フリーランスから正社員になるには|年代別の転職・再就職の方法やポイントを紹介

近年、労働環境の変化に伴い会社に所属することなくフリーランスで自由に働きたいと考えている方も増えてきています。
IT関連の仕事においては人材不足の影響もあり、フリーランスに対する需要は高まってきているため、フリーランスを目指すのであればチャンスは大きいでしょう。

しかし、フリーランスとして働き続けることは、簡単ではありません。フリーランスとして働き始めたいけど正社員に戻る可能性を捨てたくない方もいるでしょう。一度、フリーランスとして働き始めた後に、正社員になれるのか不安に感じる方もいるかもしれません。

そこで、今回は「フリーランスから正社員への転職・再就職はできるのか」から「フリーランスから正社員に転職・再就職するメリット」「【年代別】フリーランスから正社員への転職・再就職のポイント」などフリーランスの方が正社員になる方法について解説していきます。

フリーランスで働いているけれど正社員になりたい、正社員になる可能性を残しておきたいと感じている方はこの記事を最後まで読んで、ぜひ参考にしてください。

  • フリーランスから正社員への転職・再就職が難しいといわれる理由
  • フリーランスから正社員に転職・再就職するメリット
  • 【年代別】フリーランスから正社員への転職・再就職のポイント
  • フリーランスから正社員に転職・再就職する方法
  • フリーランスから正社員に再就職する時にアピールすべきこと
  • フリーランスから正社員への転職・再就職の面接対策
  • フリーランスから正社員へ転職・再就職する際に必要な手続き

これからフリーランスエンジニアとして独立をしたいと考えている人は「【決定版】フリーランスになるには?必要な手続きや準備」や「【6ステップ】フリーランスエンジニアになるには?」をぜひ読んでみてください。

フリーランスエンジニアになる前に準備しておくことや必要なスキルから、独立した後の成功の秘訣や案件獲得方法についてまで、独立前に知っておくべきことの全てをまとめてあるので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

フリーランスから正社員への転職・再就職はできる?

ずばり、フリーランスから正社員への転職・再就職は可能です。ただし簡単ではなく、いくつかのポイントに注意する必要があるでしょう。

まず、正社員として働くには企業によって必須要件が設定されている場合があります。例えば、学歴要件として大卒以上が設定されている場合、フリーランスとしての経験が豊富であっても大卒以上でなければ転職は難しいでしょう。また、経験やスキルに関しても要件を満たしていなければ難易度は上がるといえます。正社員として転職するには、自身の経歴が要件を満たしていることが前提となります。

また、フリーランスとして働いていた場合、就職活動に慣れていない場合が考えられます。いくらスキルがあっても面接でアピールできなければ内定を獲得できないため、就職活動の準備を怠らないようにしましょう。また、就職活動の方法やマナー、エントリーシートの書き方などもきちんと調べて準備をすることが大切です。

フリーランスから正社員への転職・再就職が難しいといわれる理由

フリーランスから正社員への転職・再就職は難しいといわれることがあります。ここでは、なぜ正社員への転職・再就職が難しいといわれるのかについて説明します。

給与が下がる可能性が高いから

1つ目の理由は、フリーランスから正社員へ転職・再就職する際、給与が下がる可能性が高いからです。企業からすると、正社員としての給与に納得してくれないのではないかと敬遠する傾向にあるでしょう。

給与が下がる理由としては、業種によっては、業績やスキル、経歴などの評価が難しく、高い評価がつかないこと、たとえフリーランス時代と同等の評価をもらったとしても社会保険等の負担を鑑みて給与としては下がってしまうことがあげられます。

可処分所得で比較すると下がっていない場合もありますが、額面が下がることに抵抗があるフリーランスの方も少なくないでしょう。

組織に馴染めないと思われがちだから

2つ目の理由は、組織に馴染めないと思われてしまう可能性が高いからです。企業からすれば、採用する正社員には長期的に働いてほしいと思うのが一般的なため、安定した人材を採用したいと思うでしょう。

フリーランスは個人で業務を行うケースが多いため、組織の中で長期的に安定して働いてくれるイメージがつきにくいものです。そのため、正社員からの転職と比べて不利になってしまうことも少なくないでしょう。

フリーランスから正社員に転職・再就職するメリット

ここまで説明したように、フリーランスから正社員に転職・再就職することは簡単ではありません。しかし、正社員に転職・再就職することにはいくつかのメリットが存在します。

自分が正社員に転職・再就職するべきか、参考にしてみてください。

チームで働くことができる

正社員で働くことの大きなメリットはチームで働くことができることです。フリーランスの場合は、他の方と働くとなっても取引先と個人の関係ですが、正社員の場合は、同じ企業の同じ立場として関われるため、より深い関係性を築くことができるでしょう。

人と働くことにやりがいを感じる方にとっては、チームで協力しながら仕事をすることでモチベーションを高く保てることが期待できます。また、将来的に管理職を目指したい方や、マネジメントを経験したい方は、正社員になってチームに関われることで理想に近づくことができるでしょう。

サービスに積極的に関わることができる

正社員となることで、フリーランスよりもサービスに積極的に関わることができるようになります。特に、フリーランスとして歴が浅いうちはサービスの一部分だけを受注する場合が多くサービス全体に関わることは困難である場合が多いですが、正社員の場合は、自社のサービスに深く関わることができるでしょう。

関わるサービスに愛を持って働きたい方は、正社員になることでモチベーションを保てるようになります。また、大きな成果をあげたい方も、サービスに積極的に関われるようになることでより動きやすくなるでしょう。

スキルを向上させやすくなる

スキルアップを目的として、正社員を目指す方も少なくありません。フリーランスの場合、案件の獲得や事務手続き等、業務以外に時間を取られてしまい、スキルアップに十分な時間を費やすことができないケースも多くみられます。

正社員として、休日や就業後にスキルアップの時間を確保したり、研修や業務中に新たなスキルを学んだりすることで、フリーランスの時よりもスキルを向上させることができるでしょう。会社員のうちに経験を積むことで、将来的に起業やフリーランスとして独立する際にも案件の幅を広げることができます。

収入が安定する

やはり、正社員の大きなメリットは収入が安定することでしょう。フリーランスは案件の受注状況によって収入が大きく変動するため、安定した収入を得ることが難しいこともあります。1人の生活であればなんとかやっていけるかもしれませんが、家族がいるとなると安定した収入が入ってくることはかなり重要です。毎月安定した収入をもらえる正社員になることで、ライフステージの変化にも強くなることができます。

また、社会保険や厚生年金といった制度を享受できるのも大きなメリットになるでしょう。

【年代別】フリーランスから正社員への転職・再就職のポイント

ここからは、フリーランスから正社員への転職・再就職のポイントを説明します。年代ごとにポイントは異なるため、20代、30代、40代に分けて解説しますので、自身に当てはまるポイントをチェックしてみてください。

20代の場合

20代でフリーランスから正社員への転職・再就職を目指す場合、柔軟性もあり成長も期待できるため、企業からはポテンシャルで採用される可能性も高いでしょう。もし、フリーランスを続けるか、正社員へ転職・再就職するか悩んでいるのであれば、フリーランスをもう少し続けてからでも正社員への転職・再就職は可能です。

もし、正社員への転職・再就職をする場合は、スキルアップできる会社を選ぶと将来につながるでしょう。具体的に研修や教育制度が充実しているかをチェックできると良いですね。

また、20代のうちは周囲の雰囲気に左右される可能性が高いため、企業の文化や雰囲気が自身にマッチするかもチェックしましょう。フリーランスと違いチームで働くことになるため、環境がマッチするかはとても重要です。

30代の場合

30代でフリーランスから正社員への転職・再就職を目指す場合、できるだけ早めに就職活動を開始することをおすすめします。30代になると、ライフステージの変化を迎えるフリーランスの方も多く、正社員への転職・再就職を目指す方が増えてきます。ライバルが多くなる前に就職活動を行うことでスタートダッシュをきることができるでしょう。

もし家族がいる場合は、就職活動時に育児や家庭との両立ができる企業を選べると安心ですね。具体的に、育児休暇や自担勤務などを選べる企業へ就職できれば、正社員としてのメリットを享受できるでしょう。

また30代になると、企業からは個人のスキルだけでなくマネジメント能力も求められるようになってきます。フリーランスの場合、スキルは評価されてもマネジメント経験はないと判断されてしまうケースもあるため、もしこれまでにマネジメント経験がある場合は積極的にアピールしましょう。

40代の場合

40代でフリーランスから正社員への転職・再就職を目指す場合、人脈を活かした就職活動を視野に入れるとよいでしょう。過去の取引先や知人がいる企業にアプローチすることで、就職活動を有利に進めることができます。

また、フリーランスで経営者としての経験を積んでいる場合、その経験が高く評価される可能性があります。中小企業などで経営に関するポジションがある場合はフリーランスでの経営者としての経験を積極的にアピールしましょう。

40代は一般的に管理職に就いている人が多い年齢です。フリーランスから正社員へ転職・再就職する場合、スキルをアピールするよりも業務全体に幅広く関わってきた経験をアピールする方が効果的です。視野の広さをアピールしたり、他のメンバーをマネジメントした経験をアピールするとよいでしょう。

フリーランスから正社員に転職・再就職する方法

ここまでは、フリーランスから正社員に転職・再就職するポイントをお伝えしてきましたが、実際に就職活動を始める際はどのようにすれば良いのでしょうか。ここでは具体的に転職・再就職する際の方法について説明します。

現在のクライアントに相談する

とても効果的な方法が、フリーランスとして取引しているクライアントに相談する方法です。現在、取引をしているということは、クライアント側にとって必要とされている確固たる証拠なので、正社員への転職・再就職を目指している旨を伝えることで、話が進む可能性も高いといえます。評価が高ければ、逆に、クライアントから正社員にならないかと提案をされることもあるかもしれませんね。

もし、契約更新のタイミングが近づいているのであれば、更新の際に、正社員になる意思を伝えてみるとよいでしょう。

クライアント側からしても、すでに業務をしているフリーランスを正社員として採用できることはメリットだらけです。スキルや人柄の理解があったり、すでにチームメンバーと人間関係が構築されていたり、導入コストを削減できたりと、他の候補者よりも有利に就職活動を進めることができるはずですので、遠慮せずに正社員になる意思を伝えてみましょう。

転職エージェントに登録する

もし、現在のクライアントではなく、1から就職先を探したい場合は、転職エージェントに登録することをおすすめします。転職エージェントは転職のプロであり、また多くの案件を抱えているため、効率よく就職活動を行うことができるでしょう。

また、職務経歴書を書いたことがない方や、面接に不安を抱えている方は、キャリアアドバイザーのサポートが受けられることも大きなメリットとしてあげられます。

転職エージェントは基本的に無料で利用できますので、正社員への転職・再就職を検討している方は一度登録してみるとよいかもしれませんね。

フリーランスから正社員に再就職する時にアピールすべきこと

ここからは、フリーランスから正社員に再就職する際にアピールすべきポイントを説明します。前述したように、フリーランスから正社員に再就職する際、採用する企業側には懸念するポイントがいくつかあります。今から説明する内容を企業にアピールできるすることができれば、懸念ポイントを払拭することができ、有利に就職活動を進めることができるでしょう。

長期的に会社員で働く意思

フリーランスから正社員に再就職する際に1番アピールすべきことは、長期的に会社員で働く意思です。企業側が懸念することは、すぐに退職してフリーランスに戻ってしまうのではないかということです。

採用には多くのコストがかかりますし、退職した場合代わりの採用を進めなければならないため、企業がらすると少しでも長く働いてくれそうな人を採用したいと思うものです。会社員として長く働く覚悟をアピールできれば、企業側の懸念を払拭することができるでしょう。

年収が下がる可能性があることへの覚悟・準備

年収が下がる可能性があることへの覚悟や準備もアピールできると効果的です。特に、現在の取引先で正社員になることを目指す場合、年収が下がってしまう可能性も十分に考えられます。

企業側からするとフリーランスの方は希望年収が合わないのではないかという懸念が生まれる可能性もあるため、あらかじめ年収が下がる可能性があることへの覚悟を伝えられると内定を獲得しやすくなるでしょう。また、実際に年収が下がっても生活していけるよう準備を進めておくことが大切です。

即戦力であることをアピールする

フリーランスの大きなメリットはすでに十分なスキルを持っていることです。フリーランス時代の活躍を可視化し、即戦力として会社に貢献できることをアピールできるとよいでしょう。必要とされるスキルを見極め、すでにそのスキルを持ち合わせていることを担当者に伝えられるとよいですね。

フリーランスとして1人で案件を受注していたことは、スキルを十分に持ち合わせている証拠になります。自信を持ってアピールしましょう。

協調性や柔軟性など正社員に必要なスキル

人柄の面でアピールすべきことは、協調性や柔軟性など正社員として必要なスキルです。フリーランスは組織に馴染みづらいのではないかというイメージを持っている方も少なくないため、協調性や柔軟性があることをアピールできるエピソードを事前に用意しておきましょう。

チームで仕事を行った経験があれば、合わせて具体的に説明できるとよいですね。正社員として組織に馴染んでいるイメージを持ってもらえるようにしましょう。

フリーランスから正社員への転職・再就職の面接対策

ここからは、実際に正社員への就職活動を行う際の面接対策について説明します。面接で聞かれる内容を想定して回答を用意しておくことで、内定を獲得できる可能性を高めることができるため、事前準備をしっかりと行いましょう。

フリーランスから正社員を目指す理由を明確にしておく

フリーランスから正社員への就職活動で、必ずといっていいほど聞かれるのが、フリーランスから正社員を目指す理由です。

ここで、「案件が獲得できなかった」「収入が下がってしまった」などとフリーランスとして上手くいかなかったように捉えられる回答をしてしまうと、評価が下がる恐れがあります。正社員に再就職したい理由はポジティブに伝えられるようにしましょう。

具体的に、「サービスにもっと深く関わりたい」「安定した環境で業務に集中してスキルを伸ばしたい」などと回答できるとよいですね。

合わせて、フリーランスには戻らない意思があることを伝えられると企業側は安心できるでしょう。

これまでの成果を整理しておく

また、面接前にこれまでの成果を整理しておくことをおすすめします。

正社員から正社員への転職の場合は、前職の企業名や部署名、その役割から成果のイメージがつきますが、フリーランスの場合は成果が分かりにくいケースもあるでしょう。フリーランスの際の取引先や売上金額等を伝えることで、信憑性が増してよい評価をもらえる可能性があります。

もしポートフォリオや自身のwebサイトなどがある場合は、合わせて提示することで成果をアピールすることができるでしょう。

自分の強みやスキルを明確にしておく

フリーランスから正社員を目指して就職活動を始める場合は、事前に改めて自己分析を行い強みやスキルを明確にしておきましょう。

フリーランスと正社員では働き方や求められるスキルも異なってきます。フリーランスとしての強みではなく正社員としての強みがどこにあるのか、自分の言葉で語れるようになってから就職活動を始められると安心です。

また、強みをどう活かせそうかを企業ごとに整理しておくと、採用される可能性がより高くなるでしょう。

フリーランスから正社員へ転職・再就職する際に必要な手続き

いざ、フリーランスから正社員への転職・再就職が決まったら必要な手続きを行わなければなりません。ここでは具体的な手続き内容について説明しますのでぜひ参考にしてください。

まず、開業届を出していた場合は「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」を提出します。確定申告の青色申告を行っている場合は、合わせて青色申告を取りやめる書類を提出、消費税の課税事業者だった場合は、事業廃止届出書の提出も必要になります。

提出を忘れてしまうと無申告加算税が発生する可能性もあるため確実に手続きを行いましょう。

正社員としての社会保険加入の手続きは、入社する企業側で対応してもらえるケースがほとんどですが、国民健康保険の脱退手続きは自分で行う必要があります。忘れてしまうと、二重で支払うことになってしまいますので、こちらも合わせて忘れずに手続きを行いましょう。

まとめ

このページでは、「フリーランスから正社員への転職・再就職はできるのか」から「フリーランスから正社員に転職・再就職するメリット」「【年代別】フリーランスから正社員への転職・再就職のポイント」などフリーランスの方が正社員になる方法について解説しました。

近年のフリーランスに対する需要の高まりから、フリーランスの方も正社員に就職・再就職できる可能性は高くなってきているため、もし正社員に戻れなくなるリスクを懸念してフリーランスにチャレンジできていない方がいるのであれば、一度フリーランスに挑戦してみるのもお勧めです。

このページの情報を参考に、自身にあった働き方を選択できるようにしましょう!

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