仕事のモチベーションがなくなった、上がらない。そんな悩みを、一人で抱え込んでいませんか。公的データやある起業家への取材をもとに、やる気が下がる原因と、働く軸を見直して立て直す方法を考えます。
仕事のモチベーションが切れた・上がらない・全くない。原因は“弱さ”というわけじゃないかも

「仕事のモチベーションが全くない」「やる気が切れて、もう辞めたい」。そんな状況で、自分を責めていませんか。けれど、仕事の熱意が下がるのは、あなただけの問題ではありません。
米ギャラップの「世界の職場の状況2026」(※2025年データ)によると、仕事に熱意を持って積極的に取り組む社員の割合は、日本で8%でした。世界平均は20%、東アジアの平均は18%です。日本は、熱意を持つ人の割合が低い水準にあります。
では、人はどんな理由で職場を離れるのでしょうか。厚生労働省の「令和7年 雇用動向調査」で、転職した人が前職を辞めた理由を見てみます。
不満にあたる理由のうち、男性で最も多いのは「給料等収入が少なかった」の9.9%です。次いで「職場の人間関係が好ましくなかった」が8.9%、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が8.5%でした。
女性は「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が12.9%、「職場の人間関係が好ましくなかった」が11.5%と続きます。
一方で、「仕事の内容に興味を持てなかった」は男性5.2%、女性4.6%にとどまります。
つまり、退職を考える理由として目立つのは、収入や労働条件、人間関係です。やる気の低下は、怠けや意志の弱さだけが原因とは限りません。職場の状況や仕事の与えられ方が、モチベーションを左右している場合もあるのです。
では、同じ環境でも熱意を保てる人は、何が違うのでしょうか。
仕事のモチベーションが切れる人、続く人の違いは?起業家が採用で重視する要素から考える
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職場の状況がモチベーションを左右するのは確かです。それでも、同じ職場で働いていて、やる気が続く人と切れてしまう人がいます。その違いを考えるヒントを、ある起業家への取材で聞きました。
採用で最も大事にしていることを尋ねると、返ってきたのは「ビジョンへの共感度」でした。スキルの高さではなかったのです。どれだけスキルが高くても、ビジョンに共感を感じられなければ採用しません。反対に、スキルが多少足りなくても、共感が高ければ採用することもあるといいます。
理由は、ビジョンに共感する人は、モチベーションが高い状態を保ちやすいからです。
会社が若いうちは、いつも同じ業務ができるとは限りません。事業のフェーズが変われば必要な業務も変わりますし、そもそも事業が変わることも珍しくないでしょう。そんなときも、共感力が高い社員なら、新しい仕事に前向きに挑戦してくれるそうです。一方、スキルだけで選ぶと、採用時と状況が変わった途端にやる気が下がることがあるといいます。逆に、入社時はスキルが足りなくても、モチベーションが高い人は成長も速いそうです。
共感は、入社したら終わりではありません。この会社では、全社会や日々のコミュニケーションで、ビジョンやミッションを社員に浸透させる工夫も続けていました。ビジョンが届き続けるよう、会社側も手を動かしていたのです。
スキルや評価だけでなく、「何のために働くのか」を実感できているか。やる気が続くかどうかの分かれ目は、そこにありそうです。給料や労働条件への不満だけでは見えにくい、モチベーションのもう一つの軸と言えるかもしれません。
仕事のモチベーションが切れた・上がらないせいで「仕事辞めたい」と感じたときの対処法とは
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ビジョンが大事なのは、会社員だけではありません。会社に雇われずに働くフリーランスも、自分なりのビジョンを持って働くのが理想です。「どんな仕事を通じて、誰の役に立ちたいのか」。この軸があると、仕事のやる気は続きやすくなります。
ただ、現実にはビジョンを追いかけるだけでは生活できるとは限りません。やりたい仕事が、収入に結びつくまでに時間がかかることもあります。
そこで一つの方法が、仕事を二つに分けて考えることです。生活のための仕事と、ビジョンのための仕事。前者でお金を、後者でやりがいを得ます。収入が安定していれば、お金の不安に気持ちを削られません。そのうえでビジョンに近い仕事に取り組めば、「何のために働くのか」を実感できます。フェーズを考えながら、両者のバランスをとれるといいでしょう。
この考え方は、今の仕事のやる気が上がらないときの対処法にも使えます。まず、自分の目標やキャリアで大切にしたいことを言葉にしてみてください。次に、今の業務の中でビジョンに近い部分を探します。評価や仕事の任せ方について、上司に相談するのも一つの方法です。
それでも状況が変わらなければ、転職や退職、フリーランスという選択肢も見えてきます。
ただしフリーランスは、収入が不安定になりやすく、自己管理も欠かせません。求人を探すときも、給料や条件だけでなく、共感できるビジョンがあるかを確かめてください。辞めたいと思ったときは、働く軸を見直すチャンスでもあります。
モチベーションが切れた・上がらないときは、キャリアのプロにも相談してみる
仕事のやる気が上がらないとき、「何のために働くのか」や「生活とのバランス」を、頭の中だけで整理するのは意外と難しいものです。とくにフリーランスは、会社員のころのように、上司や人事担当者へ気軽に相談できる環境がありません。働き方の迷いを、ひとりで抱え込みやすくなります。
そんなときの相談先のひとつが、TECHBIZのキャリア相談です。フリーランスとして働いている方はもちろん、これから独立を考えている方も利用できます。自分が大切にしたいビジョンや、今の働き方への不安を、第三者の視点で整理するきっかけになります。
編集後記:ビジョンがなくても大丈夫。まずは「ありがとう」を目標にしてみる
私はこれまで、採用広報の仕事で多くの方にインタビューしてきました。その中で、必ずお聞きする質問があります。「やりがいはなんですか?」です。
すると、「感謝されること」と答える方がとても多いのです。
感謝の相手は、顧客のこともあれば、同僚のこともあります。直接「ありがとう」と言われることもあれば、問い合わせやテキストのメッセージで届くこともあります。形はさまざまでも、人からの感謝が仕事の支えになっている点は共通していました。
今回の記事では、ビジョンを軸に書いてきました。けれど、全員がビジョンを持っているわけではないと思います。「やりたいことなんて、特にない」という方もいるはずです。
そんな方は、まず「人から感謝されること」を目標にしてみてはどうでしょうか。
どうすれば相手が喜ぶかを考えて、実行してみる。すぐに結果が出なければ、やり方を変えて試してみる。その積み重ねで感謝の言葉をもらえたとき、それは次の仕事へのモチベーションになるのではないでしょうか。
そして、人に喜ばれ、感謝される。それこそが「働く」ことの本質なのかもしれません。

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