フリーランスに産休・育休がない理由
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フリーランスに産休・育休がない最大の理由は、法律の適用対象外であることです。
産休は労働基準法、育休は育児・介護休業法に基づく制度ですが、いずれも「雇用された労働者」を対象としています。企業と雇用契約を結んでいないフリーランス・個人事業主は、この保護の枠外に置かれています。
●フリーランスが受け取れない給付金
産休・育休に付随する給付金についても、フリーランスは対象外です。
・出産手当金:健康保険から支給される。標準報酬日額の3分の2相当。雇用されている労働者のみ対象。
・育児休業給付金:雇用保険から支給される。休業前賃金の50〜67%相当。雇用保険未加入のフリーランスは対象外。
一方で、フリーランスでも受け取れる給付金・免除制度も存在します。
【会社員とフリーランスの産休・育休の違い】
項目 | 会社員 | フリーランス |
|---|---|---|
産休 | あり(法律で保護) | なし |
育休 | あり(法律で保護) | なし |
出産手当金 | あり(標準報酬日額の2/3) | 対象外 |
育児休業給付金 | あり(賃金の50〜67%) | 対象外 |
出産育児一時金 | あり(50万円) | あり(50万円) |
児童手当 | あり | あり |
国民年金保険料の免除 | 対象外(厚生年金) | あり |
※出典1:「育児・介護休業法について」厚生労働省
※出典2:「出産育児一時金等について」厚生労働省
フリーランスが使える出産・育児支援制度7つ【2026年6月時点】
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フリーランス専用の産休・育休制度はありませんが、利用できる公的支援制度は複数あります。申請漏れがないよう、一つずつ確認しておきましょう。
①出産育児一時金(50万円)
国民健康保険または健康保険に加入しているフリーランスが出産した場合、子ども1人につき50万円が支給されます。2023年4月に42万円から増額されました。産科医療補償制度に加入していない医療機関での出産は48万8,000円となります。
原則として医療機関が代行申請するため、窓口での支払いは出産費用から50万円を差し引いた金額のみとなります。規模の小さい医療機関では自己申請が必要な場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
②児童手当(2024年10月改定・所得制限なし)
2024年10月の制度改正により、児童手当は大幅に拡充されました。所得制限が撤廃され、支給対象が高校生年代(18歳到達後最初の3月31日まで)まで広がりました。
年齢 | 第1子 | 第2子 | 第3子以降 |
0〜2歳 | 月額1万5,000円 | 月額1万5,000円 | 月額3万円 |
3歳〜高校生年代 | 月額1万円 | 月額1万円 | 月額3万円 |
第3子以降は0歳から高校卒業まで一律月額3万円となり、多子世帯への支援が手厚くなっています。また支給タイミングも年3回から年6回(偶数月)に変更されました。
※出典:「2024年10月分から児童手当が大幅拡充」政府広報オンライン
③子ども医療費助成
医療機関で受診した際の自己負担分を補助する制度です。対象年齢や助成額は自治体によって異なりますが、0歳から中学生または18歳までを対象としているところが一般的です。
自治体によっては自己負担ゼロのケースもあります。お住まいの自治体の窓口またはホームページで確認してください。
④幼児教育・保育の無償化
3歳から5歳のすべての子どもを対象に、幼稚園・認可保育所・認定こども園などの保育料が無償化されています。
0歳から2歳の子どもでも、住民税非課税世帯であれば対象となります。ただし保育料以外の費用(給食費・行事費など)は自己負担です。
⑤妊婦健診費用助成
妊娠期間中の健診費用の一部を助成する制度です。妊娠中は下記のとおり定期的な受診が必要になり、平均14回程度の受診が発生します。
妊娠週数 | 受診間隔の目安 |
〜妊娠24週 | 4週間に1回 |
25〜35週 | 2週間に1回 |
36週〜 | 1週間に1回 |
助成額や申請方法はお住まいの自治体によって異なります。母子健康手帳と併せて交付される受診票を使用するケースが一般的です。
⑥国民年金保険料の免除(産前産後+2026年10月〜育児免除)
フリーランスが加入する国民年金には、出産前後の保険料免除制度があります。さらに2026年10月からは、子どもが1歳になるまでの育児期間中の保険料も免除される新制度が始まります
対象者 | 免除期間 |
実母(単胎) | 産前産後4ヶ月+育児免除9ヶ月=最大13ヶ月(2026年10月〜) |
実母(双子以上) | 産前産後6ヶ月+育児免除9ヶ月=最大15ヶ月(2026年10月〜) |
実父・養父母など | 子が1歳になるまで最大12ヶ月(2026年10月〜) |
免除期間中も将来の老齢基礎年金の受給額には「保険料を納付した期間」として反映されるため、年金が減るわけではありません。所得制限・就業要件なしで申請できます。自己申告制のため、忘れずに年金事務所へ申請しましょう。
※出典:日本年金機構、厚生労働省
⑦国民健康保険料の産前産後免除(2024年1月〜)
2024年1月から、フリーランスなど国民健康保険加入者を対象に、出産前後の国民健康保険料も免除されるようになりました。
単胎の場合は出産予定月の前月から翌々月までの4ヶ月分、多胎の場合は3ヶ月前から翌々月までの6ヶ月分が免除されます。こちらも自己申告制のため、お住まいの自治体窓口へ申請が必要です。
※出典:日本年金機構、厚生労働省、各自治体
【POINT!】フリーランスが育児を乗り越えるために本当に大事だったこと

よく「出産前に夫婦でしっかり話し合っておきましょう」と言われます。もちろんそれは大切です。誰が病院に連れていくか、収入が減ったときどう動くか、家事はどう分担するか——子どもが生まれる前に決めておくことで、産後の混乱は確実に減ります。
ただ、実際に育児が始まると、事前の想定通りにはいかないことの方が多い。子どもの体調、睡眠のリズム、保育園の問題、自分自身の体力……予想していなかった事態が次々と起きます。だから大事なのは「産前に一度話し合う」ことではなく、「定期的に話し合える雰囲気と機会を作り続けること」だと感じています。
私はフリーランスライターとして働いており、妻は正社員として産休・育休を取得しました。しかし、育休が終わった後は、子どもが熱を出した日は私がそのまま病院に連れていくことが多いです。フリーランスは時間の融通がきくので、「誰が動けるか」をその場で判断できるのは強みだと感じています。ただ、そのルールも子どもの成長とともに変わっていきます。産前に決めたことに縛られず、定期的に夫婦で現状を確認し合うことが、どの制度よりも育児を安定させてくれました。
フリーランスはとくに収入や仕事量が変動しやすく、有事のときにどう動くかを夫婦間で共有しておくことが重要です。子どもが生まれることは、夫婦の働き方や価値観をあらためて話し合う、良い機会でもあります。
フリーランスの産休・育休を考えるうえで知っておきたいこと
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◎男性フリーランスの育休と育児参加
「フリーランス 育休 男性」と検索する方が増えているように、男性フリーランスの育児参加への関心も高まっています。
男性フリーランス自身は育児休業給付金の対象外ですが、パートナーが会社員であれば育休を取得・給付金を受け取ることができます。
夫婦どちらかがフリーランスの場合、もう一方の会社員としての育休をしっかり活用することが、産後の家庭を安定させる鍵になります。
◎フリーランスの産休・育休は「制度+話し合い」で乗り越える
フリーランスには法律上の産休・育休はなく、育児休業給付金・出産手当金も対象外です。しかし、出産育児一時金・児童手当・国民年金保険料の免除・国民健康保険料の免除など、活用できる制度は複数あります。
制度を正しく把握して申請漏れをなくすこと、そしてパートナーと定期的に育児・家事・仕事のバランスを話し合い続けることが、フリーランスとして育児を乗り越えるうえで最も大切なことです。
フリーランスとして安心して働き続けたい方は、ぜひテックビズのキャリア面談をご活用ください。育児中の働き方や案件選びについても、専任のキャリアアドバイザーが個別にサポートします。
産休・育休に備えるフリーランスのやることリスト
以下の項目を参考に、出産前から準備を進めましょう。
【お金・給付金の確認】
□ 出産育児一時金(50万円)の申請方法を医療機関に確認する
□ 児童手当の申請を出生後15日以内に住んでいる自治体へ行う
□ 国民年金保険料の産前産後免除を年金事務所に申請する
□ 国民年金保険料の育児免除(2026年10月〜)の申請時期を把握する
□ 国民健康保険料の産前産後免除を自治体窓口に申請する
□ 妊婦健診費用助成の受診票を自治体から受け取る
□ 子ども医療費助成の内容をお住まいの自治体に確認する
【仕事・収入の準備】
□ 産休・育休中の収入が減ることを想定して事前に貯蓄しておく
□ クライアントに出産・休業の予定を早めに伝える
□ リモートワークで対応できる案件を中心に絞っておく
□ 子どもを預けられる場所(保育園・親族など)を早めにリサーチする
【夫婦・パートナーとの話し合い】
□ 出産後の家事・育児の役割分担を事前に決めておく
□ パートナーが会社員の場合、育休取得を相談する
□ 有事のとき(子どもの発熱など)にどちらが動くかを決めておく
□ フリーランスを続けるか、正社員転向も含めて検討する
□ 定期的に夫婦で育児・仕事のバランスを見直す機会を作る
※本記事の制度情報は2026年6月時点のものです。制度の詳細や申請方法は変更される場合があるため、最新情報は各省庁・自治体の公式サイトでご確認ください。

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