【徹底解説】フリーランスとして独立する前に必要なこと20選

・フリーランスになる前に必要なこと
・フリーランスになってから必要なこと

フリーランスとして成功を収めている人々が存在する一方で、うまくいかないケースも見受けられます。成功と失敗の分岐点となる要素の一つは、フリーランスとして必要な知識やスキルを事前に理解しているかどうかです。

必要な要素を理解していれば、それに基づいて準備を進め、冷静に対応することが可能になります。今回は、フリーランスとして必要な要素を独立する前と後で、詳細に分けて説明します。

フリーランスに必要なことを把握するべき理由

 

会社員の中には勢いでフリーランスになってしまう人もいますが、独立前後に必要になることを把握しておくべきです。なぜなら、フリーランスは会社員と働き方が大きく変わり、独立前にも独立後にも必要なことが多々あるためです。

必要なことを把握せずに独立してしまうと、「こういう準備もしておけばよかった」「こんなことが必要だなんて知らなかった」と後悔してしまうことも出てきます。後悔するだけならまだいいですが、法律で決められている手続きなどもあるため、知らなかったでは済まされないこともあります。

フリーランスになる前とフリーランスになった後に、具体的にどんなことが必要になるのかしっかりと把握してから、独立をするようにしましょう。

フリーランスになる前に必要な11のこと

ここからは、フリーランスとして独立する前に必要になる11個のポイントを紹介します。

フリーランスになる前に必要なこと
①資金を貯めておく

②スキルを習得しておく
③働き方の違いを把握する
④知り合いをたくさん作っておく
⑤独立後に勝算があるか考える
⑥税金の知識を身に付ける
⑦名刺の準備をする
⑧請求書のフォーマットを準備する
⑨仕事の引継ぎをする
⑩事務所を契約しておく
⑪クレジットカードを契約しておく

1つずつ見ていきましょう。

1.資金を貯めておく

独立する前には、必ず資金を蓄えておくことをお勧めします。フリーランスになったとしても、常に仕事が確保できるわけではなく、収入が不安定になる可能性があるからです。

例えば、独立初期に月収20万円があったとしても、クライアントの都合で報酬が突如ゼロになることや、予期せぬ出費が増えて資金繰りが困難になるケースも考えられます。そのような状況になった時に、貯金が全くなければ対応が難しくなります。

そのため、収入が一切なくても半年から1年間は生活できるだけの資金を蓄えてから独立することを推奨します。貯金が苦手な人は、以下の方法を試してみてください。

貯金専用口座への自動送金

給与が振り込まれると同時に、別の口座に自動送金するサービスを利用すると、貯金がしやすくなります。これは先取り貯金とも呼ばれる方法です。給与の余剰分だけを貯金しようとすると、ついつい使いすぎてしまい、貯金できる余裕がなくなることもあります。給与が入ったらすぐに貯金し、残ったお金で生活するようにすると、毎月一定額の貯金が可能になります。一定額の貯金が毎月できると、いつまでにどれくらい貯めて独立するかの見通しも立てやすくなります。

家計簿を付ける

家計簿をつけることもおすすめです。無駄遣いを防ぎ、お金の使い方を改善することで、貯金がしやすくなります。また、どれくらいの収入があれば生活できるのかも把握できるため、独立後にも役立ちます。最近では家計簿専用アプリも多く存在し、移動時間などを利用して簡単に記録することができます。レシートを読み取ると自動で入力される便利なアプリもあるので、ぜひ活用してみてください。

2.スキルを習得しておく

フリーランスで仕事を得るためには、スキルの習得が重要です。フリーランスの仕事は基本的に、未経験でスキルが全くない状態では難しいです。

未経験でスキルがなくても可能な仕事もありますが、報酬は低く、生計を立てるだけの収入を得るのは困難です。そのため、最低限のスキルを身につけてから独立することを推奨します。

自分がフリーランスとして活動できるだけのスキルを持っているかどうか判断が難しい場合は、副業を試してみることをおすすめします。実際の案件を通じて自分の能力を確認できますし、会社員としての給料があるため、収入が得られなくても生活に困ることはありません。リスクはほとんどありません。

副業を試して、フリーランスとしても生活できる自信が持てたら、独立の準備を進めていきましょう。副業を始めやすいクラウドソーシングサイトについては、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

関連記事:初心者でもクラウドワークスで稼ぐことはできるのか?案件獲得方法も解説!

3.働き方の違いを把握する

会社員とフリーランスの働き方の違いを理解しておくことも重要です。会社員は定められた時間に出勤し、与えられた仕事をこなすことで給与が支払われます。

しかし、フリーランスの場合、クライアントとの契約内容によって働き方は大きく変わります。また、自分で仕事を探し出さなければならないため、どの業種でも営業活動が必要となります。

フリーランスは自由に好きなように働けるというイメージが強いかもしれませんが、会社員よりも負担が大きい面もあります。そのようなネガティブな側面についても理解を深めておくことが大切です。

4.知り合いをたくさん作っておく

多くの人々との繋がりを持つことは、独立した後に仕事の紹介を受けたり、ビジネスに役立つ情報を得る可能性を高めます。特に、会社員としての立場から築ける人脈は、独立前に作っておくと良いでしょう。

会社員時代に築いた人脈は、フリーランスになった後に思わぬ形で役立つこともあります。どこでどのような繋がりが生まれるかは予測できないため、「将来的に独立する予定だからこの人たちとは親しくしなくてもいい」と考えず、出会う人々とは良好な関係を築くようにしましょう。

また、すでにフリーランスとして活動している人との繋がりも重要です。彼らとの交流を通じて、フリーランスとしての働き方について深く理解することができます。イベントやセミナーに参加し、フリーランスの人々とも交流を深めておきましょう。

フリーランスが人脈を作るメリットや、人脈を作る方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:正社員からフリーランスになるタイミングは?独立前に準備すべきことも解説!!

5.独立後に勝算があるか考える

独立後に成功する可能性を考えることも重要です。具体的には、独立後に自分が始めようとしている仕事で、実際に仕事を獲得できるかどうかを考えることです。

仕事の内容によっては、フリーランスよりも法人への依頼が多い場合があり、フリーランスとして参入できる余地がない仕事も存在します。また、活動の拠点となる場所によっても、仕事の需要は大きく変わります。

都市部であれば成功率が高い業種もあれば、地方であるからこそ成功率が高い業種もあります。自分が始めようと思っている仕事で生計を立てている人が周囲にどれくらいいるのかを把握しておくと、成功する可能性があるかどうかが見えやすくなります。

6.税金の知識を身に付ける

税金に関する知識を身につけることも重要です。会社員の場合、税金や社会保険料などの手続きは会社が代行してくれますが、独立後は自分で税金の管理をしなければなりません。

特に、毎年行わなければならない「確定申告」の方法は事前に調べておくと良いでしょう。フリーランスになってから学ぼうとすると、仕事に追われて時間が取れなかったり、期限内に手続きができなかったりすることもあります。

確定申告は毎年2月〜3月に行う必要がありますが、そのための準備は1年間を通じて行う必要があります。独立前に確定申告の方法を学び、独立したときには準備を進められるようにしておきましょう。

7.名刺の準備をする

名前、肩書、連絡先などを記載した名刺を準備しておくことも重要です。フリーランスは自分で営業活動を行う必要があるからです。
また、イベントやセミナーに参加した際にも名刺があると、相手に覚えてもらいやすく、人脈を築きやすくなります。会社員の時とは違い、会社のロゴなどを使用する必要がないため、自分の好みに合わせて名刺を作ることができます。
相手の印象に残るような工夫を凝らした名刺を作ると、営業活動や人脈作りにさらに役立つでしょう。

8.請求書のフォーマットを準備する

フリーランスは案件ごとに報酬を受け取るために、請求書の提出が必要です。これも独立前に準備しておくと、独立後に手間どることなくスムーズに進めることができます。
もちろん、各案件ごとに細かな指定がある場合もありますので、都度請求書の内容を変更するようにしましょう。

9.仕事の引継ぎをする

退職する前に、他の従業員への仕事の引き継ぎも重要です。退職日を基に逆算し、その期間内に全てが終わるようにスケジュールを立てておきましょう。

口頭だけでなく、データベースや紙ベースなどで資料を用意しておくと、後任の人が困ることは少なくなるでしょう。先に述べたように、会社員時代の人脈が独立後に役立つこともありますので、適当に引き継ぎを行うのではなく、しっかりと引き継ぎを行い、人間関係が悪化しないようにすることが重要です。

10.事務所を契約しておく

事務所を借りる予定がある場合は、契約を独立前に済ませておくことをおすすめします。独立後にオフィスを借りようとしても、審査に通らず契約できない可能性があるからです。

契約する際には、どの程度の賃料であれば事業が成り立つのかをしっかりと考えてください。広さやデザインにこだわりすぎて賃料を無駄に高くしてしまうと、資金繰りがうまくいかず、事業が続けられなくなる可能性があります。

初期の数年間は、事業が軌道に乗ることを優先し、できるだけ賃料が安い物件を選ぶと良いでしょう。以下の記事では、フリーランスの事務所について詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

11.クレジットカードを契約しておく

独立前にクレジットカードの発行も考えておくと良いでしょう。フリーランスとしての活動が始まったばかりの初期段階では、審査に通らない可能性が高いからです。

すでに利用しているクレジットカードがある方も、事業用として新たにクレジットカードを作成することを推奨します。事業用のクレジットカードを持つことで、プライベートの資金と分けることが可能となり、確定申告の際に便利です。

クレジットカードの審査については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

フリーランスになってから必要な9つのこと

独立後に必要なこともあります。ここでは、独立後にやるべきことを9個紹介します。

フリーランスになってから必要なこと
①開業手続きをする

②保険の切り替えをする
③青色申告特別承認書を提出する
④独立したことを発信する
⑤フリーランスや経営者とのつながりを作る
⑥おおよそのタイムスケジュールを決めておく
⑦会計ソフトを準備する
⑧事業用の通帳を発行する
⑨体調管理をしっかりする
それぞれ見ていきましょう。

1.開業手続きをする

フリーランスとして独立する際には、開業届(個人事業の開業届出・廃業届出等手続)を管轄の税務署に提出する必要があります。この書類を提出することで、初めて公的に独立したことが認められます。

開業届の提出期限は、事業を開始した日から1ヶ月以内です。期限内に提出するように注意してください。開業届については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:フリーランスは開業届を提出するべき?出さないと後悔するのか?

2.保険の切り替えをする

会社員時代は社会保険が適用されていたはずですが、独立後は「国民健康保険」に切り替わります。そのため、住んでいる地域の役所にて、国民健康保険の加入手続きを行う必要があります。

最寄りの役所に、健康保険等資格喪失証明書と本人確認書類を持参し、手続きを行います。役所によっては必要な書類が異なる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。

手続きが完了すると、役所から健康保険証が発行されます。健康保険料の支払い方法は「口座振替」または「払込用紙による支払」のいずれかとなります。

以下の記事では、独立後の健康保険について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:【フリーランスになる前に知っておきたい】独立後の健康保険について

3.青色申告特別承認書を提出する

確定申告時に青色申告者として扱われるためには、「青色申告特別承認申請書」を税務署に提出する必要があります。青色申告とは、最高65万円までの青色申告特別控除が受けられ、節税面でメリットがある確定申告方法です。

さらに、青色申告者になると以下のようなメリットもあります。

赤字の繰り越し

青色申告対象者は、その年の赤字額を翌年から、最大3年間繰り越せます。事例を見てみましょう。

例)1年目が30万円の赤字、2年目が50万円の黒字だった場合

1年目の所得=0円

2年目の所得=50万円-30万円

上記のように、赤字額を最大3年間繰り越すことができるため、黒字だった年の所得を赤字分で減らすことが可能です。所得額が減れば、所得税や住民税が軽減され、節税につながります。

また、青色申告者には「少額減価償却資産の特例」が適用されます。これにより、購入価格が30万円以下の固定資産について、減価償却費として一括で計上することができます。

減価償却資産とは、建物や車両運搬具、機械装置などの固定資産のことを指します。固定資産は経年劣化により価値が毎年下がるため、通常は購入価格が10万円以下であれば一括計上、10万円を超える場合は2期以上に分けて償却します。

しかし、青色申告により「少額減価償却資産の特例」を利用すると、年間合計300万円までの購入代金が30万円以下の固定資産を一括計上できます。ただし、開業日から確定申告までの期間が1年未満の場合は、「事業年度の月数×25万円」が上限の計上額となるので注意が必要です。

青色申告については、以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:フリーランスの青色申告の仕方を完全解説!概要・メリットとは?

4.独立したことを発信する

独立したことを積極的に発信し、自身をアピールすることも重要です。フリーランスとして活動していることを周知することで、知人からの仕事の紹介があるかもしれません。

さらに、SNS上での発信も効果的です。依頼が直接届くこともありますし、自身で仕事の募集を見つけて応募することも可能です。SNSで発信する際には、プロフィールをできるだけ本名にし、仕事に関する情報を発信するなど、あなたがどのような人物で、どのような仕事をしているのかがわかりやすいようにしましょう。

また、自身の実績やスキルを可視化するために、ポートフォリオページを作成するのもおすすめです。

5.フリーランスや経営者とのつながりを作る

先に述べた通り、独立後もフリーランスや経営者とのつながりを深め、人脈を広げていくことが重要です。これは仕事の獲得につながるだけでなく、同じフリーランス仲間として相談を共有することも可能です。

セミナーやイベントへの参加はもちろん、フリーランスや経営者が集まるコワーキングスペースの利用もおすすめです。対面でのコミュニケーションが苦手な方は、SNSやビジネスマッチングサービスを活用し、オンライン上でのつながりを作るのも一つの方法です。

また、オンラインサロンへの参加も手軽に人脈を広げる手段として有効ですので、ぜひ検討してみてください。

6.おおよそのタイムスケジュールを決めておく

フリーランスは、自分自身で働く場所や時間、休日を設定できます。これにより、一定の自由度を享受できます。しかしながら、誰からも管理されない状況では、自己管理能力が不足していると、仕事を怠ける傾向に陥り、収入が減少する可能性もあります。

そのため、自分自身でタイムスケジュールを設定し、それを遵守することが重要です。特に納期が設定されている仕事を行う場合は、何らかのトラブルが発生したときでも対応できるように、納期までのスケジュールには余裕を持たせておくことが望ましいです。

以下の記事では、フリーランスとしてのスケジュール管理方法について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:【保存版】賢いフリーランスのスケジュール管理の秘訣とおすすめのアプリ5選

7.会計ソフトを運用する

自分で確定申告を行う場合、会計ソフトの利用を検討しましょう。会計ソフトは、仕訳の記録や決算書の作成など、確定申告に必要な作業を支援するソフトウェアです。

確定申告の期間になってから一気に作業を始めると、予想以上に大変で、期限内に終わらせることが難しいこともあります。一方で、日々の業務の中で会計ソフトを活用することで、自身の収入や支出について深く理解することができ、資金管理もスムーズに行えます。

以下の記事では、会計ソフトについて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:フリーランスにおすすめの会計ソフトを知りたい!活用すべき理由も解説!

8.事業用の通帳を発行する

事業用の口座を開設しておくことをおすすめします。報酬の受け取りや経費の支払いを事業用の口座から行うことで、プライベートの資金と事業用の資金が混ざることを避けられます。

さらに、確定申告の際にも、事業用の資金の流れが一目でわかるため、作業がスムーズに進められます。独立後になってから口座を開設すると、クライアントへの連絡や、利用中のサービスの登録情報の変更など、手間が増えてしまうこともあります。

そのため、独立するタイミングで事業用の口座を開設しておくことを強く推奨します。

9.体調管理をしっかりする

フリーランスとして働く場合、体調管理は非常に重要な要素となります。会社員の場合、有給休暇や傷病手当金などの制度がありますが、フリーランスにはそのような制度が存在しません。つまり、病気や怪我で仕事ができなくなると、その期間の収入は0円となってしまいます。

また、会社員とは異なり、フリーランスは健康診断を受ける義務がありません。そのため、自分自身で定期的に健康診断を受けるようにする必要があります。

仕事のスケジュール管理だけでなく、適度な運動、バランスの良い食事、十分な睡眠など、日々の生活習慣にも注意を払うことが重要です。健康を維持することで、長期的に安定した働き方を続けることができます。

まとめ

フリーランスになる前に必要な11のこと
①資金を貯めておく
②スキルを習得しておく
③働き方の違いを把握する
④知り合いをたくさん作っておく
⑤独立後に勝算があるか考える
⑥税金の知識を身に付ける
⑦名刺の準備をする
⑧請求書のフォーマットを準備する
⑨仕事の引継ぎをする
⑩事務所を契約しておく
⑪クレジットカードを契約しておくフリーランス独立後に必要なこと9個
①開業手続きをする
②保険の切り替えをする
③青色申告特別承認書を提出する
④独立したことを発信する
⑤フリーランスや経営者とのつながりを作る
⑥おおよそのタイムスケジュールを決めておく
⑦会計ソフトを準備する
⑧事業用の通帳を発行する
⑨体調管理をしっかりする

独立後に失敗をする確率を減らすためには、独立前後に必要になることを把握しておくことが重要です。必要なことを把握したら、準備しておけるところから準備していきましょう。

準備をしておくことで、独立したあとに本業に集中できる時間が増え、フリーランスとして良いスタートが切れるはずです。

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