本題に入る前に、2026年確定申告の変更点・注意点を知りたい方は、こちらの記事をご参考ください。
確定申告を税理士に丸投げしていい?日本の確定申告は「管理」が大事と気づいた話

正直、確定申告は「最後にまとめて入力すれば終わる作業」だと思っていました。でも調べてみると、日本の制度はそういう前提では作られていないことが分かりました。
日本の税務制度には、事前に届け出ないと使えない制度や、年内に対応しないと意味がない制度が多くあります。消費税の簡易課税制度や、ふるさと納税・小規模企業共済などは、確定申告のときに選べるものではありません。
つまり、日本の確定申告は「申告書を出す作業」ではなく、その前の1年間でどんな選択をしてきたかによって結果が決まる制度です。収支を把握していなければ判断ができず、結果として「使えたはずの制度を使えなかった」「余計な税金を払ってしまった」という形で、不利になる可能性が出てきます。
そう考えると、確定申告は「年1回の作業」ではなく、1年分の選択の結果を提出するものに近いと感じました。
日本の確定申告に関する疑問を、テックビズで税務サポートを行う佐藤淳一税理士に聞いてみました
確定申告を「年1回の作業」と考えるとどうなる?
ーー確定申告を「年1回の作業」と考えている人と、「事業管理の一部」と考えている人では、将来どんな差が生まれますか?もしくは、どれくらいの金銭的な差が生まれますか?
佐藤税理士:
確定申告を「年1回の作業」と考えていると、制度の使い方を誤り、結果的に不利になる可能性があります。
たとえば、課税売上高が1,000万円を超えると翌々事業年度から消費税の課税事業者になりますが、簡易課税制度を利用するには、確定申告の時点で選ぶのではなく、事前に税務署へ届出を出しておく必要があります。「年1回の作業」という意識だと、この期限に気づかず、本来使えた制度を使えなくなることもあります。
また、ふるさと納税や小規模企業共済なども、年末までに実行しなければ意味がありません。年間の収支見込みが分かっていなければ、効果的に活用できない場合があります。
このように、税務は申告時の作業というより、日頃から情報を把握し、自分で判断・管理していく「事業管理の一部」として考える必要があります。
このように、確定申告の場面でできるのは「入力作業」であって、「どの制度を使うか」という判断は、その前の1年間での管理の仕方によって、ほぼ決まっているということでした。
簡易課税やふるさと納税のように、事前に動いていないと使えない制度も多く、申告時点で残っているのは、それを反映させる作業だけ、という構造になっているようです。
つまり、日本の確定申告は「年1回の作業」ではなく、1年を通して、収支や選択をどう管理してきたかの結果を提出する仕組みだということでした。だからこそ、日頃から管理できていないと、制度上、不利になる可能性が出てくる、という話でもありました。
では、フリーランスはどうやって「管理」していけばいいのか
「管理が大事」と言われても、正直なところ、“具体的に何をすればいいのか”が分からないと意味がありません。
自分も最初は、管理=きっちり帳簿をつけることみたいなイメージを持っていました。
ーー確定申告で慌てないために、日々どんなことを意識すればいいですか?
佐藤税理士:
確定申告で慌てないためには、売上や経費を後回しにせず、月ごとに処理していくことが重要です。時間が経つほど、「何の取引だったか思い出せない」「領収書を探す」といった無駄な作業が増えてしまいます。また、定期的に収支を把握していれば、今後の税金や社会保険料の支出を見越して、日々の支出を調整することも可能になります。会社員のように天引きされる仕組みがないフリーランスは、いつ・どれくらいの支払いが発生するかを前もって把握し、自分で生活水準を決めていく必要があります。
この話を聞いて感じたのは、管理というのは「きれいな帳簿を作ること」や「経理を完璧にこなすこと」ではない、ということでした。むしろ大事なのは、
・今、どれくらいの売上があって
・どれくらい使っていて
・このままだと、どれくらい残りそうか
が、自分の中で分かっている状態を作ることなんだと思いました。
フリーランスは、会社員のように税金や社会保険料が自動で引かれるわけではありません。
だからこそ、「いつ/どんな支払いが/どれくらい発生しそうか」を前もってイメージできていないと、「気づいたら一気に来て焦る」という状況になりやすいのだと思います。
もし管理していなければ、
・思ったより税金が高く感じる
・支払いのタイミングで手元のお金が不安になる
・生活費をどこまで使っていいのか判断できない
といった状態になりやすい、というのも納得でした。
逆に言えば、毎月ざっくりでも数字を見ていれば、
・今年はこのくらいで着地しそう
・今月は少し使いすぎているかも
・来月は抑えた方がよさそう
と、自分でブレーキをかけられるようになります。
こうして考えると、「どう管理するか」というのは、特別なノウハウの話というより、
・後回しにしない
・月に一度は数字を確認する
・先に出ていくお金を意識する
この3つを習慣にすることに近いのだと思いました。
税理士の話も、「ちゃんとやりましょう」という精神論ではなく、“あとで困らないための現実的な管理の仕方”を教えてくれているように感じました。
まとめ|確定申告は税理士に丸投げするとしても個人事業主として「管理」の観点は持つべき

今回あらためて調べてみて感じたのは、日本の確定申告は、「年に一度きれいに提出するかどうか」よりも、その前の1年をどう管理してきたかのほうが、ずっと重要だということでした。
自分も以前は、確定申告=最後にまとめて頑張るイベントくらいの感覚で考えていました。しかし、制度を知れば知るほど、それでは間に合わない仕組みになっていることが分かってきました。
管理というと、どうしても「きっちりしなきゃ」「難しそう」という印象があります。
けれど実際には、完璧な帳簿を作ることよりも、自分のお金の流れを把握できているかどうかの方が大事なのだと思います。
そう考えると、確定申告は「作業」ではなく、フリーランスとして働くための経営管理の一部なのだと感じるようになりました。
税理士に聞く|プロに相談することの意味
ーー税務をプロに相談することは、フリーランスにとってどんな効果がありそうですか?また、「自分で何とかしよう」と思っているフリーランスに、税理士として一番伝えたいことは何ですか?
佐藤税理士:
フリーランスとしての本業に集中できる点が、一番大きいと思います。
税務は付け焼き刃ではなく、ある程度腰を据えて取り組む必要がありますが、現実として、なかなか時間が取れなかったり、細かい事務処理が苦手な方も多いと思います。
そうした場合、プロに任せることで、重要な意思決定のみに時間を割けるようになります。本業に集中し、収入アップにつながるような関係性を築くことが理想です。
とはいえ、現状の収入でプロに依頼するほどではない、という方もいると思います。その場合は、自分で対応するしかありません。「後で知らなくて損した」ということがないように、税理士が発信しているYouTubeを見たり、生成AIで調べたりと、受け身ではなく、自分から情報を取りにいく習慣を持つことが大切だと思います。
今回話を聞いていて感じたのは、選択肢は
・全部自分でやる
・全部丸投げする
の二択ではない、ということです。
大事なのは、税務が「管理」の話だと理解したうえで、どう役割分担するかなのだと思いました。
・自分で管理できる部分は自分でやる
・難しい部分はプロに相談する
・最低限、判断できる状態は保つ
こうした関わり方の方が、フリーランスとしては現実的なのかもしれません。
もし、
・確定申告が毎年不安
・管理の仕方が分からない
・本業に集中したい
と感じているなら、一度、税務を「丸投げする」のではなく、「相談してみる」という選択肢を持ってみるのも、一つの方法だと思います。
テックビズでは、税務に関する無料相談だけでなく、実際の確定申告などの税務作業についても、無料でサポートしています。
「全部自分でやるのは不安だけど、いきなり税理士に依頼するのもハードルが高い」
そんなフリーランスの方が、まず安心して相談できる場として用意されています。
.png)



