2019年12月12日に、政府で税制改正大綱が発表されました。
請求書関連のルール緩和など、どんな改正があったか解説します。
フリーランスは、領収書を保管する義務があるため、知っておいた方が良いです。
請求書・領収書の保管ルールが変わる?改正内容を解説!
今まではどんな支払内容でも、経費を計上する時は必ず領収書の保管が必要でした。
しかし今回の改正では、コンピュータ上に支払額や支払日などの必要事項が載っていれば、それが領収書でなくても、領収書と同等に扱えるというルールが盛り込まれています。
つまり、支払った時に表示される「お買い上げデータ」などを領収書代わりに保管すれば、領収書がなくても経費として認められるということです。
なお、このルールは2020年4月からの運用を予定しています。
ただし、このルールを活用するには、最低でも2つの条件をクリアしなければなりません。
キャッシュレス決済で支払った経費のみ対象
クレカや電子マネーなど、キャッシュレス決済で支払った場合のみ対象です。
つまり現金払いの支払については従来通り、請求書ベースでの保管となります。
キャッシュレス決済を利用しない人は、恩恵を受けられません。
クラウドサービスを使って保管する
クラウドサービス上に、データを保管するのも条件です。
これは、外部によるデータの改ざんを防ぐ目的があるそうです。
企業の中には今回のニュースを受けて、サービスの開発に着手している企業もあります。
たとえば、経費精算クラウドサービスを提供している「コンカー」では、Suicaのデータをクラウド上に反映させるための実験を行っています。
クラウドサービスを展開している会社は複数あるため、いろいろな業者で開発競争が進みそうです。
なお請求書を画像データとして保存する方法とは違うため、ご注意ください。
領収書をデータで保管した時に考えられるメリットとデメリット
ここでは、領収書をデータで保管した時のメリットとデメリットを見てみましょう。
メリット
メリットは、領収書の保管コストが減ることです。
具体的には、これらの効果が期待できます。
- 領収書をプリントする時の紙代・インク代の削減
- 紙の領収書を保管するスペースが減るため、場所の有効活用ができる
- 紙の領収書を探す時の手間が減る
つまり、消耗品費や労務コストの削減に効果的なのです。
領収書を管理する手間も減るため、今よりも本業に割く時間を増やせる可能性もあります。
そのため、本業と事務作業を1人で行っているフリーランスにとっては、助かるでしょう。
デメリット
デメリットはほとんどありません。
ただ強いて言えば、クラウドサービスがなくなった瞬間、保管していたデータがなくなることです。
しかし現在は、画定申告や給与支払いなど、あらゆるクラウドサービスが誕生しているため、そこまで怖がる必要はなさそうです。
まとめ
今回のルールが改正されれば、事務作業を減らせるため、フリーランスにとっては好都合です。
ただし前述で述べた通り、現金払いには適用されません。
恩恵を受けたい人は、キャッシュレスの支払いを増やすことを、おすすめします。
※今回紹介したルールは今後変わることがあるため、ご注意ください。