セキュリティエンジニアとは、サイバー攻撃やウイルスなどの外部の攻撃から企業や政府、自治体などの情報資産を守る職種です。
社会にITが浸透するにつれ、機密情報や個人情報のやり取りはより活発化しています。そんな背景からも情報セキュリティ対策の重要性は増し、セキュリティエンジニアの活躍の場は拡大しています。
この記事では、セキュリティエンジニアにキャリアチェンジしたいと考えている人に向けて、セキュリティエンジニアの需要や将来性、仕事内容、年収を紹介します。
- セキュリティエンジニアの将来性は高いのか?
- セキュリティエンジニアの将来性の懸念点
- セキュリティエンジニアが将来活躍できる分野
- セキュリティエンジニアのキャリアパス
セキュリティエンジニアの需要や将来性は高いのか?
結論からお話すると、セキュリティエンジニアの需要や将来性は非常に高いと言えるでしょう。近年、国内外からのハッキングやサーバー攻撃が増えており、そのような外部の攻撃から企業を守るためにもセキュリティエンジニアは重宝されるづける可能性が高いと言えるでしょう。では、具体的にセキュリティエンジニアの需要や将来性が、高い理由はどのような部分にあるのでしょうか。ここでは、セキュリティエンジニアの需要や将来性が高い理由を解説していきます。
情報セキュリティの需要はますます増加していく
インターネットの普及や発達と同時に、情報セキュリティの事件は年々増え続けております。さらに、情報セキュリティの事件が増え続けているだけでなく、サイバー攻撃の手法もさまざまで、どんどん巧妙化していっております。
「情報セキュリティ白書2021」によると、2020年度の国内情報セキュリティ事件は537件と前年比約6%の増加となりました。事件の内容としては、メールを活用した手口が増加しており、新しい巧妙な手口も生まれております。
情報セキュリティ事件により、企業の機密情報や個人情報が流出させると、企業の社会的信用が大きく落ちるだけでなく、損害賠償請求されたり、株価が下がったりと大きな損害が出てしまう可能性が非常に高いと言えます。そのため、企業が自分自身を守るためにも情報セキュリティの重要度は高く、需要は上がっていく可能性が非常に高いでしょう。
また、ITサービスやWebサービスが増加していることもあり、ITサービスやWebサービスが増加すればするほど、セキュリティエンジニアの需要は高まります。
セキュリテイエンジニアの人材不足
先ほど紹介したように、ITサービスやWebサービスが増加する一方で、サイバー攻撃が年々増加しており、セキュリティエンジニアの重要性が高まっております。
ただ、現状セキュリティエンジニアの人口が十分に達しているとは言えないでしょう。経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」では、2020年時点で情報セキュリティ人材が約19万人ほど不足すると予測されております。
セキュリティエンジニアの需要はこれからも増加していく可能性が高く、セキュリティエンジニアの人口不足は続いていくと考えられるでしょう。需要が伸びていくにも関わらず、人材あ不足しているということで、セキュリティエンジニアの将来性は非常に高く、希少価値が高い仕事になると言えるでしょう。
セキュリティエンジニアの将来性に関する懸念点
先ほどセキュリティエンジニアの将来性は非常に高いという解説をしていきました。ただ、インターネットでセキュリティエンジニアを検索すると、「セキュリティエンジニアやめとけ」という情報を目にすることがあるでしょう。では、セキュリティエンジニアは将来性があるのに、なぜやめとけと言われてしまうのでしょうか。ここでは、セキュリティエンジニアはやめとけと言われる理由を紹介していきます。
- 責任が重大な仕事のためプレッシャーが大きい
- 業務がハード
- 事故が起きた時に迅速な対応が求められる
責任が重大な仕事のためプレッシャーが大きい
セキュリティエンジニアはやめとけと言われる理由1つ目は「責任が重大な仕事のためプレッシャーが大きい」です。
セキュリティ事故は時に、企業活動を停止させたり、あるいは企業のブランドイメージを大きく損なったりすることがあります。自らの失敗が、企業に多大な迷惑を及ぼす可能性があります。このプレッシャーに耐えかねてメンタル面でダメージを受ける人も少なくありません。
そのため、セキュリティエンジニアは事前に十分な調査を行い、時間をかけて対策を講じることになりますが、その責任の重さにプレッシャーを感じる人は多いでしょう。
業務がハード
セキュリティエンジニアはやめとけと言われる理由2つ目は「業務がハード」です。
情報漏洩事故の多くは、内部関係者の不正によるものも多いです。また人的ミスも原因の1つにあげられます。セキュリティ管理部門が整備されていない企業では、いきなり、セキュリティエンジニアが人的セキュリティの確保に当たるケースがあります。
その一環として、セキュリティ研修の教材作成、学習システム構築、社員教育の講師まで任せられることもあります。さらには、人的セキュリティ事故の原因として、セキュリティシステムの脆弱性を指摘されることもあり、守備範囲の広さが過重労働につながる要因にもなります。
事故が起きた時に迅速な対応が求められる
セキュリティエンジニアはやめとけと言われる理由3つ目は「事故が起きた時に迅速な対応が求められる」です。
今や、多くの企業のコンピューターシステムは昼夜を問わず稼働しています。それらはインターネットと接続している機器が多く、企業の業務サーバがファイアウォールを突破してくるサイバー攻撃にさらされるケースが増えています。
サイバー攻撃の結果、サーバーダウンによる業務停止を余儀なくされ、場合によっては個人情報や機密情報が盗まれることすらあります。
サイバー攻撃が組織や企業の監視システムで検知されると、時にはダイレクトにセキュリティエンジニアに通報が届き、障害のレベル次第では夜間出動もあります。
セキュリティエンジニアが将来活躍できる業界
セキュリティエンジニアは将来性が高く、今後より需要が高い職種となっていくことが予想されます。そのような需要の高いセキュリティエンジニアは、将来どのような分野で活躍することができるのでしょうか。ここでは、セキュリティエンジニアが将来活躍できる業界を6つ紹介していきます。
- ITサービスやWebサービス
- ECサイト
- 金融システム
- メーカー
- インフラ
- 官公庁
ITサービスやWebサービス
セキュリティエンジニアが将来活躍できる業界1つ目は「ITサービスやWebサービス」です。
ITサービス・ソフトウェア業界においては、情報システムやソフトウェア、アプリケーションの設計、構築に向けたセキュリティ観点の対策が必須となるため、セキュリティエンジニアは重要視される職種です。
また、セキュリティソフトウェアの開発においてもセキュリティエンジニアが必要となります。さらには、顧客に対するコンサルティング、ソリューションの提案といった上流工程でもセキュリティエンジニアによるセキュリティマネジメントが活かされます。
ECサイト
セキュリティエンジニアが将来活躍できる業界2つ目は「ECサイト」です。
ECサイトにてBtoCのチャネルを利用している場合は、電子商取引におけるセキュリティが重要な課題です。電子マネーや各種のキャッシュレスなどの適用、顧客個人情報の保護といったシーンでセキュリティエンジニアの活躍が見込めます。
金融システム
セキュリティエンジニアが将来活躍できる業界3つ目は「金融システム」です。
金融や銀行、保険業などのフィンテック関連でも、セキュリティエンジニアの活躍シーンが見込めます。フィンテックでは個人や企業の機密性の高い情報をインターネット経由で扱うため、セキュリティ面が重要視されているのです。
メーカー
セキュリティエンジニアが将来活躍できる業界4つ目は「メーカー」です。
家電、機械メーカーにもセキュリティエンジニアの活躍の場はあります。今後、家電や機械はインターネットに接続されて利用されるIoT技術のさらなる普及が見込まれています。利便性を高め、新たな価値を製品に付与する技術として期待されていますが、常時インターネットに接続されているということは、サイバー犯罪の脅威にさらされ続けているということでもあります。このため、セキュリティエンジニアによるセキュリティ対策が必要とされます。
インフラ
セキュリティエンジニアが将来活躍できる業界5つ目は「インフラ」です。
通信インフラを守るのは当然ですが、電力やガスなどの公共インフラは、ネットワーク接続されたスマートメータの利用が進んでいます。こうしたものはネットワークにサイバー攻撃されると停止するリスクもあり、高いセキュリティレベルが要求されます。
官公庁
セキュリティエンジニアが将来活躍できる業界6つ目は「官公庁」です。
官公庁や一般企業においても個人情報やビジネス上の機密情報の取り扱いがあれば、今後、セキュリティ対策がより重要な意味を持ちます。ビジネス上の機密情報の取り扱いのための仕組みづくり、社員の情報セキュリティ能力の向上などの情報セキュリティマネジメントができる人材が活躍する場の一つです。
さらには、新型コロナウイルスの流行が契機となりテレワーク環境の重要性が向上しました。テレワークも含めた環境を構築、管理できるセキュリティ人材は重要性を増しています。
セキュリティエンジニアのキャリアパス
セキュリティエンジニアは将来性が高く、今後より需要が高い職種となっていくことが予想されます。そのような需要の高いセキュリティエンジニアは、将来どのような分野で活躍することができるのでしょうか。ここでは、セキュリティエンジニアが将来活躍できる業界を6つ紹介していきます。
- フリーランス
- セキュリティアーキテクト
- セキュリティアナリスト
- セキュリティコンサルタント
フリーランス
セキュリティエンジニアのキャリアパス業界1つ目は「フリーランス」です。
フリーランスセキュリティエンジニアとは、企業に所属することなく自分自身で企業や組織と契約し、活動していく職種です。所属している企業や組織があるかによって仕事の受注率も大きく変動することが予想されます。
フリーランスとして活動を始める頃は、実績や信頼はありませんので着実に依頼を請け負い、クライアントからの信頼を勝ち取らなければなりません。
フリーランスになると企業や組織に所属しないため、働き方が大幅に自由になります。しかし、メリットだけでなくデメリットも存在しますのでフリーランスを十分に理解したうえで活動することをおすすめします。
セキュリティアーキテクト
セキュリティエンジニアのキャリアパス業界1つ目は「セキュリティアーキテクト」です。
セキュリティアーキテクトはシステム、ソフトウェア、アプリケーションの開発におけるセキュリティ面での基本方針の策定、設計を行うことが主たる業務です。サイバー攻撃に強く、脆弱性の少ないソフトウェア製品を作り上げるために、全体を通したセキュリティ品質を確保できるスキルが必要な職種です。
また、組織におけるセキュリティ対策の基本方針や体制づくり、経営戦略における情報セキュリティの指針などセキュリティを高める仕組みづくりなどのセキュリティマネジメントも、セキュリティアーキテクトの業務の対象となります。
ソフトウェア構築においても、セキュリティマネジメントにおいても、全体を通してのセキュリティへの方針を立てて、漏れなく適用し、隙の無い仕組みを作りあげるセキュリティエンジニアを統括するポジションです。
セキュリティアナリスト
セキュリティエンジニアのキャリアパス業界1つ目は「セキュリティアナリスト」です。
セキュリティアナリストは顧客のシステムを膨大なログなどを分析することによって監視し、インシデントやトラブル発生時にはその攻撃手法や攻撃元などの分析を行うことが主な業務です。セキュリティ技術に深い造詣を持ち、サイバー攻撃や不正アクセスへの対策を行った経験を活かして、有事には迅速な対応が求められる高度なセキュリティエンジニアといえる職種です。
セキュリティコンサルタント
セキュリティエンジニアのキャリアパス業界1つ目は「セキュリティコンサルタント」です。
セキュリティエンジニアは一般企業から官公庁まで多くの組織が求める人材であり、業界全体から高い需要があります。セキュリティエンジニアとしてキャリアを積むと、ネクストキャリアとして想定されるのは「セキュリティコンサルタント」です。
監査法人やコンサルティングファームに所属するセキュリティコンサルタントは、30代で年収1,000万円クラスというケースも珍しくありません。さらに、優秀なセキュリティコンサルタントはCIO(最高情報責任者)やCISO(最高情報セキュリティ責任者)に就任することも考えられます。
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