・ビジネスカードとプライベートカードの違いとは
・ビジネスカードを持つ利点とは
・フリーランスでもビジネスカードは発行できるのか
ビジネスカードの言葉は聞いたことがあるものの、不明な点が多くて、発行に至っていない人もいるでしょう。プライベートのクレジットカードですべての支払をする人もいますが、ビジネスカードに変えると便利になる場合があります。今回は、ビジネスカードとプライベートカードの特徴や違いを解説しながら、フリーランスがビジネスカードを持った方がいい理由を紹介します。
ビジネスカードとは?
ビジネスカードは、個人事業主や法人などが作れるクレジットカードのことで「法人カード」の一種です。プライベートカードと比べて、発行できる対象者は限られています。
ビジネスカードの存在を知らない人が意外と多い
フリーランスの中にはクレジットカードで経費を支払う人がいるものの、ビジネスカードの存在を知らずにプライベートカードで決済をしている人もいます。
弊社でも、フリーランスのエンジニアを対象にビジネスカードの認知調査をしたところ、実に約7割(68.1%)の人が「知らない」と回答しました。
存在を知っている人が3割程度しかいないものの、ビジネスカードには事業に役立つサービスが付いているため、知っておいた方が便利です。
たとえば、オリコのビジネスカード「EX Gold for Biz S」であれば、このようなサービスがあります。
決済明細書の発行サービス
会計ソフトfreeeが割安になる
指定のレストランが優待価格で使える
税務処理の効率化や経費の削減が期待できるため、事業に役立つ可能性大です。
次の章では、実際にビジネスカードの特徴を見てみましょう。
ビジネスカードの特徴
ビジネスカードの特徴は、大きく3つあります。
支払回数が一括払いのみのカードが多い
支払回数は、一括払いのみのカードが多いです。分割払いやリボ払いのビジネスカードを発行しているカード会社もあるものの、種類が少ないため、一括払い以外の支払方法を好む人には厳しいでしょう。
事業内容も審査される
個人の与信審査だけでなく、事業内容の状況もチェックされます。そのため、個人の資産状況が多くても、事業内容で悪い印象を与えると、カードの審査に通るのは難しいです。詳細については、本記事終盤で紹介します。
事業に便利なサービスが付いている
前述でも触れましたが、ビジネスカードには事業に役立つ機能が付いています。また、ビジネスカードの中には、プライベートカードにはないサービスを提供している場合もあるので、その点も魅力的です。
プライベートカードの特徴
プライベートカードの特徴も、3つに分けて見てみましょう。
分割払い・リボ払いに対応しているカードが多数存在
プライベートカードでは、分割払いやリボ払いに対応しているカードが多いです。ただし、支払先が一括払いのみを受け付けている場合、カードに分割払いやリボ払いの機能が付いていても利用できないため、注意が必要です。
審査基準は個人の与信
プライベートカードの場合、主に個人の信用情報に基づいて審査が行われます。具体的には、個人の信用情報に含まれる支払い状況などが審査に影響します。したがって、事業の財政状態が良くても、個人的に支払遅延などの金融事故がある場合、個人信用情報にデータが載っているため、プライベートカードの発行は難しいです。逆に、事業の状態が悪くても、個人の信用情報が良好であれば、カードを発行できる可能性が高いです。個人信用情報は、カード会社が審査時に確認する情報の一部であり、支払遅延や債務整理の情報などが含まれます。したがって、個人信用情報にデータが載っているかどうかは、カードの審査に影響します。
キャッシング機能が付いているカードが多い
プライベートカードには、キャッシング機能が付いているカードが多いのも特徴です。
キャッシング額は、個人の肩書や年収などで決まります
ビジネスカードとプライベートカードの違い6つ
ここでは6つの視点から、2つのカードの違いを見てみましょう。
ポイント還元率
ポイント還元率はカードのブランドで異なるため、一概にポイント還元率が高いカードがどちらかは決められません。
年会費
ビジネスカードの年会費は経費にできます(勘定科目:諸会費)が、プライベートカードの年会費は、経費にできません。
よって、ビジネスカードを発行すれば経費の金額を増やせます。
福利厚生
ビジネスカードとプライベートカードの最大の違いの一つは、ビジネスカードが事業に関連した特典や福利厚生を提供する点です。ビジネスカードを持つことで、事業の成長や円滑な運営に役立つさまざまな特典が受けられます。例えば、特別な価格で資格を取得できたり、事業に必要な備品やサービスを割引価格で入手できたりします。また、法人化した場合は、同じビジネスカードを複数枚発行して社員に持たせることもできます。
一方、プライベートカードは主に個人向けのカードであり、事業に関連した特典や福利厚生は限られています。また、社員にカードを発行することはできません。そのため、法人化を検討している場合や事業の運営にビジネス関連の特典を活用したい場合は、ビジネスカードの方が便利であることがあります。
支払の区別化
ビジネスカードの場合は一括払いのみのカードが多いです。
たいしてプライベートカードでは、分割払いやリボ払いなどを選択できるカードが充実しています。
経費管理
ビジネスカードを使用する際、通常は事業に関連した支払いに使用されます。これにより、プライベートの費用と事業の費用が明確に区別され、税務処理が簡素化されます。一方、プライベートカードを使用して事業の経費を支払う場合、プライベートの支出と事業の支出を区別する手間が発生し、税務作業の効率性が低下する可能性があります。
ビジネスカードを使うことで、事業に関連する支払いを専用のカードで処理することができ、税務処理が簡単になります。この効果により、余計な税務コストを削減し、事業の運営をスムーズに行えるでしょう。特に独立した個人事業主や法人で事業を運営している場合、ビジネスカードの利用は税務上のメリットが大きいです。
ステータス性
ビジネスカードは一般的にステータス性が高いと見なされることがあります。これは、ビジネスカードの発行に際して、個人の信用情報だけでなく、事業内容や収益に関する情報もチェックされるためです。このような詳細な審査が行われるため、ビジネスカードは一定の信用と経済的な安定感を持つビジネス専用のカードとして位置づけられています。
一方、プライベートカードは個人の信用情報に基づいて発行されることが一般的で、審査の詳細度が低いため、ステータス性が高いとは言いにくいでしょう。ただし、ビジネスカードと同等の信用を持つプライベートカードも存在するかもしれません。
ステータス性が高いかどうかは、カードの種類や発行元、利用者の個人信用によって異なります。ビジネスカードはビジネス関連の支出に特化しているため、特にビジネス用途に向いています。
下記の表には、2つのカードの特徴や違いをまとめています。
●ビジネスカード | ●プライベートカード | |
●審査項目 | 個人の与信+事業内容 | 個人の与信 |
●支払回数 | 一括払いのみのカードが多い | 一括払い・分割払い・リボ払いなど、複数パターンが付いているカードが多い |
●キャッシング付きカードの種類 | 少ない | 多い |
●年会費を経費計上できるか? | できる | できない |
●福利厚生 | 事業で役立つサービスが多い | 事業で役立つサービスは少ない |
●経費の管理 | 決済内容が事業関連の支払ばかりだからラク | プライベートの決済が混ざっているため、面倒 |
●同一カードの発行枚数 | 法人化すれば20枚前後、発行できる場合がある | 家族に持たせる分(数枚程度)しか、発行できない |
●ステイタス性 | 高い | 低い |
ビジネスカードの作り方
最後にビジネスカードを作る人向けに、詳しい流れを紹介します。
審査基準
審査基準は、大きく分けて3つです。
個人での金融事故の有無はあるか?
プライベートカードと同様に、個人での金融事故がないか個人信用情報などでチェックされます。
金融事故のデータが載っている状態だと、事業の経営成績や財政状況が良くても、落ちる場合があるため気を付けましょう。
事業の信用度・経営成績・財政状況はどうか?
信用度では「事業の実績や開業してからの年数」、経営成績や財政状況では「赤字or黒字、支払能力の有無」を確認します。
創業期間が短ったり、収入や利益額が少なかったりすると、審査では不利です。
ビジネスカードを発行するブランドと同じクレカを使ったことがあるか?
ビジネスカードと同じブランドの、クレジットカードを使っている場合、お得意様ということで、審査に通過する確率が上がる場合があります。
決済額の支払い実績があり、カード会社からの信用を得ているため、大きな武器になるでしょう。
必要書類・期間
必要となる書類は、こちらの通りです。
身分証明書
入会申込書
口座振替書
確定申告書の控え・所得証明書(不要の場合もある)
営業許可書(不要の場合もある)
上記の書類を提出するタイミングは、カード会社によって異なります。
なおカード会社によっては、資料を送付して必要な書類を教えるケースもあります。
まとめ
ビジネスカードとプライベートカードの特徴や違いを解説しました。
押さえるべきポイントは、以下のとおりです。
✓ビジネスカードの特徴
①支払回数が一括払いのみのカードが多い
②事業内容も審査される
③事業に便利なサービスが付いている
✓ビジネスカードとプライベートカードの審査の違い
①年会費の扱われ方
②福利厚生の内容
③経費管理の手間
ビジネスカードを発行すると、事業が円滑に進むだけではなく、金銭的にもお得になることがあります。
経費をプライベートカードで支払っている人は、今よりもお得になりそうであれば、新たにビジネスカードを発行するといいでしょう。
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