・兼業(副業)をしたいけど、交通費が高くて働けない…。
・交通費を浮かす良い方法はないの!?
こんなことを思う人に朗報です。
このたび、地方兼業する人を対象に、交通費が支援されるとの情報が入りました!
兼業をする人には、追い風となる可能性があります。
しかし交通費支援制度は、全員に適用されるわけではありません。
そこで今回は、制度の概要を紹介しつつ、ルールが適用される対象者や地域などを解説します。
政府が地方兼業者を対象に交通費支援
2020年度から、地方兼業者を対象に交通費を支給する制度が始まります。
政府は2020年度に、東京圏に住みながら地方で兼業や副業をする人に交通費を支援する制度を始める。出典:日本経済新聞
首都圏に住みながら地方で兼業をする人に、交通費を支援する制度となっています。
地方兼業者が交通費の支援を受けるメリットは、こちらです。
交通費の負担が減る
交通費の支援を受けることができれば、交通費の負担が減ります。
企業の中には、予算に余裕がなく地方兼業者に交通費を支援できないケースもあります。
このタイプの企業で働く場合、地方兼業者が交通費を負担しなければなりませんでした。
しかし交通費支援制度ができれば、交通費の一部を負担してもらえるため、地方兼業者の交通費負担額は減ります。
金銭的負担が減るため、地方兼業者は助かるでしょう。
活動範囲を広げられる
交通費支援制度を使えば、交通費を抑えられるため、交通費の負担が大きくて行けなかった地域も、通えるということです。
さまざまな場所を回って、観光気分を味わいながらの兼業も身近になるでしょう。
兼業先とのマッチング率アップが期待できる
交通費支援によって、いろいろな地域へ行けるようになれば、兼業先の候補地は増えます。
つまり、応募できる兼業先も増えることに…。
応募できる兼業先が増えれば、採用してもらえる確率も上がります。
よって兼業先とのマッチング率アップにつながり、仕事を見つけやすくなります。
交通費支援で助成できる金額は?
交通費支援で助成できる金額は、1人につき年間50万円です。
最大3年間支援してもらえるため、多い人だと150万円の支援金を受け取れます。
20年度予算案に計上した1000億円の地方創生推進交付金を活用し、1人当たり年間50万円を上限に3年間で最大で150万円を支給する。出典:日本経済新聞
ただし、交通費支援の上限は50%です。
仮に往復の交通費が2万円であれば、国と地方自治体から合計1万円支援してもらえます。
しかし、往復の交通費が1万円未満の時は支援されないため、注意が必要です。
交通費が往復で1万円を超える場合、国と地方自治体がその半分を兼業や副業先の企業に助成する。出典:日本経済新聞
仮に、東京駅から東海道新幹線に乗って西へ向かう場合は新富士駅以降の駅、東北新幹線に乗った場合は那須塩原駅以降の駅まで行かなければ、往復1万円を超えません(ともに自由席を利用した場合)。
交通費支援で助成できる対象者は?
交通費支援の恩恵を受けられる人は、1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)のいずれかに住んでいて、かつ1都3県以外の場所で副業・兼業をしている人です。
ただし、1都3県のいずれかで働いている人でも、交通アクセスが悪い過疎地での業務であれば、認められます。
主に東京と神奈川、埼玉、千葉の1都3県から他の地域へ兼業・副業として通勤する人を対象とする。1都3県の中でも交通の利便性が低い過疎地などへの通勤は対象に含める。出典:日本経済新聞
首都圏以外の場所で副業・兼業にチャレンジしたい人は、交通費支援制度を活用して、本業とは違う働き先を見つけてみてはいかがでしょう。
地方兼業の交通費支援の申請方法について
交通費支援の詳しい申請方法は、発表されておりません。
しかし、支援金は地方兼業者を受け入れた企業へ支給することになっています。
よって下記の2ステップを経て、申請する可能性が高いです。
- 地方兼業者が兼業先の企業に交通費を申請する
- 兼業先の企業が、地方兼業者に交通費を振り込む
交通費を受け取るにあたって、書類の記入はあるかもしれません。
しかし、兼業先から交通費を受け取る形になりそうなので、申請方法が複雑になる可能性は低いでしょう。
交通費支援制度の運用をする理由
最後に、交通費支援制度の運用をする理由を見てみましょう。
地方と関わる人を増やす
今までは、地方への在住者を増やして地方経済を盛り上げようとしました。
しかし、これ以上地方在住者を増やすのは難しいと予想しています。
そこで、首都圏に住みながらも地方と関わってくれる人を、増やすことにしたのです。
政府が兼業・副業の拡大を促す背景には東京一極集中に歯止めがかからない現状がある。
東京圏の1都3県の転入者が転出者を上回る「転入超過」は18年に約13万6千人にのぼった。
移住による地方の定住人口の増加は限界があるとみて、生活の拠点を東京圏に置きつつ地方と関わる「関係人口」の増加をめざす。出典:日本経済新聞
上記の引用を見ると、地方移住を増やす時代から、色々な場所で働ける時代に変わろうとしていることが分かります。
地方の会社を倒産させない
地方の中小企業を倒産させないことも目的です。
東京商工リサーチによると、2019年度の倒産件数は、9つある地区のうち7つの地区で増えたことが発表されました。
2019年の地区別倒産件数は、9地区のうち北海道212件(前年比8.2%減)と中部1,038件(同10.2%減)を除く7地区で前年を上回った。
増加した7地区のうち、大都市圏を抱える関東が3,113件(同1.4%増)で10年ぶり。近畿が2,171件(同3.5%増)で2年ぶりにそれぞれ増加した。
このほか、東北405件(同13.1%増) 北陸201件(同5.7%増)、中国349件(同4.4%増)、四国192件(同17.0%増)、九州702件(同10.2%増)の5地区は、2年連続で前年を上回った。出典:東京商工リサーチ
なかには人材不足で、倒産する企業もあります。
人材が足らなくて経営に困っている企業を救うのも、交通費支援をした目的といえるでしょう。
まとめ
交通費支援制度は、地方の経済衰退を抑えるための制度と言えます。
今回の制度が実施されれば、地方で兼業をしやすくなって、働きやすくなるでしょう。
交通費の自己負担を抑えながら地方兼業をしたい人は、今回紹介した内容を参考にしながら、兼業先を探してみてください。
※本記事の内容は2020年1月現在の情報です。
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