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従業員エンゲージメントが低い日本で、フリーランスの「働きがい」はどこにあるのか

#学び

【記事概要】

3月を迎え、TECHBIZ MEDIAでは採用にまつわるテーマを取り上げてきました。働き方の多様化が加速するなか、従業員エンゲージメントの向上への関心が高まっています。一方で、「施策を導入しても効果が出ない」「フリーランスをどう巻き込めばいいかわからない」といった課題も少なくありません。

その背景には、会社員だけを対象にしたエンゲージメントの設計では限界があるという現実や、組織と個人の関わり方の変化があります。本記事では「従業員エンゲージメント」をテーマに、日本の調査データをもとにした現状と課題、フリーランスを含む外部パートナーとの新しい向き合い方を整理します。

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あなたは今の仕事に、やりがいを感じていますか。この問いに即座に「はい」と答えられる人は、日本全体でわずか7%しかいません。世界規模で実施された調査が示すこの数字は、従業員エンゲージメントにおいて日本が世界最低水準にあることを意味しています。

エンゲージメントとは、仕事や組織に対して自分から能動的に関わろうとする意欲のこと。企業はいま、この向上に本腰を入れ始めています。しかし見落とされている視点があります。フリーランスのエンゲージメントは、誰が高めるのか。本記事では、その問いを起点に、自分の働く環境を自分でつくるための施策と考え方を整理していきます。

従業員エンゲージメントからみる、日本の「働きがい」の現状

従業員エンゲージメントからみる、日本の「働きがい」の現状

「従業員エンゲージメント」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。日本語に訳せば「働きがい」や「仕事への熱意」に近い概念ですが、単なるやる気やモチベーションとは少し異なります。従業員エンゲージメントとは、従業員が会社のビジョンに共感し、自分から進んで貢献しようとする意欲の状態を指します。会社に言われたからやる、ではなく、自分がやりたいからやる。その能動的な姿勢こそが、エンゲージメントの本質です。

では、日本の現状はどうでしょうか。世界最大級の調査会社ギャラップが2025年に実施した調査によると、仕事にやりがいを感じている日本の従業員は、わずか7%にとどまっています。これは世界平均を大きく下回り、主要国の中で最低水準です。残りの93%は、言い換えれば「やらされ感」で仕事をしている状態にあると言えます。さらにギャラップは、この低いエンゲージメントによる生産性の低下が、日本経済に年間約5240億ドルもの損失をもたらしていると推計しています。

従業員エンゲージメントの向上は、いまや一部の大企業だけの課題ではありません。中堅・中小企業を含む多くの企業が、エンゲージメント向上の施策を本格的に導入・実行し始めています。調査やサーベイを実施するだけでなく、その結果をもとに組織を実際に動かすための行動へとつなげる——そんな取り組みが広がっています。

しかし、ここで見落とされがちな視点があります。従業員エンゲージメントの議論は、これまで「企業と会社員」の関係だけで語られてきました。フリーランスという働き方が急速に広がるいま、その前提を一度、問い直す必要があるのではないでしょうか。

従業員エンゲージメントの新視点——フリーランスが企業を変える

フリーランスに仕事を依頼するとき、多くの企業はこう考えます。「プロに頼むのだから、一定のクオリティは保証されるはずだ」と。たしかに、フリーランスはその専門性を買われて仕事を受けています。しかし、忘れてはいけないことがあります。フリーランスも人間であり、エンゲージメントの高さによってパフォーマンスは大きく変わります。

会社員であれば、上司との1on1や日々のフィードバック、人事評価といった仕組みが、エンゲージメントを支える土台になっています。では、フリーランスにはその土台があるでしょうか。多くの場合、答えはノーです。依頼があれば仕事をして、納品したら終わり。そのサイクルを繰り返すだけでは、フリーランスがクライアントの課題を自分ごととして考える機会は生まれにくいのです。

こうした現状に、先進的な企業はすでに動き始めています。取材を通じて見えてきたのは、社員とフリーランスの垣根をほとんどゼロにしている企業が、確実に増えているという事実です。たとえば、フリーランスにも社員と同じように1on1を定期実施する企業。毎朝の朝会にフリーランスも参加させ、チームの一員として情報共有を行う企業。さらには、自分で選んだAIツールの利用料を月10万円まで補助するなど、社員と同等の福利厚生をフリーランスにも適用する企業も出てきています。

こうした施策は、フリーランスのためだけではありません。フリーランスのエンゲージメントが上がれば、アウトプットの質が上がります。クライアントへの理解が深まれば、言われた仕事以上の提案が生まれます。それは結果として、企業側の生産性向上にも直結します。フリーランスのエンゲージメントに投資することは、企業にとっても合理的な選択なのです。

エンゲージメントは「してもらう」ものではなく「起こす」もの

エンゲージメントは「してもらう」ものではなく「起こす」もの

企業がフリーランスのエンゲージメントを高める施策を紹介しましたが、そうした環境が整っていない場合、フリーランスはどうすればよいのでしょうか。答えはシンプルです。自分から動いて、自分の働く環境を自分でつくるしかありません。

ここで大切なのは、因果の順序です。「エンゲージメントが高いから能動的に動ける」と思っていないでしょうか。実際は逆です。能動的に動くから、結果としてエンゲージメントが上がる。仕事への関与度が高まり、パフォーマンスが上がり、クライアントからの評価も上がる。その積み重ねが、働きがいへとつながっていきます。

では、具体的にどう動けばよいのか。筆者自身の体験をお話しします。あるクライアントから「もっと仕事を増やしたい」と言われたとき、正直なところ、最初から強いやりがいがあったわけではありません。ただ、いまの業務フローのままでは自分も困ると感じ、業務効率を上げるツールをAIで自作し、クライアントに提案しました。自分でツールを作ったのは初めてのことです。

以前であれば、自分の職能外のことに手を出すのはハードルが高く、現実的ではありませんでした。しかし生成AIの登場により、非エンジニアでもツールを自作できる時代になっています。「自分には無理」と思っていた領域に気軽に手を出せるようになっている。専門外のことでも提案できる時代が、すでに来ています。

自分の働く環境は、待っていても誰もつくってくれない。能動的に動くことが、フリーランスにとってのエンゲージメントの起点になるのです。

自分の働く環境は、自分でつくれる時代へ

フリーランスとして能動的に動こうとしたとき、最初の壁になるのが「自分には何が提案できるのか」という問いです。クライアントの課題に踏み込み、自分から働きかけるためには、自分自身の強みや経験が言葉になっていることが前提になります。その言語化を一人で抱え込む必要はありません。

テックビズでは、フリーランスを目指す方・活動中の方のキャリア相談を受け付けています。これまでの経験の棚卸しから、強みの言語化、今後の働き方の設計まで、幅広くサポートのヒントが得られます。「自分は何を提供できるのか」が整理されると、クライアントへの提案にも、より自信を持って踏み出せるようになるはずです。

フリーランスのエンゲージメントを高め、長期的な関係を築こうとする企業も増えています。そうした企業と対等なパートナーとして向き合うためにも、自分の価値を言葉にしておくことは大きな武器になります。能動的に動き続けるフリーランスを目指す方は、一度テックビズを覗いてみてはいかがでしょうか。


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鈴木光平

鈴木光平

10年にわたって、フリーライターとして活動。テックビズのライターとしても活動中。主にスタートアップ界隈を中心に起業家や投資家などを取材、記事の執筆などを行ってきました。貴重な話を聞いてきた経験から、少しでも役に立つ情報をお届けします。

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