フリーランスの領収書の宛名は「上様」や空欄じゃダメ?ルールについて税理士が解説
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「フリーランスの領収書に関するポイントや注意点」について、テックビズ税務サポートの佐藤淳一 税理士は以下のようなコメントをしています。
Q. 領収書の宛名ですが、近年では「空欄や上様はNG」と強くいわれる印象があります。その理由は何なのかあらためて教えていただけますでしょうか?
佐藤税理士:「税法上違法とされている」わけではなく、税務調査で否認されるリスクを避けるための実務上の注意点になります。
宛名が空欄や「上様」だと、誰が支払ったかを客観的に示せません。その結果、
①その経費が本当に本人が支出したのか証明しづらくなる
②更に但し書きも内容が薄ければ私的な支出を紛れ込ませているのではと疑われる
③インボイス制度上、宛名に正式な会社名や氏名の記載がないと仕入税額控除が認められなくなる
といったリスクが生じます。
つまり「上様がNG」なのは法律違反だからではなく、支払者を特定できないことで経費の実在性・事業関連性の立証力が弱まり、結果として税務調査にて否認されやすくなるためです。
なお、不正利用防止やインボイス制度の対応の観点から、現在は宛名が空欄や上様だと経費精算を認めないといった事業会社が主流になりつつあります。
Q. そもそも申告にあたっては、レシートではなく「領収書」の準備を求められる印象があります。こちらに関しても、領収書が重要とされる理由が何かあるのでしょうか?
佐藤税理士:実は税法(所得税法・法人税法・消費税法)上は、レシートと領収書に優劣はありません。
どちらも「金銭の受取りを証明する書類(証憑)」として同格に扱われ、インボイス制度下でも、必要事項さえ記載されていればレシートは「適格簡易請求書」として仕入税額控除の対象になります。
それでも「領収書」が重視されてきたのは、慣習的な理由が大きいです。宛名や但し書きを手書きで残せるフォーマットが定着していたため、現金取引が主流だった時代に「誰が・何のために支払ったか」を示す手段として使われてきた背景があります。
むしろ実務上は、レシートのほうが購入明細が自動的に印字される分、経費の内容(何を買ったか)を具体的に証明できるケースも多く、「お品代として」としか書かれない領収書より証拠力が高いことも珍しくありません。提出先や場面に応じて使い分ける、という理解が正確かと考えます。
Q. フリーランスの領収書の取り扱いや保管に関して、佐藤税理士から見てとくに大切な点がありましたら教えていただけますと幸いです。
佐藤税理士:実際にはレシートで十分なケースが多いという点です。
宛名の有無にこだわりすぎるより、いつ・誰と・何のために使った費用かを領収書やレシートの余白、あるいは経費精算メモに書き添えておくことのほうが、税務調査での説明力・説得力は上がります。
また保存期間と保存方法については、青色申告者は原則7年間の保存義務があります。
紙の領収書もスキャンして電子化して会計ソフトと紐づけることで電子帳簿保存法の適用が可能になります。これにより勘定科目・月・年度ごとの整理がしやすく、調査対応も格段に楽になります。
※テックビズ税務サポート・佐藤淳一税理士が前回監修した記事はこちらから←
そもそも領収書とは?フリーランスが知るべきキホンやルール
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領収書とは、商品やサービスの代金を支払ったことを証明する書類を指します。
これは、会社や個人事業主が商品やサービスを提供した際、その対価として代金を受け取ったことを証明するもので、支払った側にとっては領収書の存在により代金が支払い済みであることを証明でき、二重払いや過払いを防ぐことができます。
また、お買い上げ明細書や受領書なども、支払い金額が載っていれば、領収書としてカウントされます。ただし、領収書には取引年月日や発行者名、受領者名、受取金額、但し書きなどの必要項目が記載されていることが求められます。
これらのことを踏まえ、領収書の発行や受領には適切な手続きと管理が必要であることを理解しましょう。
領収書とレシートの違い
領収書とレシートの違いは、その記載内容にあります。
領収書には、発行日(支払日)や支払金額、但し書き、領収書の発行元が記載されています。これは、商品やサービスの代金を支払ったことを証明する書類として機能します。
一方で、レシートは領収書の内容に加えて、各品目名や品目ごとの支払金額も記載されています。但し書きは記入されていない場合が多いです。これは、購入した商品やサービスの詳細な内容を示す書類として機能します。
なお申告等で使用する場合は、前段の佐藤税理士のコメントにもあったとおり、書き添えを忘れないようにしましょう。
フリーランスに領収書が必要なワケ
① 費用(経費)を計上するための資料になる
フリーランスとして働く方は、確定申告により1年間の収支やそれに伴う所得税額を申告しなければなりません。その際、経費として計上する費用の根拠となる領収書は重要な資料となります。
フリーランスの事業所得の計算上、必要経費に計上できるのは、その年の収入に対応する売上原価、販売費、一般管理費のような収入を得るために直接支出した費用です。
例えば、業務上必要なパソコンやプリンターの購入費、自宅開業の人の自宅の家賃や電気代等の水道光熱費、インターネット接続料、電話代などのうち、事業で必要となる分がフリーランスの経費として認められます。
これらの経費を証明するためには、領収書が必要となります。領収書には支払った日付や金額、支払先が記載されているため、経費を証明する資料として有効です。したがって、フリーランスとして働く人は、経費として計上したい費用の領収書をもらって保管しておく必要があります。
② 領収書なしで経費計上するとペナルティを受ける可能性もあるので注意
税務調査の際に領収書を保管せずに経費を計上したことが税務署に発覚した場合、経費を否認されるだけではなく、お店や会社など、他人が発行したように見せかけて領収書を作成する等で仮装隠蔽にあたれば加算税も請求される可能性があります。
領収書は、実際にお金を使ったことを証明するための重要な書類であり、税金の計算上、経費にするためには領収書の保存が要件となっています。
そのため、領収書がない場合には、税務署による経費の否認や加算税の請求がなされ、結果として事業が傾くといったリスクも存在します。
しかし、領収書がなくても経費精算自体は可能であり、領収書の代わりとなる資料があれば問題ありません。例えば、クレジットカードの利用明細、電子マネーの支払い履歴、公共交通機関のICカードの利用履歴、ETC利用料金の明細、ATMの振込明細などが領収書の代わりとなる証憑(しょうひょう)として有効です。また、領収書がもらえなかったときや紛失してしまったときは、出金伝票を作成することで証憑書類とみなすことができます。
したがって、領収書を保管していない場合でも、他の証憑書類があれば経費として認められる可能性があります。ただし、それらの証憑書類も適切に保管し、税務調査の際に提示できるようにすることが重要です。
フリーランスの領収書の保管について
フリーランスは、計上する領収書はすべて7年間保存する義務が発生します。
※参考:国税庁
保存する時は、下記3つの内容を意識しましょう。
勘定科目ごとに分ける
月ごとに分ける
年度ごとに分ける
これらを意識して領収書を保管すれば、領収書のチェックもラクです。領収書を保管していても税務署から事業と関係ない出費だと、疑われるケースもあります。
そうならないように、領収書が事業と関係する出費であることを、裏付けておくことが大事です。
フリーランスの領収書に宛名は必須。書かなければならない名前
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領収書に宛名を書く理由は、自分が支払ったことを証明するためです。
宛名欄に名前を記入すれば、他人が支払ったものではないことの証明につながります。領収書は、金銭のやりとりを伴う取引の実在性を証明するものであり、後日でも検証できるように、宛名にはお金を支払った人や会社の正式名称を正確に記載しておかなければなりません。
宛名がなければ、その領収書は誰が金銭を支払ったのか証明できず、法律上の効果を失ってしまいます。
そのため、領収書をもらうとき、宛名を聞かれて悩んでしまうケースは珍しくありません。ただ、空欄の状態で受け取るリスクは高いと言えます。例えば、消費税の仕入税額控除が受けられない、税務調査の否認によって経費計上できないなどの問題が生じる可能性があります。
したがって、領収書を受け取る際には、宛名を正確に記入してもらうことが重要です。また、取引先などに領収書を発行してもらう場合、宛名を伝えるのが難しいときは名刺などを差し出して「こちらの名称でお願いします」と伝えるとスムーズです。
フリーランスの領収書の宛名。法人の場合は「屋号」、個人の場合は「自分の名前」
領収書を受け取る際の宛名の書き方は、受け取る側が法人であるか個人であるかによって異なります。
法人として領収書をもらう場合は、屋号(会社名)を書いてもらうことが一般的です。士業の方などは、〇〇事務所や〇〇相談所のように記入することもあります。
一方、個人として領収書をもらう場合は、自身の名前を書いてもらうことが一般的です。しかし、本名ではなく、ペンネームで仕事をしている場合は屋号としてペンネームを使用しても問題ありません。また、女性であれば、結婚して苗字が変わっている場合は、旧姓を書く場合も多いです。
これらのことを考慮に入れて、領収書を受け取る際には適切な宛名を記入してもらうようにしましょう。
フリーランスの領収書の宛名を空欄にした場合のリスクとは?
税務調査時に、宛名が空欄の領収書を発見されると、このような疑いを持たれる恐れがあります。
他人の領収書を使用している
領収書の偽造を考えている
プライベートで発生した領収書を経費に計上しようとしている
誰が見てもあなたの領収書であると分かるようにすることが大事です。
フリーランスの領収書で“住所なし”はNG?書き方をおさらい
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ここでは領収書を発行する側として、記載する内容を解説していきます。領収書を受け取る側になった際も、同様の箇所をチェックするようにしてください。
フリーランスの領収書の書き方①:住所なしはNG。領収書の発行者の住所と氏名を記入
領収書を発行する時は、発行者側の住所と氏名を記入しましょう。住所は、事務所の所在地を載せます。
詳しい領収書の書き方の参考として、
「領収書の書き方とは?無料テンプレート10選・インボイス対応の領収書の書き方も解説」
もご覧ください。
フリーランスの領収書の書き方②:宛名は法人なら会社名、個人事業主なら名前を明記
領収書を渡す相手が、法人関係者であれば会社名(例.〇〇商社)。個人事業主であれば、受け取る側の名前を記入しましょう。
フリーランスの領収書の書き方③:必ず発行日を記載
領収書を発行する際には、日付の記載は必須となります。
これは、金銭の授受が完了した証拠を示し、二重に請求や支払いが行われるのを防ぐ役割を果たしています。日付の記載がない領収書を発行し、受領すると、経理面で問題になる恐れがあります。
また、発行日とは違う日付を記入したり、空欄にしたりすると、税務署から違法行為とみなされる恐れがあります。受け取る人が、利益を調整するために、発行日を改ざんすることがないように注意しましょう。
さらに、発行日の日付は売上が発生した日ではなく、決済があった日となります。この点を間違えないように注意が必要です。
以上のことを踏まえ、領収書の発行には細心の注意を払い、適切な日付を記載するようにしましょう。
フリーランスの領収書の書き方④:金額の表記を間違えないようにする
金額の表記を間違えないことも大事です。金額を書く時は、下記のことに気を付けましょう。
金額の桁数を確認する(0の数や、「,」の位置が合っているか?)
数字は分かりやすく書く(0と6、1と7の区別ができるか?)
濃い字で書く(数字が薄かったら見えづらい)
また、領収書の金額を改ざんされないように「¥」「 – 」「,」を金額欄に書き込むことも大切です。
仮に、10万円であれば「¥100,000 -」と記入してください。
フリーランスの領収書の書き方⑤:但し書きに何に対しての支払いかを書く
但し書きの内容を、具体的に書くことも大事です。
具体例はこちらです。
会議室利用代(〇時間)
ご飲食代(メニュー名×2など)
消耗品代(商品名×3など)
品名と数量(時間)などを詳しく記入しておけば、領収書の信憑性も高まります。
フリーランスの領収書の書き方⑥:印紙を添付する
領収書の金額(売上額)が5万円を超える時は、印紙税が発生するため、収入印紙の添付が必要です。
印紙税の金額は、下記の通りです。

※出典:国税庁
ちなみに、売上とは関係ない金額を記入した領収書の場合も、5万円を超えると収入印紙を貼る義務があります。
この場合は一律200円となっています。
フリーランスの領収書。宛名あり・住所なしはNGと確認…それでも迷うなら?
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実は領収書の代わりに、利用できるものもあります。
レシートやクレジットカードの明細、商品の購入や決済履歴が載ったメールは、支払(決済)履歴が載っていれば、領収書の代わりとして使用可能です。
そのほか、冠婚葬祭の招待状や手紙、出金伝票も金額が載っていれば、使用できます。
実際に使用する場合には、佐藤税理士もコメントしていたように、いつ・誰と・何のために使ったのかという情報がきちんと入っているか確認するようにしましょう。
領収書の書き方に誤りがある場合、経費の計上を認めてもらえないケースもあるので注意が必要です。
領収書の取り扱いや作成にあたり不安があるようなら、税理士などのプロに相談するのもおすすめです。
しかし、「領収書のことだけで税理士に相談するのは気が引けるな…」という思いを抱える方もいると思います。
そんなときは、信頼できるエージェントやサービスなどから、税理士にアクセスできる窓口を作っておくのはいかがでしょうか?
テックビズでは、フリーランス向けにキャリア相談を行っているほか、税務サポートにも取り組んでいます。
案件探しだけではなく、領収書に関する確認や記帳代行などにも対応しています。小さな悩みだから…と心配することなく、ぜひご相談ください。
なお、お問い合わせ・ご相談は無料です。まずは案件や領収書について、気軽な相談をしてみてもよいかもしれません!
【※記事監修:佐藤淳一税理士(テックビズ税務サポート)】








