汎用性の高いプログラミング言語として知られている「Java」。フリーランスエンジニアとしてJava案件を探している方もいるでしょう。
本記事ではJavaの特徴やJava案件の傾向を解説したうえで、具体的な業務内容や募集状況をご紹介します。さらにJava案件の探し方や必要なスキル、Java案件を扱うおすすめフリーランスエージェントについても触れていきます。
フリーランスとしてJava案件の獲得を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
Javaのフリーランス案件の動向や年収
Javaのフリーランス案件にはどのようなものがあるのでしょうか。また、どのような働き方をできるのでしょうか。ここでは、Java案件の特徴から、案件数や平均年収、想像できる働き方を解説して行きます。
案件数
フリーランス向けのJava案件の案件数は非常に多いと言えます。レバテックフリーランスでJavaの案件数を調べたところ「8820件」もあり、PHP案件数「5597件」、Ruby案件数「2186件」と比較しても非常に案件数が多いと言えるでしょう。
Javaの案件数が多い理由としては、汎用性が高いことやすでにJavaを用いて開発をされたシステムが多く、保守運用の案件も非常に多いことが挙げられます。
Javaは案件数が多く、自分に合った案件を探しやすいことからフリーランス向けの言語と言えるでしょう。
平均年収
レバテックフリーランスによると、フリーランスのJavaエンジニアの平均年収は「約816万円」となっております。月収にすると「約68万円」となります。
また、会社員のJavaエンジニアの平均年収は約505万円(求人ボックスより)であり、フリーランスのJavaエンジニアの年収がいかに高いのかがわかるでしょう。
さらに、他言語のフリーランスの平均年収を比較すると下記のようになります。
言語 | 平均年収 |
Java | 約816万円 |
Ruby | 約960万円 |
Python | 約912万円 |
PHP | 約864万円 |
JavaScript | 約852万円 |
C++ | 約840万円 |
Go | 約972万円 |
参考:レバテックフリーランス
フリーランスのJavaエンジニアの平均年収は会社員とは比べて高いと言えますが、他言語の平均年収と比べると若干見劣りすることは否めないでしょう。ただ、案件数が多いということで案件を獲得しやすくなり、収入を安定させやすいとも言えるでしょう。
働き方
フリーランスのJava案件は、常駐案件とリモート案件どちらもあるので、様々な働き方を選択できると言えます。ただ、Java案件は大規模開発の案件も多く、チームで開発を進めることが多いため常駐案件になる傾向があります。
レバテックフリーランスで実際に案件を調べてみると、Java案件の総数が「8820件」に対して、リモートのJava案件が「2769件」とリモート案件は約4分の1ほどしかありません。
上記のように常駐案件の方が非常に多いので、基本的には常駐の案件になると思っているといいでしょう。
Javaフリーランスに将来性はあるのか
Javaフリーランスには将来性があるのでしょうか。Javaの将来性を調べると、「案件が減っている」「Javaは時代遅れだ」などを目にすることがあり、「Javaのフリーランスになっても大丈夫かな、、、」と不安になってしまうこともあるのではないでしょうか。
実際には、Javaの将来性は十分で今後も需要がなくなることはないと言えるでしょう。
【2020年7月発表】プログラミング言語別求人案件ランキングによると、正社員の求人数もフリーランスの案件数が1番多いという結果が出ており、いかにJavaの需要が高いかがわかるでしょう。
Javaの需要が高い理由としては、Javaで開発されたシステムが既に多く存在していることが大きく関係していると言えます。既にJavaを活用したシステムが多くあるということで、それに付随して保守運用の案件があると言えるでしょう。
Javaフリーランスに求められるスキル
Javaフリーランスにはどのようなスキルが求められるのでしょうか。
言語への専門知識
Java案件にはJava言語だけでなく、それ以外の言語を扱うものも多くあります。そのためJavaと相性の良い言語を習得しておくと活躍の幅が広がりやすいでしょう。
たとえばJavaと相性の良い言語にはRubyやPythonなどがあります。またKotlinはAndroidアプリの開発案件で頻繁に使われる言語でJavaとの共通点も多いため、Javaの知識があれば比較的容易に習得可能です。
アプリケーション開発経験
アプリケーション開発はJava案件のなかでも多い案件の1つです。Webアプリケーションの開発案件はもとより、近年はスマホの普及の影響でスマホアプリ開発のJava案件も増えてきました。大企業の大規模システム開発とは必要とされるスキルや動きが異なってくるので、アプリケーション開発の経験を積んでおくことで大規模システム開発以外の案件で活躍できるチャンスも人がるでしょう。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルはJavaエンジニアが仕事をスムーズに進めるうえで重要な要素です。特に大規模プロジェクトではメンバーやクライアントとのコミュニケーションがうまく行っているかどうかで、進捗状況は大きく左右されます。
コミュニケーションスキルは大きく分けて「伝える力」と「受け取る力」の2種類があります。プレゼンや面接が得意など「伝える力」に秀でている人、一方でクライアントやプロジェクトメンバーの要望を汲み取るのが得意な「受け取る力」が優れている人など、コミュニケーションの種類によって得意・不得意が分かれる場合もあります。
自分に不足しているコミュニケーションスキルがあれば、意識的にそこを克服できるようにしておくとよいでしょう。
UI/UXの構築スキル
UI/UX(ユーザーインターフェイス/ユーザーエクスペリエンス)とはWebデザインに関連する仕組みです。スマホアプリの開発案件などで必要になるので、これらの知識を持ち合わせていると活躍できる案件も増えてくるでしょう。
関連システムの知識
Java案件で幅広く活躍するためには、サーバー、ネットワーク、データベースなどのインフラ関連の知識があると便利です。サーバーサイドの案件ではJavaでサーバー側のシステム構築を行うため、インフラ関連の知識やスキルが求められます。
フリーランスエンジニアのJava案件の探し方
フリーランスエンジニアでJava案件を探す方法はいくつかありますが、ここでは代表的な案件探しの方法をご紹介します。
フリーランスエージェントを利用する
フリーランスエージェントを利用することで、個人では難しい大手との取引や、高単価案件を紹介してもらうことができます。
また契約面や税金面など、エージェントサポートが受けられるため、安心してお仕事に取り組むことが可能です。
さらには「在宅案件」「週2案件」など、こちらの要望を伝えることで、1人ひとりに合ったお仕事を紹介してもらえます。
SNSで情報発信・収集する
近年では、SNSを利用してフリーランス案件を探すことも可能となってきています。個人の案件から企業が直接求人を出していることもあり、幅広いジャンルの案件を探すことができます。
また、仲介業者を挟まない直接契約となるので報酬やスケジュールの交渉はしやすいです。
しかし、その反面自身で契約やマネジメントして売り出していかないといけないのでフリーランス駆け出しの方にはおすすめできません。
知人から紹介してもらう
元々エンジニアとして働いていた人であれば業界にコネがあることも多いのでそこから案件につなげることもできます。知人からの紹介のため仲介料や紹介料も発生することは少なく、安心して案件受注につながります。
しかし、エンジニアの知人が少ない方だと紹介してもうことが難しい方法のため未経験者の方にはおすすめできません。
クラウドソーシングサービスを利用する
最近ではクラウドソーシングサイトも多く存在してきており、利用者も増えつつあります。クラウドソーシングサイトのメリットとしては面倒な手続きが不要で案件受注につなげることができる点です。
気軽に案件を見つけることができる一方、不当に単価が低い案件や報酬から仲介手数料が引かれてしまうなどのデメリットもあります。
より高単価のJava案件を獲得するために必要なスキル・経験
基本的に単価相場の高いJava案件ですが、ここではより高単価の案件を獲得するために必要なスキルと経験をご紹介します。
上流工程やPMとしての経験
プログラマーのようにプログラミングだけを行うエンジニアよりも、SEのように上流工程や下流工程もこなせる人材になると高単価案件につながります。
そのなかでも要件定義や基本設計書作成から携わることができると顧客からの信頼にもつながります。またプロジェクト全体を管理するPMになると技術者であるエンジニアより高単価案件が多いです。
ただし、多くのPM案件は経験者でなければ受注できないことが多いので現役SEの方はPMを経験してからフリーランスを考えた方が良いです。
大企業やスタートアップなどあらゆる規模での開発経験
Javaのフリーランスエンジニアの案件の規模は大企業からの大きなシステムからベンチャー企業のスタートアップまでさまです。
大規模案件ばかりこなしているとスタートアップ案件のスピード感や最新の技術についていけない可能性があります。反対にスタートアップ案件ばかり携わっていると大企業の大規模システムの構成やロジックの理解に乏しくなってしまうこともあるでしょう。
対応できる案件の幅を自ら狭めずに多様な案件をこなせるようになると市場価値が上がり高単価案件を獲得しやすくなります。
Webサービスだけではないシステム系やアプリ開発の経験
「Webサービスのみ」や「システム開発のみ」のように1つの業務内容だけを実績として積むよりも、幅広いジャンルの業務内容に携われる方が高単価案件につながります。
システムの世界では流行りの移り変わりが非常に速く、常に新しい技術が開発されているのでそのスピードについていけるようにさまな業務経験は非常に大切です。特にAndroidアプリの開発は世界的に需要が高く、近年では最も稼げるジャンルの1つといえます。
Java案件は減少リスクは低く将来性が高い
今後、Pythonなど人工知能等の分野で注目されている言語の利用が広がる可能性はありますが、当面はすでに実績のあるJavaで開発する流れが大きく変わることは考えにくいでしょう。
また、新規構築案件は減ったとしても、すでに動いているJavaで組まれたシステムの改良・改善の保守案件は継続して発生するでしょう。特にJavaは汎用言語として、企業の基幹システムなどにも使われていることが多いため、このニーズは大きいと思われます。従ってエンジニアからも安定して常に人気となっている言語です。
例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)のオウンドメディアであるIEEE Spectrumが独自の指標からプログラミング言語をランキング化した「The Top Programming Languages 2019」によると、JavaはPythonに次いで2位という結果となっています。
以前と高い人気を誇っているのが分かるかと思います。さらに、JavaはWebシステムなど企業向けシステム以外でも多く使われている点でも強みがあります。具体的には組み込みシステムとAndroid機器向けアプリ開発などが挙げられます。
そもそもJavaは組み込みシステムを意識してデザインされたプログラミング言語です。Javaが30億のデバイスで走れるのは、異なるデバイス上で走らせても、同じソースコードは同じように動作する、というJavaの特別な仕掛け(Java仮想環境)のおかげです。
確かにJavaの登場当初からしばらくは、そのJavaの特別な仕掛けを動かすのが大変で、ハードウェアリソースに制限のある組み込みシステムには向かない、といわれていた時期もありました。
しかし、時代とともに技術が進んで、小さな筐体であっても、Javaがスムーズに動作できるだけのハードウェアリソースを搭載できるようになり、近年では、組み込みシステム業界でも、もっとも使われているプログラミング言語はJavaである、という調査結果もあります。
そして、Androidアプリ開発においても、Javaがもっとも多く使われているプログラミング言語だと言われています。Androidは言うまでもなく、iOSと並び立つ二強スマホ・タブレット向けOSであり、Android向けアプリ開発ニーズはなくなることはないでしょう。
もっといえば、今後iPhone・iPadの売れ行きが鈍化していくと推測され、スマホ・タブレット向けOSのシェアをますます拡大させるといわれていますし、今までWindowsが強みをもっていた特定機器向け組み込みOS、たとえばPOSやATMなどのOSとしても、じわじわAndroidがシェアを伸ばしているともいわれています。
今後のJava案件の見通しとしては、人工知能分野で活躍するPythonやC系言語のように、1000万円以上を狙える高年収案件はまずないものの、(開発するものが多少変わっていくかもしれませんが、)Javaのニーズ自体は残り続ける、という評価に落ち着きそうです。
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