AIの進化によって、開発のあり方は大きく変わりつつあります。ノーコードやローコードといったツールにも搭載され、これまでエンジニアの領域だったシステムやアプリケーション開発に、非エンジニアも関われるようになりました。
こうした変化は、業務効率を高めるだけでなく、企業のDXの進め方やフリーランスの働き方にも影響を与えています。必要な機能を自分たちで考え、形にできる時代において、どんな価値が求められるのか。本記事では、ローコード開発を軸に、その変化を整理していきます。
ローコード開発とは?ノーコードとの違いと、いま注目される理由
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ローコード開発とは、すべてをプログラミングで書かなくても、画面操作を中心にシステムやアプリケーションを開発できる手法のことです。あらかじめ用意された部品やテンプレートを組み合わせながら作り、必要な部分だけコードを書いて調整します。
似た言葉にノーコードがありますが、こちらは基本的にコードを書かずに作るのが特徴です。その分、機能の自由度や拡張性には限界があります。
ローコード開発は、ノーコードほど簡易ではないものの、業務に合わせた柔軟な機能設計ができる点が強みです。
近年、ローコード開発が注目を集めている背景には、IT人材不足とDXの加速があります。多くの企業でデジタル化が必要とされる一方、エンジニアだけで開発を進めるのは難しくなっています。こうした状況を受け、非エンジニアでも扱えるツールとして、ローコードが現実的な選択肢になってきました。
実際、国内のローコード・ノーコード市場は拡大を続けており、2028年度には約2,700億円規模に迫ると報告されています。海外でも、今後は企業内で使われるアプリケーションの多くがローコードやノーコードで作られるようになる、という予測が出ています。
※参考:https://www.gartner.com/en/newsroom
もう一つの大きな変化は、現場の人が自分たちで開発に関われるようになったことです。業務を一番よく知っている人が、自分たちにとって使いやすいシステムを作れるため、導入後に使われなくなるリスクも下がります。ローコード開発とは、単に楽をするための技術ではなく、開発の主役を組織全体に広げるための考え方だと言えるでしょう。
ローコード開発が変えた「進め方」そのもの
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ローコード開発の特徴は「専門家だけでなく、現場の人が自分たちで作れる」点にあります。 この特性は、単に開発スピードを上げるだけでなく、企業がシステムづくりにどう向き合うか、その進め方自体にも影響を与えてきました。
以前、ローコードツールを使って大企業の取り組みを推進してきた方を取材した際、印象的だったのが「進め方」に対する考え方です。一般的に、新しいツールを導入する際は、まず一部の人や部署で試すスモールスタートが定石とされます。しかしその方は、あえてその方法を選びませんでした。
理由は明確で「できる人から始めると、必ず組織が分断される」というのです。ITに強い人だけがツールを使えるようになり、そうでない人は置き去りになる。すると、開発や改善が一部の人の仕事になり、現場全体には広がらない。結果として、仕組みはあっても使われない状態が生まれてしまう、と。
そこでその方は、トップダウンでローコードツールの導入を決め、ITリテラシーの高低に関係なく、全員を対象に取り組みを進めました。何度も勉強会を開き、理解が追いつかない人がいれば、できるようになるまでサポートする。「できる人を増やす」のではなく、「できない人ができるようになるまで諦めない」ことを重視したと言います。
このやり方が成り立った背景には、ローコード開発という技術の特性があります。フルスクラッチ開発では難しく、ノーコードでは業務に合わない。その中間にあるローコードだからこそ、非エンジニアでも自分の手でシステムを作り、小さな成功体験を積むことができました。結果として、システムづくりは一部の専門家のものではなく、現場全体の共通言語になっていったのです。
ローコード開発は、単なる開発手法ではありません。現場全員が関わる前提で進めるための、現実的な選択肢でもあります。
AI×ローコードがフリーランスにもたらす新しい選択肢
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これまでローコード開発は、「ノーコードほど簡単ではないが、フルスクラッチよりは楽」という位置づけでした。多少なりともコードを書く必要があり、その点が非エンジニアのフリーランスにとっては、ひとつのハードルになっていたのも事実です。業務に役立ちそうだとは思っても、「結局コードが必要なら難しそうだ」と感じ、距離を置いていた人も少なくありません。
この状況を大きく変えたのが、AIの登場です。いまは、ローコードツール上で必要なコードを、AIに聞きながらその場で生成できます。書き方が分からなくても、「こういう動きをさせたい」と伝えれば、形にしてくれる。結果として、ローコードに残っていた「コードが書けないと使えない」という壁は、ほぼ意識されなくなりました。
AIとローコードが組み合わさることで、フリーランスの業務効率は確実に上がっています。これまで手作業で行っていた管理や調整を、自分に合った形で仕組みにできる。修正や改善も自分の判断で進められるため、仕事のスピードだけでなく、精度も高まります。業務をこなすだけでなく、「どうすれば回りやすくなるか」を考える時間が増える点も大きな変化です。
さらに、この組み合わせは提案の幅も広げました。AIの助けを借りながらローコードで簡単な仕組みを作り、実物を見せながら話ができるため、アイデアを言葉だけで説明する必要がありません。「こういうツールを作れます」「ここまで自動化できます」と、その場で形を示せることは、フリーランスにとって大きな強みになるでしょう。
ローコード開発×AI時代の働き方に迷ったら、テックビズに相談を
AIやローコードの普及によって、フリーランスを取り巻く環境は大きく変わりつつあります。 業務を効率化できるようになった一方で、「この先、自分はどんな価値を出していくべきか」「今の延長線上にキャリアはあるのか」と感じる場面も増えているのではないでしょうか。
テックビズでは、フリーランス向けにキャリア相談の機会を用意しています。これまでの経験や得意領域を踏まえながら、業務効率化にとどまらず、幅広い選択肢も含めて、これからの働き方を一緒に整理できます。
また、ローコードやAIを活用しながら業務改善や仕組みづくりを進めたい企業やチームの方も、テックビズにご相談ください。開発スキルだけでなく、業務理解や現場視点を持ち、構想から実装まで関われるフリーランスの存在が、これまで以上に求められています。目先の案件探しだけでなく、数年先を見据えた関係づくりの場として、テックビズを活用してみてはいかがでしょうか。
編集後記:AI時代にあらためて問われる「泥臭さ」の使いどころ
先日、企業のDXを生業としている方に話を聞く機会があり、その言葉がいまも印象に残っています。
AIによって仕事を効率化できる時代になったからこそ、人だからこそ担える「泥臭さ」の価値が、相対的に高まっているのではないか、という話でした。
無駄な作業を省き、スマートに仕事を進めることを可能にしてくれたAI。その存在によって、逆に泥臭い取り組みが求められるようになっているというのは、少し皮肉で、でも納得感のある指摘だと感じました。ただし、その方はこうも付け加えていました。
「もちろん、ただ泥臭ければいいわけではない」と。
重要なのは、どこで泥臭さを発揮するかです。
アウトカムを最大化するために、どこに人の手や思考を使うべきか。その設計を考えることこそが、本質的な仕事であり、そこに価値が生まれる。そして皮肉なことに、その設計自体もまた、AIとともに考えることができる時代になっています。
AIがものすごい勢いで進化する中、ただ便利さに乗り、AIの上であぐらをかいているだけでは、自分の価値は相対的に下がっていくでしょう。誰もが気軽にAIを使えるようになったからこそ、今度は「どこで泥臭さを発揮できるか」を問われる時代に入ってきたのかもしれません。
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