テックビズのサービス「HRBIZ」の責任者を務める藤村さんは、人材系メガベンチャーで採用担当や採用マネージャーを経験したのち、日本たばこ産業(JT)のコーポレート人事としてタレントマネジメント・人材開発・組織開発などを歴任した“採用と人事のプロ”です。
そんな藤村さんに、3/13にテックビズで開催されたイベント「TECHBIZ MEETUP! spring2026」では対談インタビューを実施。「現場で評価される人材の特徴」を人事目線で話していただきました。
テクニカルスキルだけでは現場で評価されづらい?プロの見解
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ーーずっと採用畑でキャリアを積まれてきた藤村さんに伺います。ずばり、採用者目線での「現場で評価したいと思う人材の特徴」は何でしょうか?
藤村さん:まず“テクニカルスキルの発揮”という観点では、人材の差別化が非常に難しいです。
その理由としては、AIが登場したことによってアウトプットが標準化されてくるためです。そうなると、「現場に入ってからのアウトカム(成果)はどうなのか」という点で、企業は評価をすると思っています。
テクニカルスキルの差別化が難しいとなったとき、重要視されてくるのはヒューマンスキルの部分です。
人事観点でいうと、分かりやすいものが二つあります。一つは「コミュニケーション」、もう一つは「印象」です。
コミュニケーションでいえば、“Q&Aがズレないかどうか”。これは相手が意図を持って出したQに対し、しっかりAを返してあげるという点では非常に大事です。それから、“ホスピタリティ(奉仕)”も重要です。コミュニケーションは相手ありきのものなので、相手の理解度を鑑みて話のサイズや言い方を変えることも必要だと思っています。
印象に関しては、“目を見て会話ができるか”・“自然な笑顔があるか”・“聞き取りやすい声と話し方ができるか”・“必要最低限の清潔感があるか”などですね。具体的な振る舞いベースだと、すれ違うときに笑顔で挨拶……のようなことだったりするのですが、実はかなり大事です。
現場の人材の差別化という観点においては、こうしたヒューマンスキルの部分を、人事は意外とよく見たりするんじゃないかなと思っています。
ーー現場で評価される人材は、ヒューマンスキル面においてだと、コミュニケーションや印象などが秀でている……というお話だと理解しました。ちなみに藤村さんであれば、フリーランスのどこを見て評価をされるのでしょうか?
藤村さん:一つあるとすれば、「コミットメント」ですかね。
前提として、“変動性があるスキル”と“変動性がないスキル”というものがあると思っています。人事からの視点で言えば、“育成しやすいスキル”と“育成しづらいスキル”ですよね。
個人的には、“変動性があるスキル”の有無だけを見て候補者を落とす……のようなことはしなくていいと考えています。変動性があるスキルというのは、先ほどのコミュニケーションや印象のことがそうで、育成できることが多いです。
逆をいえば、“変動性がないスキル”に関しては、必要十分でなければ落としたほうがよい……という判断を人事はすることがあります。これにおいて代表的なものこそが、「コミットメント」です。
コミットメントには、“目標の高さ”・“行動量の多さ”・“当事者意識の高さ”の三つがあります。これらに関しては、人事側としてもテコ入れが難しいところでもあります。
ぜひフリーランスの方には、「自分はコミットメントの面で大丈夫か」と、点検の意味も込めて考えてみていただきたいです。
現場で評価されるコミュニケーションとは?人材目線で大切なこと
ーーこれまでお話を聞いて気になるのが、たとえば「最初はヒューマンスキルの面が少しあやしかったけど、参画後に改善して、稼働状況がかなり良くなった」のような実例です。藤村さんが見てきた中ですと、そういったケースはありましたでしょうか?
藤村さん:すごくあります。
たとえば、とあるHRの方ですと、業務詳細にある仕事をやっているのにもかかわらず、参画先の企業は不足感を覚えている……といったことがありました。
そこで少し振る舞いを変えていただくことにしまして、「にこやかに話す」ことを心がけるようにしていただきました。
「そんなことで?」と思うかもしれませんが、それを実践してもらったことで、参画先の企業からの評価が大きく上がったことがありました。些末なことのようですが軽んじることはできないと考えています。
こうした事例と似たようなことは、いくつかあったりします。なので僕は、先方から「期待値にそぐわない」といった意見が来たときは、「コミュニケーションや印象の面で何かあるのかな?」と思うことがあります。
フリーランスの方で、“自分の稼働状況をもっとよくしたい”と思うのであれば、今いちど見直してみてもよいのではないかなと思います。
ーーなるほど。実例やお話を聞いたうえで、評価される方の人物像を一言でいうと……“良い人”、のような気がしました。実際、いかがでしょうか?
藤村さん:そうですね、ベース(基本)ですよね。ベースでの信頼構築があって、テクニカルスキルは活きるものと考えています。テクニカルスキルの成果の最大化において、チーム内での協働は必須だと思うので。
なので、“良い人”というのは、馬鹿にできないところだなと思います。やはり人と人との付き合いですし、やってて損はないことだなと。
僕としては、こうしたコミュニケーション領域を含めた話は、ある意味“必要条件”でもあると思っています。
ーー正直、今回お話しいただいたようなことを、フリーランスの立場で知っている方って、世の中的には多いのでしょうか?自然に身に付くようなものなのか、なども含めて少し気になりました。
藤村さん:実際の割合は、僕も調べたことがないので分からないです(笑)。ただ、良い姿であられる方って、おおむねどちらか二つのパターンを経ていることが多いです。
一つが、人との出会いの中で良い上長や同僚がいた……のようなパターンです。良いロールモデルをマネすることで、良い姿を身につけられて良い結果が出たパターンですよね。
もう一つが、修羅場です。すごく大変な思いを味わったとか、大きな緊張やコンフリクトを乗り越えたなど、自分の力量をはるかに超えたことを経験すると、ヒューマンスキルや振る舞いが洗練されていくことがあります。
・人事目線だと、人材の「ヒューマンスキル」を見て、評価をすることがある
・中でも、「コミュニケーション」と「印象」は大切
・たとえば「にこやかに話す」ことを心がけるだけでも、現場での評価が良くなることがある
「HRBIZ」責任者・藤村さんから、フリーランスへのメッセージ
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ーーフリーランスの方が今後よりよい活動をできるよう、藤村さんからメッセージをお願いいたします。
藤村さん:先ほどお話ししたことと異なることを言っているかもしれませんが、「誰にでも好かれる良い人じゃなくていい」と思っています。“メタ認知”という言葉があると思いますが、しっかりと自分の特性や強みを認識することはとても大事ですし、それだけでいいような気もしています。
自分なりの良い人を言語化・体現するということに近いですね。自分自身の理解を深めることで、「どういう案件や人と関わったらいいのか」「どんな企業やキャリアが向いているのか」というスクリーニングができます。
“自分自身はどういう人間なんだろう”と、あらためて見つめる機会が大事だと思っています。そのうえで、楽しんで働けるところはどこなのかを模索していただけると良いのかなと思っています。











