sIerに将来性はないのか?今後も必要とされる理由を解説!

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日本では、多くのSIerがITシステム開発を担っております。ただ、SIerの将来性に関しての懸念点がしばしば指摘されており、「SIerになるのはやめておけ」と言われてしまうこともあります。

本当にSIerの将来性は低く、避けるべきなのでしょうか。

ここでは、ここでは、「SIer将来性がないのか」「将来性がないと言われる理由」「SIerからのキャリアパス」について解説していきます。

・SIerには将来性がない理由
・SIerが今後なくならない理由
・SIerで働いているエンジニアが今後行うべき対策

SIerには将来性がないと言われる理由

インターネットやSNSでSIerと検索をすると、「将来性がない」と言及されていることが多く、しばしば目にするのではないでしょうか。求人サイトでは、SIerの求人数は多く出されているのにも関わらず、将来性がないと言われてしまっていることに疑問を持つ人も少なくないのではないでしょうか。ここでは、SIerに将来性がないと言われる理由について解説していきます。

クラウドの需要が増加

専門的な技術が身につきにくい

多重受け構造による格差

高コスト体質により採算が合わないことがある

年功序列な企業体質

グローバル展開に対して力を発揮できない

運用保守案件の減少

クラウドの需要が増加

SIerに将来性がないと言われる理由の1つ目は「クラウドの需要が増加したこと」です。

SIerは、顧客の要望に合わせてシステム開発を行いますが、AWA(Amazon Web Service)やAzureなどのクラウドサービスの普及により、一からスクラッチでシステム開発を行う必要がなくなる傾向にあります。

そのため、SIerが強みとしていた「顧客の課題に合わせたスクラッチによるシステム開発」の需要が低下してきております。

今後もクラウドの需要が増加していくことは予測されており、「スクラッチによるシステム開発」の需要は年々下がっていくことが予想されるでしょう。

専門的な技術が身につきにくい

SIerに将来性がないと言われる理由の2つ目は「専門的な技術が身につきにくい」です。

SIerの業務は、システムに関する高度に技術的な仕事ではなく、顧客との調整や資料の作成、納期管理などの仕事がメインとなることがあります。そのような技術的なスキルが必要にならない事務仕事がメイン業務となってしまうとプログラミングのスキルやシステム開発など専門スキルを習得することができなくなってしまいます。

将来的に、システム開発でのキャリアアップを図っていきたいという人や、プログラミングのスキルや知識を身につけていきたいという人には不満が溜まっていくでしょう。

多重受け構造による格差

SIerに将来性がないと言われる理由の3つ目は「多重受け構造による格差」です。

SI業界度々問題となるのが、多重下請け構造です。多重下請け構造とは、「元受け企業」の下に、一次・二次・三次受けという多数の下請けが連なっている状態のことです。

多重下請け構造が起きてしまう原因としては、元請け企業がリスク回避のために自社でエンジニアを抱えていないということが挙げられます。そのような背景から「元請け企業が仕事を受注し、下請けに仕事を丸投げして利益だけを得る」といったことが横行し一般化されてきました。

多重下請けでは、下流に行けばいくほど待遇が悪くなる傾向にあります。下請け会社は、発注元からの厳しい要求に加え、限られた予算で開発を強いられてしまうのです。

その結果、下請け企業で作業をするエンジニアの労働環境は過酷で。収入は低いといった状況に陥ってしまいます。また業務も決められた範囲でしか行うことができないため、スキルも身につきません。

高コスト体質により採算が合わないことがある

SIerに将来性がないと言われる理由の4つ目は「高コスト体質により採算が合わないことがある」です。

Slerは大手になればなるほど発注コストが割高な傾向があり、ある程度大きな規模のプロジェクトでなければ採算が合わないことが少なくないでしょう。高コスト体質な理由としては、先ほど紹介した多重受け構造が挙げられます。

多額の予算をかけて作り上げたシステムが、必ずしもその予算と見合った成果を出すことができるとは限らず、採算が合わない可能性も少なくないでしょう。

また、近年は一気に予算をかけ大規模に開発を進めていくというよりは、スモールスタートで開発を行なっていくことが主流です。ただ、SIerでは先ほども紹介したようにある程度大きな規模のプロジェクトである必要があるので、トレンドとマッチしていないことが挙げられます。

年功序列な企業体質

SIerに将来性がないと言われる理由の5つ目は「年功序列な企業体質」です。

SIerは業界的に歴史が長いということもあり、古い慣習や体制が残ってしまっている企業も少なくありません。そのような古い耐性が残ってしまっている企業では、年功序列が残っていることがあり、若い人材が活躍しにくく働きにくいという可能性が高くなってしまいます。

SIerでは若手が定着しにくいという原因の1つともなっているでしょう。

グローバル展開に対して力を発揮できない

SIerに将来性がないと言われる理由の6つ目は「グローバル展開に対して力を発揮できない」です。

海外の場合は自社の情報システム部門で自社のシステム開発を行うケースが多いため、そもそも海外ではSIerの需要があまりありません。

日本でも多くの企業がグローバル展開している中、SIerにはグローバル展開する力がないことは、SIerの将来性を危ぶまれる理由の一つになっています。

運用保守案件の減少

SIerに将来性がないと言われる理由の7つ目は「保守運用案件の減少」です。

一般的に、SIerで高い収益を上げる案件として運用保守が挙げられます。システム開発では開発が完了してしまうので比較的短期間での収益であることが多いですが、運用保守では、中長期的に安定して収益を見込めることができます。

近年クラウドサービスの需要の増加に伴い、運用保守にかけるコストも低下していっており、SIerの収益源が減ってしまっていると言えるでしょう。

SIerには将来性がないと言われるが今後なくなることはない

先ほどまでSIerには将来性がないと言われてしまう理由について解説していきました。ただ、SIerは今後なくなってしまうとは言えないでしょう。ここではSIerが今後なくならない理由について解説していきます。

SIerは大型案件に強い

DX化を進める企業の増加

2025年の崖問題を代表とした旧システムからの転換需要

オフショア開発の拡大

SIerは大型案件に強い

SIerがなくならない理由の1つ目は「SIerは大型案件に強い」ことです。

クラウドサービスが普及しているとはいえ、自社システムの開発や運用保守を内製化を進めている日本企業はまだまだ多くありません。また、大規模になればなるほど、人材が足りず内製化をすることが難しいと言えるでしょう。

そのため、大規模システム開発を行う際にはこれからもSIerが大きな役割を果たしていくと言えるでしょう。

DX化を進める企業の増加

SIerがなくならない理由の2つ目は「DX化を進める企業の増加」です。

多くの企業が高効率・高付加価値経営を目指すため「DX(デジタルトランスフォーメーション)対応」を実行に移しています。DX対応では、CRM・MA・SFA・ERPなど、比較的規模の大きな企業向けパッケージソリューションが導入されることから、SIerの持つ力が発揮されやすい状態です。

また、こうしたパッケージソリューションは、スクラッチ開発の独自システムに置き換わっていくでしょう。つまり、既存の独自システムを導入したSIerが、当時のノウハウを活かして再度パッケージソリューションの導入も担う、というケースが想定されます。

2025年の崖問題を代表とした旧システムからの転換需要

SIerがなくならない理由の3つ目は「2025年の崖問題を代表とした旧システムからの転換需要」です。

「2025年の崖問題」とは、経済産業省が2018年に「DXレポート」の中で指摘した、レガシーシステムが残存することでDXが実現できなかったり、IT人材が不足することで、2025年以降、年間で最大12兆円の経済損失が生じる可能性があるという問題です。こうしたリスクを避けるためのIT投資も今後さらに活発化されると予想されており、豊富な人的リソースをもつSIerの活躍の場が広がるでしょう。

オフショア開発の拡大

SIerがなくならない理由の4つ目は「オフショア開発の拡大」です。

開発費用を抑えるために、単価の安く質の高い海外のIT人材活用、つまり「オフショア開発」も積極的に行われています。例えば富士通は2022年度末までに日本国外でプロジェクトに従事する人員を2万1千人まで増やし、そのうち4割に当たる9,000人を日本企業の案件向けに対応する「日本担当」として割り当てると発表しています。日本国内でIT人材の不足に直面しつつある昨今、SIer各社のオフショア開発の拡大はさらに進むものと考えられます。

SIerで働いているエンジニアが将来を考え行うべき対策

社内SEは将来性が高い職種ではありますが、どの企業でもい同じような扱いを受けるわけではありません。まだまだ、社内SEをはじめとしたITエンジニアという職種に対しての理解が深くない企業も少なくありません。

ここでは、社内SEが避けるべき将来性のない企業の特徴について解説していきます。ここで紹介する企業の特徴をよく理解し、できるだけ避けられるようにしていきましょう。

需要の高いスキルを身につけておく

キャリアチェンジをはかる

フリーランスになる

需要の高いスキルを身につけておく

SIerで働いているエンジニアが将来を考え行うべき対策1つ目は「需要の高いスキルを身につけておく」です。

ITエンジニアとして長く活躍していくには、需要の高いスキルを身につけておくことが一番の近道と言えるでしょう。

今後身につけておくべきスキルは下記のものになります。

Iot関連のスキル

UIUXのスキル

AIや機械学習のスキル

自動化や仮想化のスキル

需要の高いスキルを身につけておくことで、年収のアップをはかることができますし、さまざまな企業に参画することが可能になります。

キャリアチェンジをはかる

SIerで働いているエンジニアが将来を考え行うべき対策2つ目は「キャリアチェンジをはかる」です。

SIerで身につけたスキルや経験をもとに、需要の高い業界や職種へとキャリアチェンジを図っていきましょう。

具体的には下記の職種や業界になります。

ITコンサルタント

社内SE

Web系企業

フリーランスになる

SIerで働いているエンジニアが将来を考え行うべき対策3つ目は「フリーランスになる」です。

SIerで身につけたスキルや経験をもとに、フリーランスエンジニアとして独立をしていきましょう。

フリーランスエンジニアとして独立をするメリットは下記のようになります。

会社員時代よりも高年収を得られる可能性は高い

会社員時代よりも早く年収を上げることができる

ライフワークバランスをとりやすい

案件を選ぶことができるので、理想のキャリアパスを描きやすい

比較的働く場所が自由

フリーランスエンジニアには、会社員にはないメリットが多くあります。ただ、フリーランスエンジニアには、会社員よりも確かなスキルを求められる傾向にあるので、十分なスキルを身につけてから独立をすることがおすすめです。

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執筆者

テックビズとは

テックビズメディア責任者

プログラミングの専門校と大学を卒業後、SIerに入社。
プロジェクトマネージャーとして大手通販サイトの保守運用チーム20名を管理。転職後、人材会社のメディアマーケティング責任者として10以上のメディアのSEO(Search Engine Optimization)をおこない、1年間で集客を200%アップさせる。2022年に株式会社テックビズに入社。

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