
さらに、翌年の「フリーランス白書2023」の調査では「知人からの紹介」経路の割合が70.6%その割合が上がりました。
【参照:フリーランス白書2023】。
つまり、未経験のエンジニアにとっては、求人情報よりも人とのつながりが強力な突破口になり得るのです。
しかし、こういった行動はかなりのエネルギーを消費します。なれていない方からすると、この行動自体がストレスとなり、勉強や仕事に集中できなくなるケースも多々あります。そこで有効な手段がエージェントの活用です。同じ調査では、「エージェント経由での案件獲得」が12.4%にのぼることが報告されています。
【フリーランス白書2025】
営業や条件交渉、契約管理といった煩雑な作業を代行してもらえるため、「発信や営業に消耗せず、スキル習得や実務に集中できる」という点で大きなメリットがあります。
つまり、未経験からフリーランスを目指す場合に必要なのは以下の3点です:
- 知人・友人との関係を大切にし、「エンジニアとして仕事を探している」ときちんと発信すること
- エージェント登録も活用して案件紹介や条件交渉、リスク対応の支援を得る
- 小さな案件でも誠実に対応し、信頼を積み上げてから次へのステップに繋げること
これらを意識することで、未経験であってもフリーランスとして案件獲得への現実的な土台を築くことができるでしょう。
林さんのお話から見えてくるのは、未経験からフリーランスとしてキャリアを築くには「小さな実績を積み重ねる覚悟」と、それを支えてくれる「環境」が欠かせないということです。自力だけでは突破が難しい壁も、案件数の多さやフォロー体制、担当者の伴走といった仕組みがあることで、挑戦を続けることができます。
TECHBIZはまさにその環境を整え、フリーランスが安心して成長できる土台を提供しています。豊富な案件数や高精度のマッチング、稼働継続率97%という安定性に加えて、メンター制度や健康診断といった福利厚生も整備。林さんが「会社員のように安心できる」と語ったのも、その特徴を象徴しています。
これからフリーランスを目指す方にとって、大切なのは「一歩を踏み出し、続けられる仕組みを持つこと」。もしあなたが同じように挑戦を考えているなら、まずはTECHBIZに相談してみることで、その一歩がぐっと現実的なものになるはずです。
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