「VBAの仕事、このままでいいのかな……」
そんな不安を、ふと感じる瞬間はありませんか?
ノーコードやRPAの登場により、自動化の手段が多様化する中で、VBAエンジニアとしてのキャリアに迷いを抱く方も少なくありません。
この記事では、現役のVBAエンジニアが感じる不安の正体を整理しながら、これからの時代に合ったキャリアの方向性を一緒に考えていきます。
ポイント
「VBAのままでいいのか?」という不安の正体と背景がわかる
今後の選択肢として検討できる“進化パターン”が見えてくる
VBA経験を活かしたフリーランスという働き方の可能性が理解できる
今、VBAエンジニアとして働いていて感じる「不安」の正体
日々の業務ではVBAでのマクロ開発や業務効率化に取り組み、現場で頼られる存在として活躍しているVBAエンジニアの方も多いでしょう。
しかし、同時に「このままで本当に大丈夫なのか?」という漠然とした不安を抱えている方も少なくありません。
この章では、現役のVBAエンジニアが感じやすい3つの“キャリア上の不安”を言語化していきます。
「このままでいいのか?」と感じる瞬間
VBAの開発は、主に社内の業務効率化やExcel業務の自動化が中心です。日々の業務の中で、問題を解決するたびに達成感を得られる一方で、ふとした瞬間にこう感じたことはないでしょうか。
- 「数年前から仕事内容があまり変わっていない気がする」
- 「気づけば、社内でVBAを触れるのは自分だけになっていた」
現場での信頼が積み重なるほど、同じような業務の繰り返しになりがちで、成長実感や新たなスキルの習得機会が減っていく──。
その結果、「このまま社内業務だけを担当していて、5年後も市場で通用するのだろうか」と不安になるのは、ごく自然なことです。
技術の進化についていけているか、不安になるとき
ここ数年で、業務自動化の世界は大きく様変わりしました。
ノーコードツールの普及、RPAやPower Automateの導入、さらにはPythonなどの汎用言語による自動化まで、多様な選択肢が増えています。
そんな中で、こうした変化に対して焦りを感じたことはないでしょうか?
- 「最近、社内でPower Automateの導入が検討されている」
- 「Pythonを使って業務自動化している人が増えてきた」
VBAが即座になくなるわけではないにせよ、技術的な主流が変わりつつある今、「自分も新しいツールにキャッチアップすべきなのか」と悩む方は少なくありません。
とくに独学での学習に自信がない方にとっては、技術トレンドに取り残される不安は、日々の小さなストレスとなって積み重なっていきます。

任される仕事や評価に、物足りなさを感じることも
もうひとつ多くのVBAエンジニアが抱えているのが、「仕事の幅」や「評価のされ方」に対するジレンマです。
業務効率化を目的としたツール開発は、経営インパクトが見えにくく、「成果が目に見えづらい」という難しさがあります。
- 「社内では感謝されるけど、評価制度ではあまり反映されない」
- 「単なる便利屋になっている気がして、モヤモヤする」
こうした声は、特に中堅層のエンジニアに多く見られます。
スキルアップの方向性が見えず、社内での立場やキャリアの伸びしろに限界を感じる──。このような状況が、「VBAのままでいいのだろうか?」という不安につながっているのです。
このように、VBAエンジニアとして働く中で生まれる不安は、決して一時的な感情ではありません。
環境の変化と自分自身の今後を見つめ直す、重要なサインともいえるでしょう。
こうした不安に対して、「それでもVBAが求められ続けている理由」に焦点を当てていきます。
社内での評価や働き方にモヤモヤを感じているなら、環境を見直すタイミングかもしれません。
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VBAの役割が、いまも求められている理由
「VBAはもう古い」「これからはPythonやノーコード」といった声が聞こえてくる中でも、実際には今も現場でVBAが必要とされている理由は確かに存在します。
ここでは、現場の視点に立って、なぜVBAの価値が揺らいでいないのかを見ていきましょう。
ノーコードが進んでも、VBAが活きる場面はある
近年は、Power AutomateやZapierなどのノーコード自動化ツールが注目を集めています。GUIベースで構築できるため、非エンジニアでも業務を効率化できるメリットがあります。
しかし、これらのツールは「誰でも扱える」反面、自由度が低く、細かな処理が難しいという側面もあります。
たとえば、以下のようなケースでは、依然としてVBAの強みが発揮されます。
- 複雑な条件分岐やループ処理が必要な業務
- 業務に応じてレイアウトを変更する帳票出力
- Excelファイル内で完結させたいローカル作業の自動化
VBAは「現場で完結できる」「業務ロジックを柔軟に組み込める」ことが評価されており、ノーコードだけでは補えない領域を担っています。
中小企業・現場業務での需要は根強い
大企業ではクラウド化・SaaS化が進んでいますが、一方で中小企業や地方企業ではいまだにExcel主導の業務が中心という現場も少なくありません。
特に以下のような企業では、VBAエンジニアの価値は高く評価されています。
- 業務がExcelやAccessで構築されている
- IT部門がなく、現場が主導でシステムを回している
- コストやスピードの面で、新規システム導入が難しい
こうした環境では、「ちょっとした不便をすぐに解決できるVBAの存在」が頼りにされます。
実際に、業務改善を実現したエンジニアが“そのまま社内のVBA担当”として定着している例も多く、今も実用的なスキルとして重宝されています。
実はVBAエンジニアだからこそ見えている課題もある
VBAを活用して現場業務を支えてきたエンジニアだからこそ、他の人には見えない“業務の深層構造”に気づける場面があります。
単に自動化をするだけでなく、
- 担当者しか知らない属人化業務の構造
- 日々の作業で起きている手戻りやロス
- システムではなく“人のオペレーション”に起因する問題
こうした本質的なボトルネックに気づき、改善の糸口をつかめるのは、業務と技術の“あいだ”を理解しているVBAエンジニアだからこそ。
この視点は、のちに業務コンサルや業務設計へとキャリアを広げる上でも、強力な武器となります。
ノーコードや他の言語に注目が集まる今だからこそ、「VBAはもう古い」と決めつけるのではなく、“今も必要とされている場面”を正しく認識することが大切です。
次章では、そのVBAスキルを土台として、どのようにキャリアを進化させていけるのか──具体的な3つの方向性を見ていきましょう。
キャリアをどう広げる?3つの進化パターン
VBAは現場で根強い需要がある一方、「この先もVBA一本で大丈夫なのか?」という疑問を持つ方も少なくありません。
不安を“前進のサイン”と捉え、自分の強みをどう広げていくか。その道筋として、今回はVBAエンジニアが取りやすい3つの進化パターンをご紹介します。

① VBAを軸に「業務改善系エンジニア」へ
まず一つ目の進化パターンは、VBAのスキルをベースに業務改善に強いエンジニアとしてキャリアを広げていく道です。
VBAを活かした自動化や効率化の経験は、単なるコーディング以上の価値があります。
例えば以下のようなスキル・思考が、業務改善系エンジニアとしての強みになります。
- 属人化業務の可視化と標準化
- 業務フロー全体を見渡す俯瞰力
- 現場担当者とのコミュニケーション力
「VBAでできること」にとどまらず、「業務そのものをどう良くするか」を考える視点を持つことで、より本質的な課題解決ができるようになります。
また、こうしたポジションは社内外問わずニーズが高く、継続的な案件につながることも多いです。
② Python・Power Automateなど“さらなる自動化”へ移行
二つ目は、VBAで培った“自動化の発想”をベースに、次の技術へスライドしていく道です。
特に今注目されているのは以下の2つ。
- Python:データ処理、スクレイピング、業務自動化など幅広く応用可能
- Power Automate:Microsoft製で、ノーコードRPAとして社内導入が進んでいる
いずれも「非エンジニアでも扱える」側面がありますが、実務レベルで活用するにはVBAのような論理的思考力が必要不可欠。
つまり、VBAエンジニアは“他の自動化技術に最も近い場所にいる人材”とも言えるのです。
オンライン学習や資格取得、社内プロジェクトなどを通じて、段階的にキャッチアップしていくのがポイントです。
③ 顧客業務に踏み込む「業務コンサル」型へ
三つ目は、VBAで業務改善を重ねてきた経験をベースに、コンサルティング型のキャリアへ発展させる道です。
具体的にはこんな業務が含まれます。
- 顧客業務のヒアリングと課題抽出
- 自動化や効率化の企画・提案
- ツール導入後の運用支援
現場の声を理解し、業務フロー全体を見渡せる人材は、企業側から見ると「最も頼れるパートナー」です。
この領域は単価も高く、信頼が構築されれば長期的な関係性に発展しやすい点も大きな魅力です。
フリーランスという選択肢|現場の経験を活かせる働き方
「今の働き方に限界を感じるけど、転職もなんとなく踏み切れない」
そう感じているVBAエンジニアの方にとって、フリーランスという選択肢は意外にも身近で、実現性の高いキャリアパスです。
ここでは、フリーランスという働き方がVBAエンジニアに適している理由と、報酬・案件の実態についてご紹介します。
社内SEでの経験がそのまま活きる理由
VBAエンジニアの多くは、社内SEや業務改善担当として、「現場の業務」に深く関わってきた方が多いのではないでしょうか。
実はこの“現場理解”こそ、フリーランスとして最も価値になるスキルの一つです。
- 業務全体を俯瞰して課題を見つける力
- 担当者の言葉を翻訳して仕様に落とし込む力
- 属人化した業務を標準化・自動化する提案力
これらは技術力だけではなく、“業務を理解する力”が求められる領域。
多くの企業が「自社の事情をわかったうえで動いてくれる外部人材」を必要としており、社内SE出身者は即戦力として歓迎されるケースが多いのです。
VBA特化案件の特徴と報酬相場
「フリーランスになるには、もっと高度なスキルが必要なのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし実際には、VBAの実務経験があれば応募できる案件も多数存在します。
下記は、TECHBIZで紹介可能な案件をもとに軽くまとめた例です。
項目 | 内容 |
---|---|
案件例 | Excel帳票の自動化、マクロ改善依頼。 |
期間 | 単発〜中長期まで幅広い(1〜6ヶ月) |
報酬相場 | 月額35〜60万円(経験・稼働率による) |
契約形態 | 業務委託/準委任が主流 |
特に、「業務の流れまで理解したうえで開発できる方」を求める企業からのニーズが高いため、単にVBAを書けるだけでなく、業務要件を整理できるスキルがあれば評価されやすいです。
案件の詳細や、他にVBAの案件を探してみたい方は、TECHBIZに相談してください。
専任のコンサルタントが、40000件の案件データベースからマッチする案件を紹介いたします。
※経験年数などによって案件のご紹介が難しい場合があります。
「単価が上がらない」を抜け出すには
フリーランスの世界でも、スキルやポジションによって単価の幅は大きく変わります。
VBAエンジニアが単価を上げていくには、以下のような戦略が有効です。
- 技術の幅を広げる(例:Power AutomateやPythonとの併用)
- 業務全体の改善提案まで含めて対応する
- 請負ではなく“伴走型”支援として価値を出す
つまり、「マクロを作るだけの人」から、「業務改善パートナー」へとポジションを上げることが、報酬アップへの近道となります。
まとめ|VBAエンジニアが不安を乗り越えるために今できること
ここまで、VBAエンジニアとして働く中で感じる不安の正体と、そこからのキャリアの広げ方について見てきました。
最後にあらためて、「今だからこそできること」を3つの視点で整理してお伝えします。
“なくなる”かどうかではなく、“どう活かすか”の視点へ
「VBAはもう終わり」「時代遅れ」
そんな言葉に振り回され、不安だけが大きくなっていませんか?
ですが、技術が“終わるかどうか”ではなく、その技術をどう活かし、どう次に繋げるかがキャリアの本質です。
VBAを通じて培った「業務を改善する力」「現場を見る力」は、他の技術にも応用できる普遍的なスキルです。
あなたが現場で積み重ねてきた経験には、今後の選択肢を広げるヒントが必ずあります。
自分だけで抱えず、キャリアを棚卸ししてみよう
不安や焦りを一人で抱えていると、視野はどうしても狭くなりがちです。
だからこそ、一度立ち止まって、「何ができて、何を大事にしたいのか」を言語化してみることが大切です。
- 今やっている業務で、評価されていることは?
- 自分が得意だと思える瞬間はどこ?
- 5年後、どんな働き方をしていたい?
棚卸しをするだけで、自分の強みや次の一歩が見えやすくなります。
【相談窓口】現状整理やフリーランス転向をプロと一緒に考えたい方へ
「なんとなく不安だけど、何をすればいいのかわからない」
「フリーランスに興味はあるけど、具体的に何から始めれば…?」
そんな方は、誰かと一緒に考える時間をとってみることをおすすめします。
TECHBIZでは、VBAエンジニアの方に向けたキャリア相談・案件紹介・フリーランス転向支援を行っています。
一人ひとりのスキルや志向に合わせて、無理のない提案をさせていただきます。
「このままでいいのか?」と感じた今が、キャリアを見直すチャンスです。
キャリアは「守るもの」ではなく、「自分でつくっていくもの」。
VBAでの経験は、あなたの“スタート地点”にすぎません。
この先の選択肢を広げるために、まずは一歩を踏み出してみてください。
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