テックビズでデザイナーの業務を担当する長谷川さんは、アメリカのロサンゼルスの専門学校でグラフィックデザインやWebデザインのスキルを学んだあと、現地でデザインの仕事に従事。その後、日本の会社でインハウスデザイナーとして経験を積み、現在はテックビズにてデザインチームのリーダーを務める“デザインのプロ”です。
これまで多くのデザインの仕事を経験し、現代のデザイン業界のリアルを知る長谷川さんに、「デザイナーの未経験OKの求人は怪しいのか?」をテーマに話を聞きました。
Webデザイナーなどの「未経験OKの求人」は怪しいのか?経験をもとにプロがコメント

ーーデザイナーの求人を見ると、グラフィックデザイン・Webデザインともに、少数ですが「未経験OKのデザイナー求人」もあります。前回のインタビューでは、“デザイナーは場数が必要”とコメントされていましたが、こういった求人について長谷川さんはどのように見られているでしょうか?インターネットでは、「怪しい」と見る方も一定数いるようなのですが。
長谷川さん:僕の場合を踏まえての回答になりますが……僕はどちらかというと、実はけっこう「飛び込むタイプ」なんですね(笑)。
なので個人的には、未経験OKの求人は“デザイナーになりたい方や目指している方にとってはうれしいもの”だと思ってます。
実は、僕が日本に帰ってきてから経験を積んだ会社も、「未経験OKのデザイナー求人」を出していた会社だったんですよ。
その会社は社風やカルチャーなどの点から、そういった求人を出していたのですが……。世の中を見ると、未経験OKのデザイナー求人ってなかなか見つからないんですよね。デザイナーは経験が重要になってくることから、「経験2~3年」のようなものが条件としては多い傾向にあるので。
とはいえ、僕自身の経験から、未経験OKのデザイナー求人自体がそれだけで怪しいとは思いません。もしそういった求人を見つけられたなら、経験を積むために積極的にトライしてみるとよいのではないかなと思います。
ーー意外な回答で、少し驚きがあります。とはいえ、デザイナーの経験がない方からすれば不安もあると思うので、「未経験OKのデザイナー求人」の注意点なども伺ってもよいでしょうか?
長谷川さん:それでいうと、“その会社の中に入ってみないと、実際にどんな仕事をやらされるのか分からない”という注意点もあります。
会社のサイトや面談の段階でしっかり確認するなどはもちろん、入社にあたって違和感を感じたら辞退することも選択肢として持っておくとよいかもしれません。
さらに付け加えると、仮にデザインの仕事で入社や参画ができたとしても、最初は自分のやりたいデザインってできないと思っています。それは数年の経験を経て、やっと辿り着けるものでもあるので。
ただ今の時代、制作へのAIの活用もそうですが、フリーランスとして仕事を請けるなど、デザイナーとして伸びるための環境はある程度整っていると感じています。なのでもし、業務や仕事において悩みが生まれるようなら、そういったトライをしてみるなど、いろいろなやり方があると思います。
Webデザイナーやグラフィックデザイナーの仕事の取り方でおすすめの方法とは。フリーランスはとくにチェック!
ーーここまでの話で、未経験OKのデザイナー求人についてのご意見が分かりました。ちなみにデザインのプロ・長谷川さんがおすすめする“デザイナーの仕事の取り方”などはありますでしょうか?
長谷川さん:クラウドソーシングで案件の受注をして、小さなものから経験を積んでいくというのはよいと思いますね。
あとは、リファラルをふくめた“知人からの仕事”ですよね。ロゴやバナーの制作など、経験を積むにあたって、積極的に自分から声をかけて取ってくるとよいかと。
僕も独立当初、案件を全く抱えていない状態でフリーランスになったのですが、元々の知り合いなどのつながりからお仕事を受注するところからスタートしました。知っている方から案件をいただくかたちになるので、安心感がありますし、経験もとくに積みやすいんじゃないかなと思います。
最初は「思い立ったら行動してみる」というのが大事になると思うので、まずは勢いよくやってみると新しい世界もひらきやすいんじゃないかなと。
ーーなるほど。ふと思ったのですが、デザイナーであれば、グラフィックデザイン・Webデザインどちらにおいても、企業の案件へ参画するパターンというのも考えられると思います。チームリーダーとして長谷川さんが採用を進めるなら、応募してきたデザイナーのどんなところをチェックされますか?
長谷川さん:テックビズのデザインチームの場合でいうと、助け合ったり、一緒にモノづくりを進めるなどのチームワークを大切にしています。
なので、もちろんある程度のスキルや経験は見るのですが、会社やチームの雰囲気に合う人柄だったり、向上心が高い方だとよいなと思います。
できないことを恥ずかしがるのではなく、学んでいく意欲があることは、僕はよいことだと思っています。
仕事をする中で、お互いに高めあったり、考えをシェアしあったりする“一緒に学んで一緒に成長できる関係性”を築ける方がチームの現場には求められるかと。
ーーとても納得できる観点だと思いました。この流れで一つお聞きしたいのですが……長谷川さんにとって“デザインの仕事”とはどんな仕事ですか?デザインへの思いなどもふくめ、ぜひ教えていただきたいです。
長谷川さん:まず、どのデザイナーも持っているものだと思いますが、僕は“自分が作ったもので人がワクワクしてくれること”がうれしいんです(笑)。
それを踏まえたうえで、僕にとってのデザイナーの仕事は「自分が作ったり考えたりしたアイデアをカタチにして、“誰かや社会にポジティブな影響を与える”手段」ですかね。
ユーザーや社会がよりよくなるために、“デザイン”というスキルを使って何かしらのサービスやプロダクトを提供している……といいますか。
個人的には、“よくなる”って循環するものだと思っていて。
たとえば僕がデザインしたサービスがあったとして、それを使った方が課題を解決できたとします。それから、その方からまた新たなよいものが生まれて……のように、循環が進んでいって、最終的には世の中がよりよくなると思っています。
僕はそれを素敵だなと考えているので、そこに自分もデザインというスキルで寄与したいと考えています。
・未経験OKのデザイナー求人のすべてが怪しいというわけではない。経験を積むためトライをしてみるとよいかも
・注意点としては、求人だけでは仕事内容を把握しきれない可能性も。サイトのチェックや面談などで確認すること
・とくにフリーランスのデザイナーであれば、クラウドソーシングや、知人からのリファラルで仕事を得るのも◎
「デザイナーの未経験OK求人は怪しい」を厚労省運営サイトから考える。フリーランスの仕事の取り方でおすすめは?
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厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「job tag(ジョブタグ)」のWebデザイナーのページ内の「就業するには?」の項目を見ると、“入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、デザインの基礎知識・技術は必要となる。”とあります。
同ページの図(※以下、出典)を見ても、学校などで知識を学ぶ・もしくは企業で経験を積む流れが紹介されています。

※出典:職業情報提供サイト「job tag(ジョブタグ)」Webデザイナー(Web制作会社) 厚生労働省
これらのことから分かるように、現在の市場では、すでにデザインの基礎知識や経験のあるデザイナーが求められる傾向が分かります。
前段でデザインのプロ・長谷川さんは「世の中を見ると、未経験OKのデザイナー求人ってなかなか見つからない」とコメントしていましたが、あながち間違いではないのかもしれません。
しかしながら、長谷川さんも経験されたように、「未経験OKのデザイナー求人」の存在が全くないわけではありません。
母数としてはやや少なくなってしまうかもしれませんが、転職や案件獲得の際にそういった条件の求人を見つけられたら、試しに応募してみてもよいのかもしれません。
とはいえ、デザイナーやフリーランスとして長く働くにあたり、「未経験OK」の求人やクライアントを探すのは入口にすぎません。その先のキャリアの進め方をふくめ、「どのような選択をすればいいのか・どんなスキルを身につければいいのか」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
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