・スキルシートの書き方は
・スキルシートで注意すべき点は
ITエンジニアやデザイナーなどの職務に応募する際、スキルシートの提出が求められることがあります。しかし、スキルシートとは何か、それが職務経歴書や履歴書とどのように異なるのか、この疑問を抱いている方も多いでしょう。
スキルシートの作成方法が、あなたが取り組む案件の獲得や失敗に直接影響を及ぼす可能性もあります。そのため、スキルシートは極めて重要な資料と言えるでしょう。
本記事では、スキルシートの作り方とその注意点について詳しく解説します。あなたの希望に見合った案件を獲得できるように、充実した内容のスキルシート作成に取り組んでみましょう。
スキルシートとは?職務経歴書や履歴書との違い
スキルシートは、自身の技術力を記録したドキュメントであり、職務経歴書や履歴書と同様に見なされます。これは主に、ITエンジニアやデザイナーなどの専門家が仕事のプロジェクトに応募する際に提出されるものです。
職務経歴書や履歴書との主な違いは、スキルシートが技術者の特定の技術スキルを強調するための専用資料であるという点です。したがって、ただ過去の職歴を列挙するだけではなく、特定のスキルやツールを用いてどの範囲のタスクを実施したかを詳細に記述することが推奨されます。
決まったフォーマットが存在するわけではありませんが、クライアントから特定の形式の提出を求められることもあります。そのため、状況に応じてスキルシートの作成方法を調整する必要があります。
スキルシートの書き方~準備~
準備をせずにスキルシートを書き始めると、途中で息詰まる場合があります。それを防ぐには、書き始める前に2つのことを行うのが大事です。
①どのような仕事をしてきたのか全て書き出そう
②一番最近のものから並べて整理をしていこう
①どのような仕事をしてきたのか全て書き出そう
まずは今までやってきた仕事を全て書き出すようにしましょう。参画していた企業名や案件名だけではなく、以下のような情報も合わせて書き出すようにしてください。
・担当していた業務内容
・使用したツールや身についた技能スキル
・取得した資格
・IT系以外のスキル(コミュニケーションスキルやマネジメントスキルなど)
頭の中だけで考えると、抜け漏れが起こりやすくなります。また一度書き出しておくと、今後スキルシートを何度か書くときに利用できるため、手間が減ります。
ここでは「これはスキルシートには載せなくてもいいや」と思わずに、とにかく全部書き出すことに集中しましょう。
②一番最近のものから並べて整理をしていこう
すべてを記述したら、最近の経験から順に整理しましょう。採用担当者は多くの場合、応募者の最近半年から1年間の業務経験を基に採用の判断を行います。
さらに、最近参加したプロジェクトが複数ある場合は、応募中の案件と最も関連性の深い経験を最上部に配置しましょう。重要なスキルや経験はできるだけ目立つ位置に配置し、採用担当者に自身をアピールすることが重要です。
スキルシートの書き方~7つのポイント~
ここからは、スキルシートの具体的な書き方のポイントを7つ紹介します。
①A4で2枚〜3枚におさめる
②自分のプロフィールも書く
③経験やスキルが一目でわかる要約した内容も載せておく
④自己PRも載せておく
⑤業務内容は具体的にかつ簡潔に書く
⑥定量的な表現を使う
⑦書き方は統一しておく
①A4で2枚〜3枚程度におさめる
スキルシートは、A4サイズで2~3ページに収めるのが理想的です。それでも、多くともA4サイズで4ページまでに抑えておくと良いでしょう。
あまりにも長すぎると、採用担当者がすべてを確認するのに時間と労力がかかります。枚数が限られていても、自身の情報が読者にしっかり伝わるように、情報の表現方法に工夫を凝らす必要があります。
②自分のプロフィールも書く
スキルシートには、自分のプロフィールも書くようにしましょう。スキルシートは、職務経歴書や履歴書と一緒に出す場合もありますが、単体で出すことが多いためです。
自分のプロフィールとしては以下のような情報を記載しておくといいでしょう。
・生年月日
・住所
・最寄駅
・メールアドレス
・電話番号
・最終学歴
・保有資格
・etc…..
特に常駐案件の場合には、住所や最寄駅は必要な情報になるため、書き忘れることのないようにしてください。
③経験やスキルが一目でわかる要約した内容も載せておく
スキルシートには詳細な情報が必要ですが、同時にあなたの経験とスキルが一目で理解できる要約部分も含めると、採用担当者からの評価が高まります。採用担当者は多数の応募者のスキルシートを読み込む必要があるため、時間は限られています。
したがって、詳細な内容を深読みしなければ応募者のスキルを把握できないスキルシートでは、採用担当者に無駄な時間を要することになります。「活用可能な経験やスキル」のようなセクションを設けて、自身の経験やスキルが求職案件のどの部分に対応するのかを簡潔に書くことを推奨します。
④自己PRも載せておく
スキルシートには、自己PRも載せておくようにしましょう。自己PRはスキルシートの中でもある程度自由に書ける部分です。
経験や実績だけではわかりづらい自分のアピール点があれば書くようにしてください。具体的には以下のような情報を載せておくようにします。
・得意技術
・得意業務
・今後の目標
・キャリアプラン
・etc……
ネガティブな印象を与えるようなことは避け、案件に対してポジティブな印象を与えるようなことを記載するようにしましょう。
⑤業務内容は具体的にかつ簡潔に書く
案件ごとの業務内容は具体的にかつ簡潔に書くように心がけましょう。ざっくりとした内容では採用担当者にどんな経験やスキルがあるのかがうまく伝わりませんし、冗長すぎる内容だとかえって読みづらく採用担当者に読んでもらえない可能性が高くなります。
業務内容は箇条書きなどで書き、以下のような内容を記載しておくといいでしょう。
・期間
・案件概要
・開発環境、言語
・使用ツール
・役割
・担当工程
・開発規模
・コメント(成果、意識したポイント、身についたスキル)
・etc……
⑥定量的な表現を使う
スキルシートに記載する経験や成果は、可能な限り定量的な表現を使用することをおすすめします。例えば、「何件のクライアントと関わった」「何名のチームを統括した」など、具体的な数値を用いて説明することで、情報がより明確になります。
すべてのプロジェクトで数値で表すことが可能とは限らないかもしれませんが、可能な場合は数値を使用して情報を提示することを意識してください。
⑦書き方は統一しておく
スキルシートに複数のプロジェクト経験を記述する際は、書き方を一貫させることが重要です。一つのプロジェクトについては文章形式で、もう一つについては箇条書きで書くといったように表現形式がバラバラだと、読みにくくなり、採用担当者に余計な負担を与えてしまいます。
また、語尾の統一も重要です。「です・ます調」で書くのか、「である調」で書くのか、一つのスキルシート内で混在させないようにしましょう。
スキルシートの書き方で注意すべき2つのこと
スキルシートの書き方で注意すべき2つのことをお伝えします。
①企業名は伏せた方がいい場合もある
②ある企業だけで使われている用語は避ける
③できれば第3者に一度確認してもらう
それぞれ見ていきましょう。
①企業名は伏せた方がいい場合もある
情報保護の観点から、企業名を公開しない方が良い場合もあります。これは、プロジェクトによりますが、守秘義務が課せられている場合もあるからです。
特に、まだリリースされていないサービスなどのプロジェクトに関与した場合は、注意が必要です。秘密保持が必要と考えられる案件については、「大手通信会社」や「中堅メーカー」などのように表現し、スキルシートに記載するようにしましょう。
②ある企業だけで使われている用語は避ける
特定の企業だけで使用されている専門用語は、他の一般的な言葉に置き換えてスキルシートに記載しましょう。特定企業限定の用語をそのままスキルシートに記述すると、採用担当者がその内容を理解できず、適切な評価ができなくなる可能性があります。
業界全体で広く使われ、専門家が見れば理解できる専門用語は問題ありません。また、略語は可能な限り避け、正式な名称を使用して誰でも理解できるように記述しましょう。
③できれば第3者に一度確認してもらう
スキルシートを作成したら、可能であれば第三者にチェックしてもらうことを推奨します。自分だけの視点で書いていると、誤りや理解しにくい点に気づかないことがあります。
第三者に見てもらうことで、伝えにくい部分を指摘してもらえ、より高品質なスキルシートを作成できます。可能であれば、同業者に見てもらうことで、より具体的かつ適切なフィードバックを得ることができるでしょう。
まとめ
①A4で2枚〜3枚におさめる
②自分のプロフィールも書く
③経験やスキルが一目でわかる要約した内容も載せておく
④自己PRも載せておく
⑤業務内容は具体的にかつ簡潔に書く
⑥定量的な表現を使う
⑦書き方は統一しておく
スキルシートには固定のフォーマットは存在せず、獲得を目指す案件によりそれが変わることを覚えておいてください。一度作成しただけで終わりにせず、各案件に対して最適な内容に修正するという意識が大切です。
スキルシートを丁寧に作成し、目指す案件を獲得できるように努力しましょう。
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