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リベンジ退職はなぜ起きる?

リベンジ退職は問題社員によるものなのか?
リベンジ退職は人間性に問題がある社員による嫌がらせ、と思われるかもしれません。
しかし実際のリベンジ退職には、多くの場合、上司や会社に対する不満が長期間蓄積したプロセスがあります。
- あえて繁忙期や重要プロジェクトの途中で退職する
- 引き継ぎをほとんど行わずに辞める
- データやシステムを削除して辞める
- 社内の問題をSNSや口コミサイトで暴露する
- 競合企業へ転職し顧客やノウハウを持っていく
このような、会社側から見ると「突然の裏切り」に思えるような辞め方は、実は社員の不満のサインを見逃し続けた結果として表面化するケースが多いです。
リベンジ退職につながる心のプロセス:
- 待遇や職場環境に納得できない
- 上司や人事に相談する、もしくは相談できず不満を溜め込む
- 状況が改善されない
- 心身の限界を迎える
- 退職時に会社へダメージを残す行動を取る
リベンジ退職の原因チェックリスト—あなたの会社は大丈夫?
社員の「不満の蓄積」に気づけていますか?次の項目に複数当てはまる場合、“リベンジ退職予備軍”が存在している可能性があります。
□ 評価フィードバックが形式的になっている
□ 上司との1on1が機能していない
□ 部下からの率直な意見や不満が出てこない
□ 繁忙期に人員が補充されない
□ 異動や役割変更の可能性が提示されていない
□ 人間関係やハラスメントの相談先が実質的にない
□ 給与・待遇・評価制度が長年更新されていない
□ 長時間残業や休日取得が慢性化している
マネージャー層や人事は、「1on1を導入しよう」「サーベイを実施しよう」と、形式や施策を実行することに意識が向きがちです。
しかし本当に大切なことは、部下が上司や会社を信頼して率直な意見や不満を共有できる環境にあるかどうか。
例えば、1on1を実施しても業務の進捗確認で終わっている、「正直になんでも話してね」と言いつつ実は評価に響いたり、根本の改善に繋がらなかったりする、など。
従業員が不満を溜め込まないために必要なのは“仕組みの整備”だけではないことを理解しましょう。
実際にあったリベンジ退職の事例

ここでは、人事歴20年のプロが現場で見てきた、実際にあったリベンジ退職の事例を3つ紹介します。
いずれも、問題社員が引き起こしたものではなく、組織に対する不満が長年蓄積された結果、起こった退職でした。
① 評価への不満によるリベンジ退職
営業部門で高い成果を出していた社員が、昇進や昇給に反映されないことに強い不満を抱いていました。
上司に相談したものの「次の評価で考える」と言われ続け、状況は改善されないまま数年が経過。
最終的にその社員は退職を決意し、競合企業へ転職しました。
退職後は、元の会社の評価制度の不透明さや待遇への不満を、業界関係者や知人に積極的に発信。結果として、顧客の一部が転職先へ流れるなど、企業側にも影響が及びました。
② 上司との関係悪化によるリベンジ退職
ある企業では、マネージャーの強い指示型マネジメントが続き、部下との関係が悪化していました。
- 指示が一方的で意見を聞かない
- ミスがあると強い叱責をする
- 成果が出ても評価は上司の手柄になる
こうした状況の中で、部下の一人が強い不満を抱えるようになります。
最終的にその社員は、重要プロジェクトの進行中に突然退職。最低限の引き継ぎのみを行い、組織を離れました。
その結果、プロジェクトは大幅に遅延し、顧客対応にも影響が出るなど、会社にとって大きな損失となりました。
退職後、同僚に対して「これ以上あの上司の下では働けない」と語っていたことがわかり、社内のマネジメント体制に問題があったことが明らかになりました。
③ 業務負担の不公平によるリベンジ退職
あるバックオフィス部門では、業務の属人化が進み、一部の社員に仕事が集中していました。
特に繁忙期になると、特定のメンバーに残業が集中し、休日出勤も当たり前の状態に。
当人は上司に対して「業務の分担を見直してほしい」と何度も相談していましたが、状況はほとんど改善されませんでした。
やがてその社員は、「この会社は従業員を大切にしていない」と感じるようになり、退職を決断します。
退職のタイミングは、まさに繁忙期の直前。業務の多くが属人化していたため、引き継ぎは十分に行えず、残されたメンバーに大きな負担がかかる結果となりました。
これらの事例からわかるように、リベンジ退職の多くは突然の衝動的な行動ではなく、組織の中で見過ごされてきた問題の延長線上で起きています。
リベンジ退職を防ぐために何ができる?

リベンジ退職の多くは、評価や待遇への不満(承認不足)や過度な負担(労働環境や人間関係のストレス)が原因となって発生します。
そのため、対策として重要なのは単に制度を整えることではなく、社員の不満が蓄積する前に気づき、解消する仕組みをつくることです。
リベンジ退職の予防には、次の3つのポイントが特に重要です。
①早期の対話|定期的な1on1で本音を把握する
リベンジ退職を防ぐうえで最も重要なのは、不満が大きくなる前に気づくことです。
そのために有効なのが、定期的な1on1ミーティングです。ただし、1on1が単なる業務報告や進捗確認で終わってしまうと、本来の目的は達成できません。
重要なのは、次のようなテーマについて対話することです。
- 最近の業務負担やストレスはないか
- 現在の仕事にやりがいを感じているか
- キャリアについてどのように考えているか
職場で困っていることはないか
部下が率直な意見を言えるようになるには、「言っても大丈夫」「聞いてもらえる」という信頼関係が前提になります。
そのため、マネージャーには単に話を聞くだけではなく、
- 否定せず受け止める
- 改善できることは実際に改善する
- 改善できない場合でも理由を説明する
といった誠実な対応が求められます。
②公平な評価|評価・処遇の透明性を高める
社員が強い不満を抱く大きな原因の一つが、評価の不透明さや不公平感です。
「なぜこの評価なのか」「なぜあの人は自分よりも評価されているのか」が説明されないままだと、社員は組織に対する信頼を失います。
そのため、企業としては次のような取り組みが重要です。
- 評価基準を明文化する
- 昇給・昇格の条件を明確にする
- 評価理由を本人に丁寧に説明する
- 定期的にフィードバックを行う
人事としては、現場マネージャーが適切なフィードバックを行えるような研修も有効です。
③働き方の改善|業務負担の偏りを見える化する
リベンジ退職の背景には、業務負担の偏りや長時間労働などの働き方の問題があるケースも少なくありません。
特に属人化が進んでいる組織では、一部の社員に仕事が集中し、負担が慢性的に増えてしまうことがあります。
こうした状況を防ぐためには、業務量を可視化し、適切に分配する仕組みが必要です。
例えば次のような取り組みが有効です。
- 業務量や残業時間を定期的に確認する
- 繁忙期の人員配置を見直す
- 業務の属人化を解消する
- 必要に応じて外部人材を活用する
慢性的な人手不足に困っている組織は、ぜひフリーランス活用を検討してみましょう。
必要なタイミングで、必要なスキルを取り入れることで、現場社員の負担を軽減することができます。
まとめ|リベンジ退職を起こさない組織づくり

リベンジ退職は、突然起きるトラブルのように見えて、実際には組織の中で長い時間をかけて蓄積された不満が表面化した結果であることが少なくありません。
重要なのは、社員の負担や不満が大きくなる前に組織として手を打つこと。まずは、自社の状況を客観的に見直してみてください。
業務負担が一部の社員に偏っていないか?評価や処遇に対して納得感がある状態か?上司と部下が率直に話せる環境があるか?
もし、人手不足や業務の偏りが原因で従業員に過度な負担がかかっているのであれば、フリーランス人材の活用も一つの有効な選択肢です。専門スキルを持つ外部人材を柔軟に活用することで、繁忙期の業務負担を軽減し、組織全体の働き方を改善することができます。
社内コミュニケーションや評価制度、マネジメントのあり方について課題を感じている場合は、外部の知見を取り入れることも有効です。
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「離職が増えている」「評価制度やコミュニケーションに課題を感じている」といった場合は、ぜひお気軽にご相談ください。










