心得①「プライドが高いように見える」背景を理解する
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現場でよく起きるのは、指摘した瞬間に表情が硬くなり、それ以降発言が減ってしまうというケースです。これを「プライドが高い」「打たれ弱い」と一括りにしてしまうと、本質を見誤ります。
筆者が現場で見てきた限り、この反応は大きく2つの特性に分解できます。
1. 指摘されることに慣れていない
Z世代は、学校教育や家庭において、頭ごなしに否定される経験が相対的に少ない世代です。加えてSNSでは、常に「いいね」や共感という肯定的な評価にさらされてきました。
その結果、否定的なフィードバックそのものへの耐性が育ちにくく、些細な指摘でも「強い攻撃」として受け止めてしまうのです。
2. 納得できないことはやらない
これは反抗心ではなく、検索一つで常に「なぜ」を確認できる環境で育ってきたことの表れです。上司の指示であっても、目的や理由が腹落ちしなければ、行動に移すモチベーションが上がりません。かつての「まずやってみろ」という指導が通用しにくいのは、このためです。
実際、筆者が支援したある製造業の現場では、新人が「作業手順を守らない」と問題視されていました。本人に理由を聞くと、返ってきたのは「なぜこの順番でやるのか、教えてもらったことがなかったので」という一言でした。
反抗心ではなく、単純に手順を守らなければいけない理由を知らなかっただけだったのです。安全上の理由を伝えた途端、行動は目に見えて変わりました。
このように、「プライドが高い」の正体は、多くの場合、防衛反応か、納得材料の不足です。
実務上有効なのは、「なぜそれが必要か」をあらかじめ言語化しておくことです。理由の共有を後回しにすると、後々の指導がすべて「中身のないダメ出し」に受け取られてしまうことがあります。
心得②フィードバックは「事実」と「承認」を分けて伝える
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評価面談やOJTの場面では、良かれと思った指摘が反発や離職検討につながることがあります。特に「サンドイッチ話法(褒めて→指摘して→褒める)」は、Z世代には意図が透けて見えやすく、逆効果になることも少なくありません。
なぜ難しいかというと、Z世代は公平性への感度が非常に高く、「なぜ自分だけ」「基準は何か」を敏感に察知するためです。
ここで求められるのは、感情ではなく事実に基づいたフィードバックです。「〇〇という行動が、△△という結果につながった」という事実の提示と、成長への期待を、混ぜずに順番立てて伝えることが実務上のコツです。
ある小売業の店舗では、店長が「何が起きたか」「次はどうするか」の2段階だけで伝える形に変えたところ、若手スタッフの離職相談が明らかに減った、という報告を受けたことがあります。
フィードバック前に確認したい3点
- 感情ではなく行動・事実を伝えられているか
- 評価基準を本人がすでに理解しているか
- 1on1など、フォローの場をセットで設計しているか
心得③叱るより「問いかける」指導方法に切り替える

指導方法として見落とされがちなのが、「正解を教える」ことと「気づかせる」ことの違いです。現場では、効率を優先して答えを先に伝えてしまい、結果として本人の納得感が置き去りになるケースが目立ちます。
筆者の経験では、Z世代は「一方的に指示される」ことよりも、「自分で考えて選んだ」というプロセスを重視する傾向が強いです。難しいのは、時間のかかる問いかけ型の指導が、忙しい現場では敬遠されやすい点です。
実務上は、「どうすればよかったと思う?」「次はどう進めたい?」といった問いを一つ挟むだけでも、受け止め方が大きく変わります。すべてを問いかけ型にする必要はなく、優先度の高い場面に絞って使うのが現実的です。
心得④研修・育成設計は「自主性」と「伴走」の両立がカギ

研修に対する不満として多いのが、「マイクロマネジメントされている」「指示ばかりで成長実感が持てない」という声です。
一方で、適度な指導がないと「サポートが足りない」と受け取られることもあり、一見矛盾した要望に見えます。
これは、Z世代が「自分で選びたい、でも一人にはされたくない」という価値観を持っている傾向があるためです。
実務上は、大きな目標をいきなり課すのではなく、達成可能な小さなゴールを段階的に設定し、都度フィードバックを返す設計が有効です。
あわせて、生成AIを使った自己学習支援(振り返りの言語化支援や、質問への即時応答など)を取り入れることで、育成担当者の負荷を抑えながら、本人の自主性も尊重できるようになってくるのではないでしょうか。
心得⑤指導する側の「思い込み」を点検する
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最後に見落とされがちなのが、指導する側自身の価値観です。
「若手はこうあるべき」「自分が若手の頃はこうだった」という前提が、無意識のうちに指導方法を硬直させていることがあります。
現場では、この思い込みが強いほど、部下の反応を「打たれ弱さ」や「プライドの高さ」として片づけてしまいがちです。
また、ここで見落とされがちなのが、指導する管理職自身の疲弊です。「言い方に気を遣いすぎて指導そのものが怖くなった」「なんでもハラスメントと言われるのではないか」という相談も、決して少なくありません。
指導方法を変えることは、部下のためだけでなく、管理職自身が消耗せずに指導を続けるためにも必要なプロセスだと捉えましょう。
一人で抱え込まず、人事や周囲のマネージャーと指導の悩みを共有できる場を持つことも、遠回りに見えて有効な対策です。
実務上は、指導後に「今の伝え方で伝わったか」を本人に確認する習慣を持つことをお勧めします。一方的な指導で終わらせず、双方向のやり取りを組み込むことが、結果的に信頼関係の構築につながります。
まとめ|管理職の「常識」を手放すことが、Z世代を伸ばす第一歩
ここまで5つの心得をお伝えしてきましたが、共通しているのは、指導のテクニックを増やすことよりも、管理職自身が「自分の当たり前」を一旦脇に置く姿勢が問われているという点です。
「Z世代はプライドが高いから・・・」で片づけてしまうと、指導方法の改善は進みません。その裏には、指摘への耐性の低さや、納得できないと動けないという特性など、育ってきた環境に由来する具体的な理由があります。まずはその背景を理解することが、すべての出発点になります。
採用基準や育成プランをZ世代の価値観に合わせて見直したい方は、採用から定着・活躍までを一貫した設計として、一度自社の全体像を棚卸ししてみることをおすすめします。
若手育成で課題をお抱えの企業様は、ぜひ一度HRBIZにご相談ください。








